ウィリアム・ドワイト・ホイットニー(英表記: William Dwight Whitney、1827年2月9日 - 1894年6月7日)は、アメリカ合衆国の言語学者。センチュリーディクショナリ-(英語版)の編者として知られている。
経歴
1827年、マサチューセッツ州のノーザンプトンで生まれた。彼の父親はニューイングランドのドワイトファミリー(英語版)の出身であるジョサヤ・ドワイト・ホイットニー(1800-1833)である。母親はサラ・ウイルトン(1800-1833)である[1]。ウィリアムは15歳でウィリアムズ大学に入学し、1845年に卒業した。その後数年間ノーザンプトンの銀行で働きつつ学習を続け、その後1849年にスペリオル湖地域の地質的調査を行っていた兄のジョサヤ・ホイットニー(英語版)を手伝った。調査の余暇にサンスクリット語の研究をはじめた。
1850年代、ドイツに行き、3年間サンスクリット語を研究した。冬はベルリン大学においてアルブレヒト・ヴェーバーやフランツ・ボップの下で過ごし、夏はテュービンゲン大学のルドルフ・フォン・ロートの下で研究を行った[2][3]。ドイツでの研究を通して、彼は、サンスクリット語の文献学者として、広く知られるようになった。1854年、イエール大学のサンスクリット語の教授となる。1869年には比較言語学の教授となった。また、シェフィルド科学校(英語版)にて、現代言語学を教えた。1857年からアメリカ東洋学会(英語版)の書記を務め、1884年には会長に就任した[4]。ホイットニー通り(英語版)で、1894年6月7日に死去した[5]。
家族・親族
1856年の8月28日に、彼は、エリザベス・ウースター・ボウルドインと結婚した。エリザベスは、コネティカット州の知事で上院議員のロジャー・シャーマン・ボウルドイン(英語版)の娘であった。この夫婦は6人の子供を授かった[1]。
- エドワード・ボウルドイン・ホイットニー(英語版)は、1857年8月16日に生まれて、アメリカの司法長官になった。また、息子のハスラー・ホイットニーは数学者である。
- ウィルストン・クラップ・ホイットニーは、1859年4月2日に生まれて、1861年3月11日に死去した。
- マーティン・パーク・ホイットニーは、1863年1月6日に生まれて、1874年1月17日に死去した。
- ロジャー・シャーマン・ボウルドイン・ホイットニーは、1863年1月6日に生まれて、1874年1月17日に死去した。
- エミリー・ヘンリッタ・ホイットニーは、1864年8月29日に生まれた。
- マーガレット・ドワイト・ホイットニーは、1866年11月19日に生まれた。
研究内容・業績
作品
- アタルヴァ・ヴェーダ, ルドルフ・フォン・ロート(1856-1857)と共著。
- Language and the Study of Language:言語学原理における12講義(1867)
- タイッティーリヤ・プラーティシャーキヤ, 編集および翻訳(1868)
- On Material and Form in language(1868)
- Oriental and Linguistic Studies-First Series:The Veda, The Abesta, The Science of Languge(1872)
- Oriental and liguistic Studies-Second Series:The East and West,Religiion and Mythology, Hindu Astronomy(1874)
- Darwinism and Lanugage(1874)
- The Life and Growth of Language: An Outline of Linguistic Science (1875)
- Essentials of English Grammar for the Use of Schools (1877)*
- サンスクリット文法: Sanskrit Grammar: Including Both the Classical Language, and the Older Dialects, of Veda and Brahmana (1879, 2d edn. 1889)
- Language and its Study: with Special Reference to the Indo-European (lectures) (1880)*
- Logical Consistency in Views of Language (1880)
- Mixture in Language (1881)
- The Roots, Verb-forms and Primary Derivatives of the Sanskrit Language (supplement to Sanskrit Grammar) (1885)
- Practical French Grammar (1887)*
- A Compendious German and English Dictionary (1887)*
- The Century Dictionary (editor) (1889–1891)
- Introductory French Reader (1891)*
- Max Müller's Science of Language (1893)
- Atharva Veda Samhita 3 volumes (translator)
- The History of Sanskrit Grammar (Indian reprint edition of Sanskrit Grammar)
- Manuscript Diary (photo reprint)
注 - アステリスク (*) を付した出版年は初版のものではないかもしれない。
現代版
- Oriental and Linguistic Essays
- On the Vedas
- Whitney on Language: Selected Writings of William Dwight Whitney
脚注
- ^ a b Benjamin Woodbridge Dwight(1874). The history of the descendants of John Dwight, of Dedham, Mass. 2. J. F. Trow & son, printers and bookbinders. pp. 833–837
- ^ "Whitney, William Dwight". New International Encyclopedia. 1905.
- ^ Rines, George Edwin, ed. (1920). "Whitney, William Dwight". Encyclopedia Americana.
- ^ a b Smith, Benjamin Eli (1911). "Whitney, William Dwight". Encyclopædia Britannica (11th ed.)
- ^ NY Times staff (June 7, 1894). "Prof. W.D. Whitney is Dead". The New York Times. Retrieved February 13, 2012.
- ^ Whitney, William Dwight. Sanskrit Grammar. Reprinted 2002, Motilal Banarsidass, Delhi. ISBN 81-208-0620-4
外部リンク