カーネーション(英語: CARNATION)は、直枝政広を中心とする日本のロックバンド。1981年に「耳鼻咽喉科」として結成され、1983年に現名義に変更。
来歴
音楽性
初期の頃はポップに成りきらない音楽性から「和製XTC」、あるいは「ムーンライダーズの弟バンド」などと呼ばれることもあったが[6]、5人組の黄金時代とも言えるコロンビア移籍後に[7]キャッチーな曲を収録した『EDO RIVER』を発表すると、ラジオでオンエアされることも増え[8]、シングル「It's a Beautiful Day」がスマッシュヒットする[9]。その後もアルバムを発表するごとに音楽性を変化させ続けている。
2002年以降、メンバーが3人(現在は2人)になってからは、より骨太でロック色の強いバンドサウンド[10]、人生を鋭く綴った歌詞[11]、「大人のロックバンド」とは言わせない[12]といわんばかりのタフなステージアクトで[13]、幅広い層のファンから熱い支持を受けている[14]。
メンバー
現在のメンバー
- 直枝政広(なおえ まさひろ、1959年8月26日 - )
- 東京都出身:リーダー、ヴォーカル、ギター、作詞作曲。東京造形大学卒。
- 1999年に直枝 政太郎(なおえ まさたろう)から本名に改名。
- 大田譲(おおた ゆずる、1960年1月20日 - )
- 鳥取県生まれ:ベース、ボーカル。京都産業大学卒。
- 青山陽一や西村哲也らとGRANDFATHERSで活動。解散後の1992年に加入。愛称はユルズ。
- 大学時代の同期に三原重夫(ローザ・ルクセンブルグ、ザ・スターリン、メトロファルス)、先輩に玉城宏志(ローザ・ルクセンブルグ、マチルダロドリゲス)がいる。
- 坂本サトルや坂本真綾の楽曲に参加している。
脱退したメンバー
- 矢部浩志(やべ ひろし、1963年12月21日 - )
- 石川県生まれ:ドラム、パーカッション、作曲。
- 「ベスト・クラシックス」を経て、1985年加入。広末涼子、石井竜也、キリンジなど数多くのアーティストのレコーディングやコンサートに参加。一方でメロディーメーカーとしてもセンスを発揮、在籍時は直枝に次ぐ数のレパートリーを生み出した。
- 2008年9月から椎間板ヘルニアの治療に専念するため活動休養していたが、2009年1月末をもって脱退。本人曰く、脱退は肩書き上の変化に過ぎず、作曲活動に専念して支え合っていくという。その後もバンドとの関係は続き、ライヴでも時折共演した他、2017年の『Suburban Baroque』ではドラマーとして大半の楽曲に参加した。
- 脱退後は2007年に始動させたソロプロジェクト「MUSEMENT」を本格化、並行して様々なレコーディングにも参加しつつ、2013年7月に鈴木慶一が率いるロックバンド「Controversial Spark」に参加。趣味は映画鑑賞で、サイモン&ガーファンクルのファン。
- 2020年5月13日、急性骨髄性白血病および肺炎の治療で入院したが、[15][16]同年11月に退院した。
- 棚谷祐一(たなや ゆういち、1962年1月6日 - )
- 茨城県生まれ:キーボード、ボーカル、作曲。武蔵野音楽大学出身。
- 1983年、関島岳郎(栗コーダーカルテット)や北田かおる(cornets、現妻)と共に結成した「ドレミ合唱団」で活動後、1987年加入、2002年脱退。
- スピッツ、空気公団、セロファン、ゲントウキ、伊藤サチコ、坂本サトルなどのプロデューサー・アレンジャーとしても有名。
- 脱退後はユニット「Dressed Animals」「Three Blind Moses」「i-Co-i」「Life Goes On」等で活動。専門学校東京ミュージック&メディアアーツ尚美制作表現コース講師を経て、十文字学園女子大学社会情報デザイン学科教授。映画「トテチータ・チキチータ」の音楽監督を務める。ビアテイスターの資格を持つ。
- 鳥羽修(とば おさむ、1965年7月1日 - )
- 東京都生まれ:ギター、作曲。
- ユニット「モスキート」で活動していたが、鈴木博文の紹介で1991年加入、2002年脱退。
- 現在はタマコウォルズ、ガッタントンリズムのギタリストとして活動する傍ら、綿内克幸、青山陽一、GRANDFATHERSなどの作品でエンジニアを務める。カーネーションのアルバム「WILD FANTASY」も手掛けた。2012年には、カーネーション「天国と地獄」発売20周年記念ライブにゲスト参加している。
- 馬田裕次(まだ ゆうじ、1961年2月26日 - )
- 福岡県出身:ベース、ボーカル、作詞作曲。多摩美術大学卒。1983年加入、1991年脱退。
- 耳鼻咽喉科時代からのメンバー。初期のいくつかの楽曲で作詞や作曲を担当している。
- 現在はNPO法人日本吃音協会公認吃音カウンセラーなどの資格を持ち、吃音に悩む人のためのクリニックを主宰している。
- 坂東次郎(ばんどう じろう、1960年 - )
- 北海道出身):ギター、ボーカル。多摩美術大学卒。1984年加入、1990年脱退。
- 現在はバンドウジロウ名義でタイポグラフィ作家、グラフィックデザイナー、音楽家。ユニット「bandit」や「Pit Bit」などで活動。
- THE BOOMのツアーなどに参加。
- 徳永雅之(とくなが まさゆき、1960年 - )
- 長崎県出身):ドラム。東京藝術大学卒、同大学大学院修了。1985年脱退。
- 耳鼻咽喉科時代からのメンバー。現在は画家。「ムサシノep」のジャケットを手がけている。大学時代に所属していた軽音部にテルミン奏者の溝口竜也がいる。
- 小汲哲郎(おぐみ てつろう)
- サックス。1980年代に脱退。
- 耳鼻咽喉科時代からのメンバー。サックスを持っているという理由で加入。初期の楽曲や岡田徹の『海辺の名人』に参加し、脱退後も音楽業界で活動。
- 谷野晃一(たにの こういち)
- キーボード。耳鼻咽喉科がカーネーションに改名した後に加入、『DUCK BOAT』製作前の1980年代に脱退。
メンバーの変遷
作品
シングル
- 夜の煙突/カメラマンのヘリコプター/COW(1984年9月、インディーズ盤)
- It's a Beautiful Day /PARTY(1995年8月15日)
- 世界の果てまでつれてってよ /摩天楼に雪が降る(新宿西口下水道MIX)(1996年1月20日)
- グレイト・ノスタルジア /DRIVE(1996年4月20日)
- Garden City Life /1/2のミッドサマー(1996年7月20日)
- Superman /ニュー・サイクリング・ブギ/やめておくれ(car over the lake dub)(1996年10月10日)
- No Goodbye /I WANT YOU(1997年2月21日)
- New Morning /アポロ(Salvage Mix)(1997年9月20日)
- 愛する言葉 -Summer Children- /恋の不思議惑星(1998年7月1日)
- たのんだぜベイビー /Strange Days(1999年1月30日)
- REAL MAN /YOUNG WISE MEN (Tokyo Twilight Shuffle Version)/ぬけがらとかげろう(1999年9月1日)
- 恋するためにぼくは生まれてきたんだ /春よ来い(2000年1月21日)
- ANGEL /El Soldado(フリーダム! フリーダム! フリーダム!)/夜の煙突 (20th ANNIVERSARY PARTY VERSION)/シケイロスのように (RECORDING LIVE at DOORS)(2004年5月13日)
- スペードのエース /十字路/ROSE GARDEN/MY LITTLE WORLD (Live)/BLACK COFFEE CRAZY (Live)/LOW PRESSURE(2004年8月11日)
- 獣たち(2005年7月6日、3枚同時リリース)
- ルネッサンス(2005年7月6日)
- LADY LEMONADE(2005年7月6日)
- WILD FANTASY /REAL MAN (Live)(2007年4月、アナログ盤)
- ジェイソン /Flange/恋するふたり(2009年4月15日)
- アダムスキー/メテオ定食(2015年12月16日、アナログ盤、2曲+下北沢GARDEN公演(2014年12月26日)のライヴ音源を追加したダウンロードコード付)
ミニアルバム
- ムサシノep (1998年3月21日、12cm+8cmの2枚組シングル)
- 「One day/ムサシノ・ブルース/サンセット・サンセット」、「Hello, Hello/My Little World/アイ・アム・サル」(Live盤)
- VENTURE BUSINESS Vol.01(2002年10月16日)
- 「愚か者、走る (Rainy Day Demo)/ハイウェイ・バス (Home Demo)/LEMON CREME (Live)/VENTURE BUSINESS SYMPHONY #1」
- VENTURE BUSINESS Vol.02 (2002年12月10日)
- 「あらくれ/ぼうふら漂流族 (Rainy Day Demo)/ダイナマイト・ボイン (Live)/VENTURE BUSINESS SYMPHONY # "VENTURE CHRISTMAS TIME"」
- VENTURE BUSINESS Vol.03 (2003年3月11日)
- 「OOH ! BABY/放課後の屋上で (Rainy Day Demo)/VENTURE BUSINESS SYMPHONY #3 "VENTURE MASSAGE 4 U"/OOH! BABY (INSTRUMENTAL)」
- UTOPIA(2011年11月16日)
- 「UTOPIA/Electric Company/もうあきてしまった/Turn/女川 (INSTRUMENTAL)/未来の恋人たち (2011 Enoshima Session)/Edo River (2011 Enoshima Session)」
アルバム
- DUCK BOAT (1986年2月21日、1989年10月2日と1995年3月1日再発、「カーネーション+政風会」名義)
- Young Wise Men (1988年3月25日、1995年10月10日と1997年7月10日再発)
- GONG SHOW (1988年8月25日、1994年12月15日と1998年11月21日再発)
- エレキング (1991年5月25日、1998年11月21日再発 デモ音源収録)
- 天国と地獄 (1992年8月25日、1998年11月21日再発 デモ音源Disc付、2012年5月9日 LIVE DVD付)
- EDO RIVER (1994年8月21日、2009年11月25日再発 Bonus Disc付)
- a Beautiful Day (1995年8月19日、2009年11月25日再発 Bonus Disc付)
- GIRL FRIEND ARMY (1996年8月21日、2009年11月25日再発 Bonus Disc付)
- booby (1997年9月20日、2009年12月9日再発 Bonus Disc付)
- Parakeet & Ghost (1999年2月10日、2009年12月9日再発 Bonus Disc付)
- LOVE SCULPTURE (2000年2月19日、2009年12月9日再発 Bonus Disc付)
- LOVE SCULPTURE II (2000年4月21日、アナログ盤)
- LIVING/LOVING (2003年8月27日、2014年6月18日再発 Bonus Disc付)
- SUPER ZOO ! (2004年11月25日、初回盤のみDVD付、2014年6月18日再発 Bonus Disc付)
- WILD FANTASY (2006年7月26日)
- Velvet Velvet (2009年11月25日、初回盤のみDVD付)
- SWEET ROMANCE (2012年9月19日、初回盤のみインストCD付)
- Multimodal Sentiment (2016年7月13日、インストCD付)
- Suburban Baroque (2017年9月13日、インストCD付)
- Turntable Overture (2021年11月17日、インストCD付、初回盤のみDVD付)
- Carousel Circle (2023年11月29日、インストCD付、初回盤のみBlu-ray付)
ベスト
ライブ
BOXセット
映像作品
関連作品
- 鈴木博文 「Wan-Gan King」(演奏、1987年10月5日)
- THE SUZUKI 「meets GREAT SKIFFLE AUTREY」(演奏、1994年4月1日)
- 加藤いづみ「Sad Beauty」(演奏、作詞作曲、1997年10月17日)
- トッドは真実のスーパースター(トッド・ラングレン・トリビュートアルバム、「a dream goes on forever」のカバーで参加、1997年)
- ブレッド&バター 「BB★C」(演奏、作詞、アレンジなどで参加、1998年)
- man-hole オリジナルサウンドトラック(メンバーが演奏、2001年4月9日)
- Smells Like Teenage Symphony(コンピレーションアルバム、5人メンバーでの最後の曲「長い休日」収録、2002年3月27日)
- キリンジ 「YOU AND ME」(メンバーが参加、2004年)
- 安藤裕子 「水色の調べ」(メンバーが参加、2004年)
- 浅田信一 「モアベター・スマイル」(M2・6 演奏、アレンジ、ツインボーカルで参加、2005年)
- 鈴木祥子 「鈴木祥子」(M6-8 演奏、2006年1月25日)
- GO-GO KING RECORDERS ORIGINAL RECORDINGS vol.1(「ハリケーン」のロングバージョン収録、2006年3月22日)* ナゴム ポップスコレクション(「夜の煙突」、「カメラマンのヘリコプター」、「COW」のシングルヴァージョン収録、2006年3月23日)
- ロック画報 第24号(未発表音源収録CD付録、2006年6月26日)
- 耳鼻咽喉科 「偉大(はずかしく)なる2年 Anthology 1981-1983」 (CD2枚組+DVD1枚、WEBとライブ会場のみ特典CD付き、2009年11月25日)
- カーネーション・トリビュート・アルバム「なんできみはぼくよりぼくのことくわしいの?」(メンバー、元メンバーも演奏・プロデュース等で参加、2013年)
未発表曲
- レインボウ (2000年中頃の作品)
- 骸骨と貨物列車 (2000年代にソロライブで演奏)
- 花の精 (2014年のツアー"SOMETHING NEW"にて二度演奏)
書籍
- カーネーションの偉大なる40年 40years of THE GREAT NOSTALGIA(2024年2月4日、シンコーミュージック・エンタテイメント)
その他
- がんばれナイジェル c/w 私はナオエ(レーベル、番号なし、カセット、1987年)
- MADNESS YEARS vol.1(MADNESS MDC-002、カセット、1993年)※直枝ソロや耳鼻咽喉科を含む初期デモ集
- DES 120 JOURNESS SODOME/ERCURE(MADNESS MDC-003、カセット、1993年)※「天国と地獄」のデモ音源集。同アルバムのリイシュー版に再収録
- SKYSCRAPER(コロムビア、TJDL-91211、アナログ12インチ、1996年)
- 3PIECES OF CARNATION(cutting edge、CTSS-00325、カセット、2003年)
- LIVING/LOVING DEMO #001(cutting edge、CTSS-00362、カセット、2003年)
- SUPER ZOO DEMO(CAR、CAR-02、カセット、2004年)
- 12/12(CAR、CAR-02、CD-R、2004年)※2004年12月12日の九段会館公演の一部入場者特典CD-R
- ハリケーン設立記念おまけCD(レーベル、番号なし、2006年)
タイアップ一覧
ヘビーローテーション/パワープレイ
テレビ
放送年
|
曲名
|
ヘビーローテーション/パワープレイ
|
2009年
|
Velvet Velvet
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朝日放送『MUSIC FILE』番組リコメンド
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ラジオ
放送年
|
曲名
|
ラジオヘビーローテーション/パワープレイ
|
1994年
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EDO RIVER
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NORTH WAVE 1994年9月度POWER PLAY
|
1995年
|
It's a Beautiful Day
|
FM-NIIGATA 1995年8月度パワープレイ
|
その他
脚注
注釈
出典
関連項目
外部リンク