キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ
『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ』(KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES、略称: COM、KHCOM)は、2004年11月11日にスクウェア・エニックスより発売されたゲームボーイアドバンス用コンピュータゲームである。後に『キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ』としてPlayStation 2向けにリメイクされた(後述)。 概要前作『キングダム ハーツ』と次回作『キングダム ハーツII』の間の出来事を描いた作品。ナンバリングタイトルではないが、シリーズにおける本編作品である。『KH』のエンディング直後から始まり、『KH2』へつながる伏線や謎を多く残している。ムービーの挿入やエンディングに『光』がフルコーラスで流れるといった演出もある。 2003年9月の東京ゲームショウ2003で『KH2』と同時発表された。PlayStation 2専用ソフトだった『KH』と異なり、対応ハードがゲームボーイアドバンスということでユーザーを驚かせたが、ディレクター野村哲也は「『KH』をGBAで遊びたいという意見が予想以上に多く、実際の子供たちの声が制作を始めるきっかけとなった」と話した。ただしハードの違いからか、本作をプレイしていない『KH』のプレイヤーも多く、また本作をプレイしていないと『KH2』のシナリオの一部が理解しにくいことから、リメイク作品として『Re:チェイン オブ メモリーズ』が制作された[要出典]。 野村のデザインによるオリジナル仕様のゲームボーイアドバンスSPが同梱された限定版『キングダム ディープシルバーエディション』も同時発売された。2006年3月9日には『キングダム ハーツ チェイン オブ メモリーズ アルティメットヒッツ』として、低価格化されて再発売されている。 最初はソラ編から始まり、ソラ編をクリアすることでリク編「Reverse/Rebirth」がプレイできるようになる。「Reverse/Rebirth」には逆再生という意味が込められており、ソラ編で起こった事件の裏側をリク編で知ることができるという仕組みだが、敵の集団である“機関”の正体や目的といった根本的な謎の解決は『KH2』へ持ち越しされた。ソラ編が1階から始まり最上階の13階を目指すのに対し、リク編は最下層の地下12階から始まり1階を目指すという対極に位置している。 ゲームとしての特徴本作の開発にあたり、最も重視されたのは「GBAで『キングダム ハーツ』らしい戦闘がどこまで作れるか」ということだった。劇中でも重要な役割を担うカードを戦闘に採り入れることは開発当初から決まっており、初めはカードゲームとしての比率が大きいゲームとして作られていたが、「KHらしくない」ことから段々とカードを使ったアクションゲームという方向にシフトしていく。その結果、KHの特徴であるアクション性の強いRPGとなり、「ゲームボーイ版KH」と呼ぶにふさわしいものに出来上がった。これらのシステムはリメイク作品の『Re:COM』になっても変わらず採用されている。 フィールドの移動中に敵と接触するとバトル画面に切り替わる、シンボルエンカウント方式がとられている。プレイヤーキャラクターのソラとリクは、移動とジャンプ以外の全ての行動をバトルカードによって実行することとなる。
キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ
『キングダム ハーツ Re:チェイン オブ メモリーズ』(キングダム ハーツ リ・チェイン オブ メモリーズ、KINGDOM HEARTS Re:Chain of Memories、略称:Re:COM)は、『COM』をPlayStation 2向けにフル3Dリメイクした作品。『キングダム ハーツII ファイナル ミックス+』として、『キングダム ハーツII ファイナル ミックス』との2本セットで発売された。 『KH』『KH2』に比べて『COM』をプレイしたユーザーが少ないということで、『KH2FM+』のおまけとして当初はGBA版をそのままPS2に移植したものを付属する予定だったが、『武蔵伝II ブレイドマスター』などを開発した大阪開発部(当時『キングダム ハーツ バース バイ スリープ』の開発にあたっていたが、一時中断した経緯がある)が参加したことによってリメイクが実現した。カードバトルやルームクリエイションなど基本的なシステムはGBA版のままに、バトル部分は大阪開発部が、イベント部分は東京開発部(『KH2』のスタッフ)が担当している。 英語キャストの収録におけるコストの問題や時間の制約から当初の発売は日本のみで、海外のユーザーに対しては「どうしようかと頭を悩ませている」と野村が語っていたが、北米版は2008年12月2日に『Re:COM』単体で発売された。 また2013年には、本作のPS3向けHDリマスターが含まれた『キングダム ハーツ HD 1.5 リミックス』が発売された。前述の通り本作は日本と北米でしか発売されていないため、欧州や豪州においてはこれが初めての本作をプレイできる機会となった。 主な変更点は以下の通り。
あらすじハートレスを操り、世界を闇に包もうとしていた闇の探求者アンセムを倒したソラ・ドナルド・グーフィーの3人だったが、闇の扉を閉じるためにリクと王様を闇の世界に取り残す結果となってしまった。王様の「光への扉がどこかにある」との言葉を信じ、どこまでも続く草原を歩き続けている3人の前に、分かれ道と共に黒いコートの男が現れる。 「お前に必要なものがこの先にある。ただしそれを手に入れるには、大切な何かを失うことになる」 男を追って辿り着いた「忘却の城」。リクと王様に会えることを感じたソラたちは、手に入れるかわりに失い、失うかわりに手に入れるというこの城に足を踏み入れる。きっとリクと王様がこの先にいる。そう信じて。一方、光と闇の狭間で目覚めたリクも、謎の人物の声に導かれ忘却の城に姿を現した。 ソラ編忘却の城の中には、ソラの記憶から作られた「かつて訪れた世界」が広がっていた。これまでの経験をなぞるように、しかしどこか異なる冒険を繰り広げ、忘却の城を進んでいくソラ一行。しかし城を進む度に3人は過去の記憶を失っていく。その彼らの前に「機関」を名乗る黒いコートの者達が現れ、ソラを翻弄していく。中でも、アクセルという男はソラと敵対したかと思えば助言めいた発言をしたりと不可解な行動を取る。 やがてソラはリクとカイリの他にもう一人、仲良しの女の子がいた事を思い出す。彼女の名前はナミネ。そして対峙した黒いコートの女・ラクシーヌがこの城にナミネを捕らえていることを明かす。「ナミネを守る」という約束を思い出したソラは彼女の救出に躍起になるが、そのソラの前に現れたリクがナミネを忘れていた事を指摘し、彼女を救うのは自分だと豪語する。そして城を進むうちにソラはカイリの存在を忘れ、記憶の中のそれがナミネに置き換わっていく。とうとうナミネへの固執のあまり、ソラは心配するドナルドとグーフィーをも置き去りにしてしまう。しかしアクセルによって解放されたナミネに真実を告げられ、ソラはようやく記憶の食い違いに気付く。全てはソラの記憶を書き換えて手中に収めんとする「機関」の陰謀であり、人の記憶を操る魔女であるナミネの力と忘却の城を利用したのであった。そしてソラの前に現れたリクは彼のレプリカであり、記憶操作によって自身を本物のリクだと思い込まされていた。計画を狂わされて怒ったラクシーヌはソラを始末しようとするが、ドナルドとグーフィーの加勢によって敗北・消滅する。 例え偽りの記憶でもナミネを守ることを決めたソラは、全てを仕組んだ黒幕・マールーシャの元へ向かうも、彼らを見送ったナミネはマールーシャに捕まってしまう。だがマールーシャもまた、ソラを利用して「機関」を乗っ取ろうする裏切り行為をアクセルに監視されていたのだった。対立する二人の前にソラ一行が現れ、マールーシャはアクセルに彼らの相手をさせるように仕向け、逃亡。ナミネにソラの記憶を全て消すように命じるがナミネはこれを拒否し、リク=レプリカの加勢もあってソラはマールーシャを撃破する。しかしそれは偽物であり、無の世界にてソラはマシンに乗ったマールーシャとの決戦に挑む。激闘の末にマールーシャを倒したソラはリク=レプリカに優しい言葉を掛けるが、彼は気持ちだけ受け取って去って行った。 ナミネは、この城で失ったソラ達の記憶を蘇らせるには、装置の中で1年間眠らなければならないと語る。しかしそれは同時に、ナミネのことを含めてこの城での出来事を全て忘れてしまう事を意味した。忘れないようにジミニーメモに「ナミネにお礼を言う」と記し、ソラ、ドナルド、グーフィーは眠りに就くのだった。 リク編地下の最下層から忘却の城に入り込んだリクは、謎の声の正体であったアンセムに闇へと誘われる。しかし遠くから思念を飛ばしてきた王様に助けられ、城に向かっているという彼と再会を約束して奥へと進んでいく。自身の記憶の世界で出会うのは闇の存在ばかりであり、リクは改めて自分が闇に染まっていた事実を思い知り、心の闇を克服することを決意する。一方、マールーシャらとは別の機関員はリクを手中に収めようと目論み、リク=レプリカを生み出して本物のリクと戦わせる。リク=レプリカは闇の力を解放して本物を下し、闇を恐れる彼を蔑んで去って行った。自身の中に潜むアンセムの侵蝕に何度も挫けそうになりつつも城を進むリクだが、機関員ゼクシオンによってとうとう精神的に追い詰められてしまい、彼の放つ光に呑まれて消えかける。しかしカイリの姿を借りたナミネの呼びかけにより、自身の闇を受け入れて力とし、ゼクシオンを退ける。 地上ではソラ一行がマールーシャを倒して眠りに就いており、彼らの前から姿を消したリク=レプリカはアクセルに「本物」になるように唆され、敗走したゼクシオンを吸収する。しかしそれでも何も変わらず、オリジナルのリクがいる限り自分は永久に「影」のままだとして戦いを挑んでくる。敗北したリク=レプリカは「(心は)たぶん自分と同じ場所へ行く」とうリクの言葉に満足するように消えていった。ナミネと対面したリクは、ソラのように眠りに就くことで心に鍵を掛ければアンセムを封じられるのだと告げられる。しかしそれを拒否して自身の闇と向き合う決意を語り、ナミネにソラのことを頼んで立ち去る。リクはようやく到着した王様と、真に自身をこの城に導いていた謎の男・ディズと対面し、渡されたカードを使って心の中のアンセムを引き摺り出す。なんとかアンセムを倒すものの、消滅間際のアンセムはリクの中にある自身の影は消えないと告げた。自分の中にアンセムの気配が残る限り家には帰れないと言うリクに、王様はリクの闇は光と同様にリク自身の力だと語り、自身もまた闇に対する認識が変わってきたことを告げる。そしてリクの選んだ光と闇の新たな可能性の道を共に歩みたいとして、自分を「王様」ではなくミッキーの名で呼ぶように言った。 城を後にしたリクとミッキーの前に再びディズが現れ、光と闇のどちらの道を進むのか問いかける。リクはどちらでもない、光と闇の中間を行くと答えた。ディズはそれを「闇夜へ続く黄昏の道か」と表するが、リクは「夜明けの道さ」と返すのだった。 登場キャラクター→詳細は「キングダム ハーツの登場キャラクター」を参照
機関→詳細は「XIII機関」を参照
声の出演『COM』の音声はバトル時のみ。『Re:COM』では下記のソラからゼクシオンまでがイベントシーンに登場し、ピーターパン以下の音声はバトル、ミニゲーム時のみとなる。また『Re:COM』は日本版キャスト / 北米版キャストの順とする。 チェイン オブ メモリーズRe:チェイン オブ メモリーズ
登場ワールド
主なスタッフチェイン オブ メモリーズRe:チェイン オブ メモリーズ関連作品
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