ギャング・オブ・フォー (バンド)
ギャング・オブ・フォー(Gang of Four)は、1976年に結成されたイングランド・リーズ出身のポストパンク・バンドである。硬質なギター、ファンク色の強いサウンド、政治的な歌詞が特徴。1984年に解散したが、その後1990年に再結成し、2枚のスタジオ・アルバムを録音した。2004年から2006年に再々結成している。 パンクロック、ファンク、ダブをミックスさせ、社会的、政治的な悪事を叙情的に強調させた。1970年代後半から1980年代初頭までのポストパンクムーブメントを代表するバンドの1つと考えられている。デビュー・アルバム『エンターテイメント!』は、史上5番目に偉大なパンク・アルバムにランクされ、雑誌『ローリング・ストーン』の「500 Greatest Albums of All Time」では、483位になった。 来歴結成から解散まで
1976年にジョン・キング、アンディ・ギル、ヒューゴー・バーナム、デイブ・ウルフソンによって結成。2~3回のライブの後、程なくしてウルフソンが脱退し、デイブ・アレンが加入。バンド名は新聞で見つけた「四人組(英語だと"Gang of four")」の記事から付けられた。 1978年に『ダメージド・グッズ』でデビューすると、同楽曲はUKのインディー・チャートで1位を記録し、ジョン・ピールのラジオ番組でもお気に入りの楽曲として流された。 1979年、EMIからデビュー・アルバム『エンターテイメント!』をリリース。パンクムーブメントの最中に発表されたこのデビューアルバムは、ウィルコ・ジョンソンに影響されたアンディ・ギルの特徴的なギターサウンドに彩られた作品となった。 1981年に2ndアルバム『ソリッド・ゴールド』をリリース。同年にデイブ・アレンが脱退。後任のベーシストとして、バスタ・チェリー・ジョーンズが一時的に加入、脱退したのち、リーグ・オブ・ジェントルメンのサラ・リーが加入。 1982年に3rdアルバム『ソングス・オブ・ザ・フリー』をリリース。シングルカットされた『アイ・ラヴ・ア・マン・イン・ア・ユニフォーム』は、同年に起きたフォークランド紛争の影響で、ラジオやテレビで放送禁止処分を受けてしまった。 1983年にヒューゴー・バーナムが脱退。同年、残された3人で制作された4thアルバム『ハード』をリリース。 1984年にバンドは解散。サラ・リーは渡米し、B-52'sなどを含む数々のバンドで活動した。 再結成から現在1991年にジョン・キングとアンディ・ギルによって一時的に再結成され、同年に5thアルバム『モール』、1995年に6thアルバム『シュリンクラップト』をリリースした。『モール』には、のちに長年にわたってデヴィッド・ボウイのセッション・ミュージシャンを務めたゲイル・アン・ドロシーがベーシストとして参加している。 2004年にオリジナル・メンバー4人によって再結成。日本を含む世界各地でライブ・ツアーを行った。2005年には過去の作品をリ・レコーディングした『リターン・ザ・ギフト』を発表。2008年にはデイヴ・アレンとヒューゴー・バーナムが脱退し、代わってトーマス・マックニース、マーク・ヒーニーが加入した。 2011年1月に約15年ぶりの新作アルバム『コンテント』をリリース[1]。 2012年にジョン・キングが脱退し、代わってジョン・ジェイラーが加入した。 2015年にアルバム『ホワット・ハプンズ・ネクスト』(布袋寅泰がギターで参加)、2018年にEP『コンプリシット』、2019年にアルバム『ハッピー・ナウ』と続々と新作をリリースし、メンバーを入れ替えつつ精力的に活動を続けていたが、2020年2月1日、アンディ・ギルが呼吸器疾患のため、64歳で死去[2][3]。これを受け、当初進められていた『エンターテインメント!』40周年記念盤の制作の予定を変更し、トリビュート・アルバム『The Problem Of Leisure: A Celebration of Andy Gill and Gang Of Four』の制作に切り替えられた。同アルバムは、翌2021年にリリースされた。 2021年10月、創設メンバーのジョン・キングとヒューゴー・バーナムによって再始動することがSNSで発表された[4]。同じくオリジナルメンバーであるデイブ・アレンは「個人的な理由」で参加せず、彼の代わりにサラ・リーが復帰する。アンディ・ギルの後任として、スリントのデヴィッド・パジョーがギターを担当する。また、このメンバーによる2022年の北米ツアーも併せて発表された。 影響後進への影響様々な要素が含まれたサウンドと斬新なスタイルで、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ、ニルヴァーナ、INXS、R.E.M.、U2、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン、ザ・ラプチャーなどに影響を与えた[5]。ファレル・ウィリアムスは、ニューヨーク・タイムズ誌上でギャング・オブ・フォーからの影響を語り[5]、フランク・オーシャンは、自身の無料配布マガジンに好きな50曲を載せ、『エンターテインメント!』の「Anthrax」を挙げている[6]。また、ナイン・インチ・ネイルズはライヴで、ゲイリー・ニューマンと共に「Anthrax」をカヴァーした[7]など、ジャンルを問わずギャング・オブ・フォーは現在もクリエイティブな人々へ大きなインパクトを与え、バンド自体も進化を続けている。 メンバー現在のメンバー
旧メンバー
作品アルバム
ライブ・アルバム
コンピレーション・アルバム
EP
日本公演
脚注
関連項目
外部リンク
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