ジャンプ コミックス
ジャンプ コミックス(JUMP COMICS)は、集英社が発行する日本の漫画単行本レーベル。同社の少年漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』・『ジャンプスクエア』・『Vジャンプ』、ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』に掲載された作品を主に収録している。1969年(昭和44年)創刊。新刊は毎月4日頃発売[注 1][注 2]。略称はJCで、ロゴタイプも「Jc」を象った物となっている。 コミックス奥付の表記は「ジャンプ・コミックス」と[1]「ジャンプ コミックス」が見られる[2]。雑誌上やWebでの記載には「ジャンプコミックス」と中黒・スペースのない表記も見られる[3][4]。 単行本の編集作業は集英社のグループ会社であるホーム社が担当している[5]。ホーム社の公式サイトでは中黒を入れた表記を使用している[5]。 なお本項では、関連レーベルについても取り扱うこととする。 収録対象『少年ジャンプ』系列誌用のレーベルであり、『週刊少年ジャンプ (WJ) 』・『ジャンプスクエア (SQ) 』・『Vジャンプ (VJ)』・『少年ジャンプ+ (PLUS) 』・『グランドジャンプPREMIUM (GJP)』及びその増刊号で連載された作品の単行本や、同誌連載作家の短編集などが発行される。ただし2019年現在では『SJ』系列の単行本については下位レーベルである〈ジャンプ・コミックス デラックス〉(後述)からの発行となっており[注 3]、〈ジャンプ コミックス〉レーベルから直接発行される作品はほぼ少年誌掲載作品に限られている。『VJ』は専用レーベルとして〈Vジャンプブックス〉があり、かつては同レーベルからの発行が中心であったが、2019年現在では本レーベルからの発行が中心となっている[注 4]。 ジャンプ系列の中でも『ヤングジャンプ』とその系列誌の作品は〈ヤングジャンプ コミックス (YJC) 〉及びそのサブレーベルからの発行となり、『SJ』を除いたジャンプ系青年誌関連作品は当レーベルからは発行されない。ただし〈YJC〉系列の雑誌に掲載された作品であっても、『WJ』からの移籍作品や過去に『WJ』で連載された作品の続編などについては引き続き〈ジャンプ コミックス〉から発行されることもある[注 5]。また、初回から『週刊ヤングジャンプ』『となりのヤングジャンプ』で連載されていながら、単行本はジャンプ コミックスレーベルから発行された例もある[注 6]。 ただし、永井豪の短編集『じん太郎三度笠』は例外で、掲載作品の初出が『週刊少年マガジン』であるうえにジャンプ掲載作品は収録されていないにもかかわらず、初出から4年の月日を経て1971年にジャンプ・コミックスのレーベルで発行された。 歴史1969年(昭和44年)11月30日の『ハレンチ学園』(永井豪)・『男一匹ガキ大将』(本宮ひろ志)・『父の魂』(貝塚ひろし)の各1巻の発行から始まる。当初は未単行本化作品[注 7]や他社で単行本化された作品[注 8]もあり、全ての連載作品が当レーベルから単行本化されていたわけではない。 1975年(昭和50年)からは短期連載終了作品や短編集を中心に、子会社である創美社からジャンプスーパーコミックス(JSC、後述)として発行されるようになり、〈JC〉と〈JSC〉を合わせれば1984年(昭和59年)開始の『きまぐれオレンジ☆ロード』(まつもと泉)以降の『WJ』連載作品は全て単行本化がなされている。1989年(平成元年)開始の『剣客 渋井柿之介』(高橋ゆたか)以降の『WJ』連載作品については、全てが〈JC〉より単行本化されている[注 1]。 記録累計発行部数『ONE PIECE』(尾田栄一郎)の国内累計発行部は2022年8月時点で国内最高記録となる4億1000万部を突破している[6]。また世界累計発行部数は2022年8月時点で5億1000万部を突破し[6]、「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」としてギネス世界記録に認定されている[7]。 累計発行部数ランキング(1億部以上)
初版発行部数『ONE PIECE』(尾田栄一郎)67巻の初版発行部数は405万部であり、これは日本出版界の最高初版発行部数となっている[20]。同作は自身の持つコミック最高初版発行部数(27巻と55巻の263万部)を56巻(285万部)で更新、57巻以降は日本出版の最高初版発行部数を67巻まで更新し続けた[21]。(詳細はONE PIECE#概要の項を参照) 初版発行部数ランキング(トップ10作品)
初版発行部数で100万部以上を記録した作品一覧〈ジャンプ コミックス〉レーベル[注 9]で初版発行部数100万部以上を記録したことがある作品は、以下の25作品[注 10]である。ここでは、各作品を発表年順に記載する。
オリコン記録2011年2月11日付の「オリコン“本”ランキングコミック部門」では、『ONE PIECE』(尾田栄一郎)第61巻が「歴代最速3日で初週実売200万部超え」を達成した[31]。 2012年5月14日付の「オリコン“本”ランキングコミック部門」では、『ONE PIECE』(尾田栄一郎)が2008年4月の集計開始以降では初となる「シリーズ累計売上1億部」(4年間の累計)を突破した[32]。 2020年2月10日付の「オリコン週間コミックランキング」では、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)が2008年4月の集計開始以降では初となる「同シリーズでの売上トップ10独占」を達成した。なお、この記録は4週間続いた。 2020年11月30日発表の「オリコン年間コミックランキング 2020 単巻別」では、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)が2008年4月の集計開始以降では初となる「年間コミック売上1位から22位まで独占」を達成した。 2021年1月4日付の「オリコン週間コミックランキング」では、『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴)第1巻が2008年4月の集計開始以降では初となる「単巻累計売上500万部」(5年間の累計)を突破した。 巻数記録『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(秋本治)の巻数が既刊201巻である[33]。同作品は、1998年(平成10年)12月発売の111巻で『ゴルゴ13』(さいとう・たかを・リイド社)の巻数を抜き[注 11]、2016年(平成28年)に連載を終了するまで日本の漫画単行本の最多巻数記録を更新した。この単独首位記録は、同作品連載終了より5年後の2021年(令和3年)に再び『ゴルゴ13』に巻数記録を追いつかれるまで続いた。 単行本巻数ランキング(50巻以上)同一作者による単一タイトル名の作品のみ。シリーズ累計での記録は除く。 巻数の 太字 は完結。
形状サイズは原則として新書判。ただし、アニメコミック (B6)・完全版 (A5) ・『SQ』連載作品の一部 (B6) などのようにより大判で発行される事もある。 初期の物は多くの箇所でデザインが画一化されていたが、徐々に自由化されてきている。ただし背表紙や表紙そでの基本デザインは創刊時から変更されていない。 長らく掲載誌によるデザインの差別化はなされておらず、外見から掲載誌を特定することはできなかったが、2008年より『ジャンプスクエア』掲載作については専用のデザインが使用されている。『SQ』掲載作品の単行本は全体的なデザインとしては通常の〈JC〉を踏襲しながらも、『SQ』のイメージカラーであるオレンジを基調としたものになっており、奥付の背景としてスクエアのロゴが使用する、ロゴの一部に「SQ.」を組み合わせるなど通常の〈JC〉とは差別化されている。同じく『少年ジャンプ+』掲載作についても専用のデザインが使用されている。ただし、奥付の表記は同じく「ジャンプ コミックス」であり、サブレーベル化されているわけではない。『MJ』時代からの続刊作品や『WJ』からの移籍作品については、既刊に合わせた従来通りのデザインを継続して使用している。 また、ヤングジャンプで掲載されて、単行本がジャンプ コミックスの場合は、「JC ヤングジャンプ」というレーベル名になっている。 以下、通常の〈JC〉とは異なるSQ単行本用デザインについては冒頭に(SQ)、YJ単行本デザインについては冒頭に(YJ)と付記する。 原則としてカラーページはないが、一部の巻には巻頭に折り込まる場合がある[34]。また『SQ』用デザインの単行本では、原則として巻頭に2-4ページまたは折り込み1枚のカラーページが収録されている。 ロゴタイプ以下のロゴタイプが使われている。
表紙カバー
巻末写真付きで2ページのコメントが必ず掲載されていた。1970年代には著名人のコメント(シリーズものの最終巻では作者のコメント)、1980年代は読者からのお便りによるコメントに変わる。しかし、コミックスに未収録の本誌の内容を感想に書いて送ったファンレターが掲載されることもあり、コミックス派の読者に対するネタバレが発生した。後にこのフォーマットは廃止されている。フォーマット廃止後は、作者によってはファンサービスのページとして使われており、途中のあまりページと合わせて読み物や描き下ろし漫画、単行本収録に当たり省かれた雑誌掲載時の扉ページ、読者からのコメントやイラストなどが掲載される場合がある。なお、『ドラゴンボール』や『こちら葛飾区亀有公園前派出所』の様に、フォーマット廃止前より独自のコーナーを設けていた作品もある。 巻末でページ数が余った場合には、原則とし奥付より後ろに既刊の広告・最終ページには完結既刊リストが掲載される。しかし、近年では他作品の広告が掲載される事は殆どなく、次巻の予告やスタッフ紹介のみが掲載される事が多い。 その他『ジャンプ』作品は雑誌掲載時は奇数ページが基本であるため、単行本収録時には各エピソード間に空きページが生じてしまう。空きページには作品から流用したカットや描き下ろしイラストが挿入されることが多いが、作者によっては上述の巻末同様にファンサービスのページとして使われている。 過去のストーリー漫画作品は単行本収録時に続き物のエピソードはひとまとめする傾向が強かった(扉絵もほとんど収録されないので空きページも出ない)。『ドラゴンボール』や『電影少女』は巻末に扉絵ギャラリーとしてひとまとめにしていた。『聖闘士星矢』は見開きの扉絵で聖衣の展開図を描くことが多かったが、単行本収録時には巻末にまとめられている。 連載作品で2巻以上続く単行本には巻数と共に、サブタイトル[注 17]も設定・記載される[注 18]。 価格の変遷
価格は税率も含め発売当時のもの。1989年の消費税の導入後は税込み価格を「定価」・税抜き価格を「本体」として記載。1999年以降[36][37]は「定価 本体価格xxx円+税」と記載が改められ、税込み価格が記載されなくなった。 ※ 年月は発行日を参考としているため、実際の発売日は一月前の場合がある。
関連レーベル集英社や子会社にさまざまな関連レーベルが存在し、子会社から発行されているものも発売は全て集英社からなされている。以下発行会社別に関連レーベルをまとめる。レーベル名後ろの括弧内は英語表記及び略称。 集英社
集英社クリエイティブ子会社の集英社クリエイティブ(旧・創美社)からの発行。
ホーム社ホーム社では編集作業の他にコンビニコミックや、アニメ化作品のフィルムコミックなどを発行している。
脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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