スジホシムシ科 (スジホシムシか、Sipunculidae )は星口動物 門 スジホシムシ綱 の科 。5属 からなり、スジホシムシ目 の唯一の科である。
スジホシムシ綱は触手が口を囲んで配列することで、サメハダホシムシ綱 と区別できる。この綱にはスジホシムシ科のほかにフクロホシムシ目 の3科が含まれるが、スジホシムシ科は体壁の筋肉 のうち、縦筋が分離して束状になることで区別できる[ 1] 。
構成種
属の特徴は西川[ 2] による。学名と分類体系はWorld Register of Marine Species [ 3] に従い、有効名とされるもののみを挙げた。
なお、2012年に発表された分子系統学 に基づく分類体系では、スジホシムシモドキ属 とSiphonomecus の2属は新科Siphonosomatidae に分類され、Phascolopsis はフクロホシムシ科 に移されたため、本科に含まれるのはスジホシムシ属 とXenosiphon の2属のみとなっている[ 4] 。
Phascolopsis
Phascolopsis (Fisher, 1950 )は、この科の他属と同様に縦筋は分離するが、環筋は分離しないのが特徴。
Siphonomecus
Siphonomecus Fisher, 1947 をはじめ、上記のPhascolopsis 以外の4属では縦筋に加えて環筋も分離し、束になる。加えて、本属はその筋肉の束が合流と分岐を繰り返すこと、腸管 と体壁を繋ぐ紡錘筋が体幹の後端まで伸びること、陥入吻 に繋がる牽引筋が2本しかないことで他属と識別できる。
Siphonomecus multicinctus Fisher, 1947
スジホシムシモドキ属
スジホシムシモドキ属 Siphonosoma Spengel, 1912 では、上記のSiphonomecus と同じく、縦筋と環筋の束は頻繁に合流・分岐し、紡錘筋は体幹の後端まで伸びる。しかし、牽引筋が4本あることで区別できる。
Siphonosoma arcassonense (Cuénot, 1902 )
Siphonosoma australe (Keferstein , 1865 )
Siphonosoma boholense (Selenka, de Man & Bülow, 1883 )
Siphonosoma cumanense (Keferstein , 1867 ) - スジホシムシモドキ
Siphonosoma dayi Stephen, 1942
Siphonosoma funafuti (Shipley , 1898 ) - アマミスジホシムシモドキ
Siphonosoma ingens (Fisher, 1947 )
Siphonosoma mourense Satô, 1930 - キタスジホシムシ
Siphonosoma rotumanum (Shipley , 1898 )
Siphonosoma vastum (Selenka & Bülow, 1883 ) - ムラクモスジホシムシモドキ
スジホシムシ属
広西チワン族自治区北海市産のスジホシムシ
スジホシムシ属 Sipunculus Linnaeus , 1766 の環筋・縦筋は前2属と同様に束になるが、その束は合流や分岐をほとんどしない。また、紡錘筋は後端まで伸びずに、腸管の螺旋のなかで消失する。下記のXenosiphon とは、本属では腸の前端がよじれたループになることで識別できる。Austrosiphon (Fisher, 1954 )とSipunculus Linnaeus , 1766 の2亜属に分類される。
Sipunculus (Austrosiphon) indicus Peters , 1850
Sipunculus (Austrosiphon) mundanus Selenka & Bülow, 1883
Sipunculus (Sipunculus) angasoides Chen, 1963
Sipunculus (Sipunculus) lomonossovi Murina, 1968
Sipunculus (Sipunculus) longipapillosus Murina, 1968
Sipunculus (Sipunculus) marcusi Ditadi, 1976
Sipunculus (Sipunculus) norvegicus Danielssen, 1869
Sipunculus (Sipunculus) nudus Linnaeus , 1766 - スジホシムシ
Sipunculus (Sipunculus) phalloides Pallas , 1774
Sipunculus (Sipunculus) phalloides inclusus Sluiter, 1902
Sipunculus (Sipunculus) phalloides phalloides (Pallas , 1774 )
Sipunculus (Sipunculus) polymyotus Fisher, 1947
Sipunculus (Sipunculus) robustus Keferstein , 1865
Xenosiphon
Xenosiphon Fisher, 1947 では、筋肉の特徴は上記のスジホシムシ属と一致するが、腸の前端はループにならない。
Xenosiphon absconditus Saiz, 1984
Xenosiphon branchiatus (Fischer, 1894 )
参考文献
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^ 西川輝昭 著「星口動物門」、白山義久(編集) 編『無脊椎動物の多様性と系統(節足動物を除く)』岩槻邦男・馬渡峻輔(監修)、裳華房 、2000年、194頁。ISBN 4785358289 。
^ 西川輝昭 著「星口動物門 Sipuncula」、西村三郎 (編著) 編『原色検索 日本海岸動物図鑑』 I、保育社 、1992年、300-301頁。ISBN 4586302011 。
^ Saiz-Salinas, J (2011年). “Sipunculidae ”. World Sipuncula database . 2011年8月25日 閲覧。 下位分類群については同データベース内のそれぞれのページを参照。
^ Kawauchi, Gisele Y.; Sharma, Prashant P.; Giribet, Gonzalo (2012). “Sipunculan phylogeny based on six genes, with a new classification and the descriptions of two new families”. Zoologica Scripta (英語版 ) 41 (2): 186-210. doi :10.1111/j.1463-6409.2011.00507.x .