スタージョンの法則スタージョンの法則(スタージョンのほうそく、英語:Sturgeon's law)は、SF作家シオドア・スタージョンの言葉から導きだされた格言である。
スタージョンはまた、これより有名な格言も残している。それは正確な名称としては「スタージョンの黙示(すっぱ抜き)」として知られているものであるが、現在では「スタージョンの法則」といった場合、実際にはこちらを指すことがほとんどである。例えば、オックスフォード英語辞典でもそのようになっている。
起源スタージョンの法則は1972年の編集者デイヴィッド・G・ハートウェルとの対談で初めて言及された(この対談はThe New York Review of Science Fiction #7 and #8, March and April 1989として出版されている)。それには「スタージョンの法則は元来、"Nothing is always absolutely so." のことであった。もう一つの方は「スタージョンの黙示」として知られている」とある。 「スタージョンの黙示」の初出は『Venture Science Fiction』誌(1958年3月号)である。そこでスタージョンは、以下のように述べた。
またこの話には別のバージョンがある。
系「スタージョンの黙示」は時として以下のように拡張される。
異なる表現「スタージョンの黙示」を表現する場合、しばしばカス(crud)の代わりにガラクタ(crap)やクソ(shit)という用語が用いられる。パーセンテージについても揺れがあり、「94%」という文献もあった。またごく稀にではあるが、もっと楽観的な第2の文節が加えられることもある。それは、「……だが、残りの10%はそのために死んでもいい位である」。 解釈「スタージョンの黙示」の意味は、本人によって詳細に明示されている。 「最低の作例を引っ張り出しては叩く」という悪意の攻撃に対して、自分から直接反撃しているのだ。90%のSF作品をゴミカス扱いするのと同じ基準を用いれば、映画、文学、消費財などその他あらゆるものの90%も同様にゴミである。言葉を変えれば、「SFの90%がカスだ」という主張ないし事実のもつ情報量はゼロである。なぜならば、SFは他の芸術/技術の産物と同様の質的傾向を示しているに過ぎないからである[2]。 また、「スタージョンの法則(黙示)」はパレートの法則の一例と見られる場合もある[3]。 創作一般に関して他方で、「一定の名作を生むジャンルには、常に多量の駄作がある」という風に言い換えることもできる。例えばゲーム業界であれば、名作ゲームの影には常に大量の駄作ゲームがあるということになる。 多量の駄作の存在は、それらを受け入れる市場の存在を前提にするが、それが存在しないジャンルは名作を生み出せない。そのような駄作は、駆け出しの制作者の修練の場でもあるからである。それを失ったジャンルは、後継者を失って先細りになりがちである。 脚注
関連項目外部リンク
|