スティーペ・ミオシッチ
スティーペ・ミオシッチ(Stipe Miocic、1982年8月19日 - )は、アメリカ合衆国の男性元総合格闘家。オハイオ州ユークリッド出身。ストロングスタイル・ファイトチーム所属。元UFC世界ヘビー級王者。 来歴オハイオ州ユークリッドでクロアチア人の両親の間に生まれた。高校時代は、野球、アメリカンフットボール、レスリングで活躍。各地の大学から8つのスカウト状が届くスポーツエリートであった。進学したクリーブランド州立大学とトレヴェッカ・ナザレン大学でも野球で活躍。州代表に選出され三塁手を務め、4年時には打率.344、ホームラン7本の活躍を収めると、メジャーリーグベースボールのスカウトから声がかかった[2]。 ダン・ボビッシュの練習相手をしたことがきっかけで総合格闘技に興味を持つようになる[2]。 2006年8月3日、アマチュア総合格闘技デビュー戦で勝利を収め、5連勝を記録する。 2009年、コーチにアマチュアボクシングをやってみようと誘いを受け、アマチュアボクシングデビュー戦になったクリーブランド・ゴールデングローブでいきなり優勝を果たす。ナショナル・ゴールデングローブでは、後にプロボクシングで世界王座に挑戦するブライアント・ジェニングスに準々決勝で敗れた[2]。 2010年2月20日、プロ総合格闘技デビュー戦で勝利を収める。その後、小規模大会で6戦6勝6KO・TKOを記録。 UFC2011年10月8日、UFC初参戦となったUFC 136でジョーイ・ベルトランと対戦し、3-0の判定勝ちを収めた[3]。 2012年2月15日、UFC on Fuel TV 1でフィル・デ・フライズと対戦し、スタンドパンチ連打で1RKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[4]。 2012年9月29日、UFC on Fuel TV 5でステファン・ストルーフェと対戦。2Rにスタンドパンチ連打でTKO負け。デビューからの無敗記録が途絶えたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[5]。 2013年6月15日、UFC 161でヘビー級ランキング5位のロイ・ネルソンと対戦し、終始優勢に試合を進め、3-0の判定勝ち[6]。 2014年1月25日、UFC on FOX 10でヘビー級ランキング12位のガブリエル・ゴンザーガと対戦し、3-0の判定勝ち[7]。 2014年5月31日、UFC Fight Night: Miocic vs. Maldonadoでファビオ・マルドナドと対戦し、右ストレートからのパウンドで開始35秒のTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。当初は同大会でジュニオール・ドス・サントスと対戦予定であったが、ドス・サントスが拳を負傷し欠場した[8]。 2014年12月13日、UFC on FOX 13で前UFC世界ヘビー級王者でヘビー級ランキング2位のジュニオール・ドス・サントスと対戦し、一進一退の攻防を繰り広げたが、僅差で0-3の5R判定負け。タイトル戦線から一歩退くも、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[9]。 2015年5月10日、UFC Fight Night: Miocic vs. Huntにて、ヘビー級ランキング5位のマーク・ハントと対戦。全局面でハントを圧倒し、5RにパウンドでTKO勝ち[10]。 2016年1月2日、UFC 195でヘビー級ランキング2位のアンドレイ・アルロフスキーと対戦。右ストレートでぐらつかせ、追撃の右フックでダウンを奪いパウンドで開始54秒のTKO勝ち。パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[11]。試合後には、ケージサイドのダナ・ホワイトに詰め寄りタイトル挑戦をアピールした[12]。 UFC世界王座獲得2016年5月14日、UFC 198のUFC世界ヘビー級タイトルマッチで王者ファブリシオ・ヴェウドゥムに挑戦。前進したヴェウドゥムにカウンターの右ショートフックでダウンを奪い1RKO勝ち。王座獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。当初は、UFC 196でヴェウドゥムに挑戦予定であったが、ヴェウドゥムが怪我で欠場したため、同大会に延期されていた[13]。 2016年9月10日、地元オハイオ州のクリーブランドで開催されたUFC 203のUFC世界ヘビー級タイトルマッチでヘビー級ランキング3位の挑戦者アリスター・オーフレイムと対戦。序盤に左ストレートでダウンを奪われ、ギロチンチョークを極められかけたものの、脱出した後は打撃で巻き返して、最後は関節蹴りを放ったオーフレイムの脚をキャッチしテイクダウンを奪い、パウンドで1RKO勝ち。王座の初防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[14]。 2017年5月13日、UFC 211のUFC世界ヘビー級タイトルマッチでヘビー級ランキング4位の挑戦者ジュニオール・ドス・サントスと再戦し、右ストレートでダウンを奪いパウンドで1RTKO勝ち。約2年半越しのリベンジを果たすと共に2度目の王座防衛に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[15]。 2018年1月20日、UFC 220のUFC世界ヘビー級タイトルマッチでヘビー級ランキング1位のフランシス・ガヌーと対戦。試合前のオッズはガヌー有利とされていたが、試合ではガヌーの大振りの打撃を悉く交わし、テイクダウンとグラウンドの攻防で終始圧倒。ジャッジ3者が50-44を付けるほどの一方的な内容で3-0の5R判定勝ちを収め、UFCヘビー級新記録となる3度目の王座防衛に成功した[16]。 世界王座陥落2018年7月7日、UFC 226のUFC世界ヘビー級タイトルマッチで一階級下のUFC世界ライトヘビー級王者ダニエル・コーミエの挑戦を受ける。序盤は打撃とクリンチでプレッシャーを掛け、レスリングでオリンピックに出場したコーミエからテイクダウンを奪ったものの、徐々に打撃で巻き返され、1R終盤にクリンチ際の右ショートフックでダウンを喫し、追撃のパウンドでKO負け。4度目の王座防衛に失敗し、王座から陥落した[17]。 UFC世界王座奪還2019年8月17日、UFC 241のUFC世界ヘビー級タイトルマッチで王者ダニエル・コーミエと再戦。1Rにテイクダウンを奪われると、グラウンドの攻防で劣勢に立たされ、2R以降も手数とスピーディーな打撃にやや押され気味の展開となるも、3Rから徐々に打撃で巻き返し、4Rに左ボディブローを再三レバーにヒットさせ、失速したコーミエに追撃のスタンドパンチ連打でTKO勝ち。リベンジを果たすとともに王座奪還に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した[18]。また、ミオシッチはこの試合で同年のUFCカムバック・オブ・ザ・イヤーを受賞した[19]。 2020年8月15日、UFC 252のUFC世界ヘビー級タイトルマッチでヘビー級ランキング1位の挑戦者ダニエル・コーミエとラバーマッチを行い、3-0の5R判定勝ち。王座の初防衛に成功した[20]。 世界王座陥落2021年3月27日、UFC 260のUFC世界ヘビー級タイトルマッチでヘビー級ランキング1位の挑戦者フランシス・ガヌーと約3年2カ月ぶりに再戦。2Rに踏み込んでの左ジャブでダウンを奪われ、立ち上がった所にカウンターの右ストレートをヒットさせるものの、直後に左フックでKO負け。王座から陥落し、リベンジを許した[21]。 2023年11月11日、UFC 295のUFC世界ヘビー級タイトルマッチで王者ジョン・ジョーンズに挑戦予定であったが、ジョーンズがスパーリング中に左大胸筋を断裂したため試合が中止になった[22]。 2024年11月16日、約3年8カ月ぶりの復帰戦となったUFC 309のUFC世界ヘビー級タイトルマッチで王者ジョン・ジョーンズに挑戦し、3Rに脇腹への左スピニングバックキックでダウンを奪われ、パウンドでTKO負け。王座返り咲きに失敗し、試合後に引退を発表した[23]。 ファイトスタイルパワー偏重のヘビー級において、ゴールデングローブを獲得したハイレベルなボクシングテクニックを持ち、相手を的確に捉えるストレート系のパンチを得意としている。また、レスリングで鍛えた体幹の強さを併せ持ち、クリンチやグラウンドでの攻防にも優れている[24]。 人物 ・エピソード
クロアチアとの関係
戦績
獲得タイトル表彰
ペイ・パー・ビュー販売件数
脚注
関連項目外部リンク
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