『スーパー歌舞伎II ワンピース』(スーパーかぶきセカンド ワンピース)は、尾田栄一郎原作による少年漫画作品『ONE PIECE』の舞台化作品。4代目市川猿之助演出による舞台シリーズ「スーパー歌舞伎II」の2作目。ワンピース歌舞伎と俗称されることもある[1]。
概要
先代猿之助(2代目猿翁)が創始したスーパー歌舞伎シリーズ(重厚な物語性や西洋楽器を取り入れた荘厳な音楽、煌びやかな衣装、アクロバティックな殺陣、現代語による演技などを特徴とする)を「スーパー歌舞伎II(セカンド)」として継承した4代目市川猿之助が、第1作『空ヲ刻ム者』に続き選んだ新作演劇。
「最も多く発行された単一作家によるコミックシリーズ」としてギネス認定された[2]、国内のみならず海外でも幅広い人気を誇る漫画作品『ONE PIECE』の、初の本格的舞台化作品[注 1]である。具体的には『頂上戦争編』を主軸としており[3]、シャボンディ諸島、アマゾン・リリー、インペルダウン、マリンフォードなどの世界が描かれている[4]。
佐々木蔵之介ら、現代劇の俳優を主要キャストに起用した『空ヲ刻ム者』に続き、福士誠治(初演時)、平岳大(大阪公演以降)、浅野和之ら現代劇のキャストを登用したほか、市川猿之助の属する澤瀉屋門人のみならず、中村隼人や坂東巳之助ら門外の若手を多数起用。また、振付にも歌舞伎舞台作品を多く手掛ける尾上菊之丞と、JAZZ CONTEMPORARYダンスの気鋭穴井豪の両名を起用、作曲を藤原道山、作調を田中傳左衛門、主題歌提供をゆずの北川悠仁が担い、衣装を劇団☆新感線の竹田団吾が担当するなど、スタッフ・キャストの両面に歌舞伎人脈にとどまらない幅広い人材を集めた。
この作品の上演で、新橋演舞場は平成27年度(第70回)文化庁芸術祭賞・演劇部門関東参加公演の部で優秀賞を受賞[5]した。
また、2015年初演の翌2016年にはシネマ歌舞伎として全国劇場公開されたほか、2017年からは一部脚本・演出を変更して再演されている。
麦わらの挑戦
2017年公演時には「特別マチネ 麦わらの挑戦」と題して、若手俳優を中心とした配役での特別公演が企画された。尾上右近が主役のルフィ・ハンコックを演じ、巳之助・新悟が通常公演に加えて主要な役どころを演じる。猿之助は終盤シャンクス役でのみ登場するが、このシャンクスは初演時とも通常公演の平とも全く異なり、より歌舞伎風の衣装・隈取り・演出がなされた独特の役どころとなる[6]。しかし、公演4日目の10月9日昼公演のカーテンコールで、通常公演主演の市川猿之助が、舞台装置に衣装の袖を引き込まれ左腕を骨折する大けがに見舞われる。猿之助は終演まで復帰せず、以降は全公演が右近主演となった[7]。なお、代役の配役はほぼ「麦わらの挑戦」に近く、このため通常公演の前売り券購入者には観劇当日に「麦わらの挑戦」公演との差額分が返金されている[8]。
あらすじ
配役
スタッフ
公演
2015年
- 新橋演舞場(東京) - 「松竹創業120周年 平成27年度(第70回)文化庁芸術祭参加公演 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2015年10月7日(水) - 11月25日(水)[12]
- 主催:スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ、後援:朝日新聞社、
協賛:株式会社セブン-イレブン・ジャパン、大鵬薬品工業株式会社、日本生命保険相互会社、ショウワノート株式会社[13]
2016年
- 大阪松竹座(大阪)- 「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2016年3月1日(火) - 3月25日(金)[10]
- 主催:スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ、後援:関西テレビ放送、朝日新聞社、
協賛:株式会社セブン-イレブン・ジャパン、大鵬薬品工業株式会社、日本生命保険相互会社、株式会社ダスキン[14]
- 博多座(福岡)- 「リニューアル記念公演 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2016年4月2日(土) - 26日(火)[15]
- 協力:ANA、JR九州、西鉄、福岡市営地下鉄[15]
2017年
- 新橋演舞場 - 「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2017年10月6日(金) - 11月25日(土)[16]
- 主催:スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ、後援:朝日新聞社、協賛:日本生命
2018年
- 大阪松竹座 - 「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2018年4月1日(日) - 25日(水)[17]
- 主催:スーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ、後援:関西テレビ放送、朝日新聞社
- 御園座(名古屋) - 「御園座新劇場開場記念 スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』」
- 2018年5月3日(木・祝) - 27日(日)[18]
- 主催:御園座・中日新聞社
受賞歴
- 第44回 平成27年度 大谷竹次郎賞(横内謙介)[19]
- 平成27年度(第70回)文化庁芸術祭賞優秀賞(新橋演舞場) - 「スーパー歌舞伎II(セカンド)『ワンピース』の成果」[20][5]
- デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー '15優秀賞(松竹株式会社とスーパー歌舞伎II『ワンピース』パートナーズ)[21][22]
展開
- 2016年10月22日、東劇、新宿ピカデリーほか全国劇場で公開されたのを皮切りに[23]、アメリカ合衆国・ハリウッド[24]やスリランカ・コロンボ[25]などでも上映された。シネマ歌舞伎版では、舞台上演時3時間超だったものが約2時間(118分[26])に再編集されている[1]。
- 収録内容は2015年11月新橋演舞場公演[23]
- 銀座三越で「『スーパー歌舞伎II ワンピース』の世界展」を開催[27]
- 会期:2016年10月5日 - 18日
- ブックレット書籍「スーパー歌舞伎II『ワンピース』〝偉大なる世界〟《グランド・ライブ》」を発売[28][29]
- 集英社刊 (2017/11/11) ISBN 978-4087808292
脚注
注釈
- ^ 但し、これに先立つ2015年3月より、テーマパーク施設「東京ワンピースタワー」内のアトラクションとして『ONE PIECE LIVE ATTRACTION』が上演されている。
出典
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外部リンク
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- 新・水滸伝
- 雪之丞変化2001
- スーパー喜劇 狸御殿 (2005年)
- スーパー喜劇 かぐや姫 (2015年)
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