チェール・ソネン
チェール・ソネン(Chael Sonnen、1977年4月3日 - )は、アメリカ合衆国の男性総合格闘家。オレゴン州ミルウォーキー出身。チーム・クエスト所属。元Gladiator Challengeライトヘビー級王者。チェール・シェノン、チェール・サネンとも表記される。 レスリングベースを活かしたテイクダウンからの「グラウンド&パウンド」と精度の高い左ストレートを得意とする。また、トラッシュ・トーカーとしても有名であり[1]、UFCミドル級における人気選手の一人であった。 来歴幼少の頃からレスリングを始め、将来総合格闘技に転向する前準備として1996年からボクシングを始めた。オレゴン大学時代はレスリングのNCAAディビジョン1でオールアメリカンに選出された[2]。2000年には東京で行われた世界大学選手権グレコローマン・シニア85kg級で銀メダルを獲得した[3]。並行してキックボクシングやサンボの大会にも出場し優勝している[4]。 1997年5月10日、19歳の時に総合格闘技デビュー。 5年のブランクを経て2002年3月30日の総合格闘技2戦目でジェイソン・"メイヘム"・ミラーに勝利する。 2003年2月16日、初参戦となったパンクラスで郷野聡寛と対戦し、0-0の判定ドロー。 2004年7月25日に再び来日、パンクラスにて行なわれた『パンクラス(ネオブラッド・トーナメント優勝者選抜チーム)vsチーム・クエスト 3vs3対抗戦』に中堅として参戦、山宮恵一郎と対戦し、0-2の判定負けを喫した。 UFC2005年10月7日、UFC初参戦となったUFC 55でレナート・ババルと対戦し、三角絞めで一本負け。UFC2戦目は勝利するも、2006年5月27日ジェレミー・ホーンに腕ひしぎ十字固めで敗れると、UFCをリリースされた。 BodogFight2006年8月22日、BodogFightに初参戦しティム・クレデューと対戦。1ラウンドでTKO勝利を挙げた。12月2日、BodogFightでアレクセイ・オレイニクと対戦。3-0の判定で勝利。 2007年2月18日、BodogFightでティム・マッケンジーと対戦し、1R13秒チョークスリーパーで一本勝ち。7月14日、BodogFightでアマール・スロエフと対戦し、マウントパンチでTKO勝ちを収めた。 WEC2007年12月12日、WEC 31のWEC世界ミドル級タイトルマッチで王者パウロ・フィリオに挑戦。テイクダウンとパウンドで試合をほぼ一方的にコントロールしたものの2ラウンド残り15秒で下からの腕ひしぎ十字固めでレフェリーストップによる見込み一本負けを喫し王座獲得に失敗した。しかし、ストップはソネンが腕ひしぎ十字固めを極められた際に声を上げたものをレフェリーがギブアップの意思表示と解釈した物議を醸すもので、ソネンもギブアップをしていないと抗議し、再戦の運びとなった。 2008年3月26日、WEC 33でパウロ・フィリオと再戦予定であったがフィリオの負傷欠場で、代役のブライアン・ベーカーと対戦し、判定勝ちを収めた。11月5日のWEC 36でフィリオと再戦し、膠着が続く展開になったものの、3-0の判定で勝利、フィリオに総合初黒星(不戦敗除く)をつけている。なお、当初はミドル級タイトルマッチの予定であったが、フィリオの体重超過でノンタイトル戦に変更された。 UFC復帰2009年2月21日、3年ぶりのUFC復帰戦となったUFC 95でデミアン・マイアに三角絞めで一本負け[5]。5月23日のUFC 98ではダン・ミラー[6]、10月24日のUFC 104では岡見勇信にそれぞれ判定勝ちを収めた[7]。 2010年2月6日、UFC 109でネイサン・マーコートと対戦。2Rに肘打ちを受け額から大流血するも、試合の大部分をコントロールし、3-0の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。試合後のインタビューでは、かつて共に練習し、UFC 104で対戦した岡見勇信について、賞賛するコメントを残した[8]。 2010年8月7日、UFC 117でアンデウソン・シウバの持つUFC世界ミドル級王座に挑戦。5Rに渡って有利なポジションをキープして試合を一方的に優勢に進め、4Rまでのジャッジの採点で(40-34、40-36、40-35)と大差をつけていたが、最終ラウンドの5R後半に腕ひしぎ三角固めで大逆転の一本負けを喫し王座獲得に失敗した[9]。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[10]。しかし後日受けた薬物検査で非常に高い数値のテストステロンが検出されたり偽証などで、一時はライセンスが剥奪されるも、最終的にはカリフォルニア州アスレチック・コミッションから6か月間の出場停止処分を受けた。 2011年10月8日、1年2か月ぶりの復帰戦となったUFC 136でブライアン・スタンと対戦し、終始グラウンドで試合を優勢に進め肩固めで一本勝ち。 2012年1月28日、UFC on FOX 2のミドル級王座挑戦者決定戦でマイケル・ビスピンと対戦し、判定勝ちを収めた。 2012年7月7日、UFC 148のUFC世界ミドル級タイトルマッチで王者アンデウソン・シウバと再戦。1Rは前回同様テイクダウンからグラウンドに持ち込み試合を優勢に進めるも、2Rに回転しての肘打ちを外し、体勢を崩してボディへの膝蹴りからパウンドを受けTKO負けを喫し王座獲得に失敗した。 2013年、The Ultimate Fighter 17でジョン・ジョーンズと共にそれぞれのチームのコーチを務めた。 2013年4月27日、UFC 159のUFC世界ライトヘビー級タイトルマッチで王者ジョン・ジョーンズに挑戦。テイクダウンを取られ肘打ちとパウンドでTKO負けを喫し王座獲得に失敗した。 2013年8月17日、UFC Fight Night: Shogun vs. Sonnenでライトヘビー級ランキング8位のマウリシオ・ショーグンと対戦。グラウンドで圧倒した後に1Rにギロチンチョークで一本勝ち。 2013年11月16日、UFC 167でライトヘビー級ランキング4位のラシャド・エヴァンスと対戦し、バックマウントの体勢からパウンドを受けてタップをし、TKO負けを喫した。 引退2014年7月5日のUFC 175で長年に渡って挑発し合ってきたヴァンダレイ・シウバと対戦する予定であったが、シウバが抜き打ち薬物検査を拒否し、対戦相手はヴィトー・ベウフォートに変更された[11]。 しかし、その後の5月28日、ネバダ州アスレチック・コミッションが実施した薬物検査でソネンから禁止薬物のアナストロゾールとクロミフェンの陽性反応が検出された事が発表される[12][13][14]。後日ソネンは「性機能が低下したためにTRT (テストステロン補充療法)をしていたが、TRTが禁止されたため、正常なテストステロン値を維持するために不妊治療目的でこれらの薬を処方してもらった」と弁明し、さらに「私にとっては健康問題が一番大事だし、常に家族の事が優先だ。私はいつか格闘家を辞める事になるが、両親・父親である事を辞める事はない。それは私にとってとても大事な事なんだ」と語り、引退を表明した[15][16]。 しかし、後日、6月5日の二度目の抜き打ち薬物検査の結果が6月28日に公表され、そこでヒト成長ホルモン、エリスロポエチン、ヒト絨毛性ゴナドトロピンといった一般的にパフォーマンス向上薬として知られる禁止薬物を服用していた事が発覚した[17]。 2014年6月30日、ソネンは以前よりUFCとFOXスポーツのコメンテーターとして活動していたが、薬物検査失格を理由に、UFCとFOXスポーツからソネンとのコメンテーターとしての契約が終了した事が発表された[18]。 2014年7月23日、ネバダ州アスレチック・コミッションにより2年間の出場停止処分が下された。 2014年11月11日、ESPNと契約し、ESPNの総合格闘技コメンテーターに就任した[19]。 Bellator2017年1月21日、3年2か月ぶりの復帰戦となったBellator 170でティト・オーティズと対戦し、リアネイキドチョークで一本負けを喫した。 2018年1月20日、Bellator 192のBellatorワールドヘビー級グランプリ準々決勝でクイントン・ジャクソンと対戦し、3-0の判定勝ちで準決勝進出を決めた。 2018年10月13日、Bellator 208のBellatorワールドヘビー級グランプリ準決勝でエメリヤーエンコ・ヒョードルと対戦。パウンドで1RTKO負けを喫し、決勝進出はならなかった。 2019年6月14日、Bellator 222でリョート・マチダと対戦し、TKO負け。試合直後に現役引退を表明した[20]。 人物・エピソード
戦績総合格闘技
グラップリング
獲得タイトル
表彰
出演映画
脚注
関連項目外部リンク
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