デイブソン・フィゲイレード(Deiveson Figueiredo、1987年12月18日 - )は、ブラジルの男性総合格闘家。パラー州ソウレ出身。チーム・フィゲイレード/ファイト・レディー所属。元UFC世界フライ級王者。UFC世界バンタム級ランキング5位。
来歴
パラー州ソウレで牧場を経営する父親の仕事を手伝うため、幼い頃からカウボーイとして働いていた。9歳からレスリングを始める。16歳からユーリ・アルカンタラに師事して総合格闘技のトレーニングを積み、高校へ通うため州都のベレンへ移り、カポエイラを習い始めた[3]。
2012年に総合格闘技プロデビュー[3]。ジャングル・ファイト等に参戦し、11連勝を飾った。
UFC
2017年6月3日、UFC初参戦となったUFC 212でマルコ・ベルトランと対戦し、2R終了時にコーナーストップでTKO勝ち[4]。
2018年8月25日、UFC Fight Night: Gaethje vs. Vickでフライ級ランキング6位のジョン・モラガと対戦。2Rに左ボディーブローでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ち[5]。
2019年3月23日、UFC Fight Night: Thompson vs. Pettisでフライ級ランキング1位のジュシー・フォルミーガと対戦し、0-3の判定負け。キャリア初黒星を喫した[6]。
2019年7月27日、UFC 240でフライ級ランキング3位のアレッシャンドリ・パントージャと対戦し、3-0の判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[7]。
2019年10月12日、UFC Fight Night: Joanna vs. Watersonでフライ級ランキング6位のティム・エリオットと対戦し、タックルに合わせたカウンターのギロチンチョークで1R一本勝ち[8]。
2020年2月29日、UFC Fight Night: Benavidez vs. FigueiredoのUFC世界フライ級王座決定戦でフライ級ランキング1位のジョセフ・ベナビデスと対戦。2Rに右ストレートでダウンを奪い、パウンドでTKO勝ちを収めるも、フィゲイレードは前日の計量で127.5ポンドとフライ級タイトルマッチのリミットから2.5ポンドの体重超過をしたため、王座獲得の権利を剥奪された。なお、フィゲイレードは試合に向けて24ポンド(約11kg)の減量を強いられ、減量中に脱水症状の兆候である腎臓と胃の痛みが出たため、健康面を考えて減量を中止せざるを得なかったと語っている[9]。
UFC世界王座獲得
2020年7月19日、UFC Fight Night: Figueiredo vs. Benavidez 2のUFC世界フライ級王座決定戦でフライ級ランキング2位のジョセフ・ベナビデスとダイレクトリマッチを行う。開始早々右フックでダウンを奪うと、その後も立て続けに右フックで2度ダウンを奪い、最後はリアネイキドチョークでベナビデスを絞め落として1R一本勝ち。王座獲得に成功し、パフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを受賞した。なお、7月11日にフィゲイレードが新型コロナウイルスの陽性となり出場が危ぶまれたが、その後3度行われた検査は全て陰性であったため、大会数日前に出場が許可された[10]。
2020年11月21日、UFC 255のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライ級ランキング4位の挑戦者アレックス・ペレスと対戦し、ギロチンチョークで1R一本勝ち。王座の初防衛に成功した[11]。当初は元UFC世界バンタム級王者のコーディ・ガーブラントが対戦相手であったが、ガーブラントが上腕二頭筋の負傷により10月2日に試合を欠場したため、ペレスとの対戦に変更された[12]。
前戦から僅か3週間後の2020年12月12日、UFC 256のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライ級ランキング1位の挑戦者ブランドン・モレノと対戦し、3Rにフィゲイレードが反則であるローブローを放ち1ポイントの減点を受けるが、フルラウンドに渡る死闘を繰り広げて1-0(48-46、47-47、47-47)の5R判定ドロー[13]。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞し、試合後記者会見で、UFC代表のダナ・ホワイトは「フライ級史上最高の試合だった」とこの試合を称賛した[14]。
世界王座陥落
2021年6月12日、UFC 263のUFC世界フライ級タイトルマッチでフライランキング1位の挑戦者ブランドン・モレノと再戦し、リアネイキドチョークで3R一本負け。王座から陥落した[15]。
UFC世界王座再獲得
2022年1月22日、UFC 270のUFC世界フライ級タイトルマッチで王者ブランドン・モレノに挑戦。一進一退の打撃戦を繰り広げ、パンチで3度のダウンを奪い3-0(48-47、48-47、48-47)の5R判定勝ち。王座奪還に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[16]。
世界王座陥落
2023年1月21日、UFC 283のUFC世界フライ級王座統一戦で暫定王者ブランドン・モレノと4度目の対戦を行う。3Rにモレノの左フックがフィゲイレードの右目にヒットし、3R終了時に右目が塞がったためドクターストップでTKO負け。王座統一に失敗するとともに正規王座から陥落し、モレノとの戦績を1勝2敗1分とした。試合後のインタビューでバンタム級への転向を表明した[17]。
2023年12月2日、バンタム級転向初戦となったUFC on ESPN: Dariush vs. Tsarukyanでバンタム級ランキング8位のロブ・フォントと対戦し、3-0の判定勝ち[18]。
2024年4月13日、UFC 300で元UFC世界バンタム級王者コーディ・ガーブラントと対戦し、リアネイキドチョークで2R一本勝ち[19]。
2024年8月3日、UFC on ABC: Sandhagen vs. Nurmagomedovでバンタム級ランキング4位のマルロン・ヴェラと対戦し、3Rに右ストレートでヴェラからキャリア初のダウンを奪い3-0の判定勝ち。バンタム級転向後3連勝となった[20]。
2024年11月23日、UFC Fight Night: Yan vs. Figueiredoでバンタム級ランキング3位の元UFC世界バンタム級王者ピョートル・ヤンと対戦し、0-3の5R判定負け[21]。
人物・エピソード
- プロ総合格闘家になる以前は寿司職人、美容師、レンガ職人として働いていた[22]。また、カウボーイとして働いていた経験もあり、キャリア初期のファイトマネーで水牛を購入しフェルディナンドと名付けている。
- チーム・アルファメールを離脱後は、母国ブラジルのベレンに自身のジム「チーム・フィゲイレード」(Team Figueiredo)を設立した[23]。
- 同じく総合格闘家でUFCに参戦しているフランシスコ・フィゲイレードは実弟[24]。
- 既婚者であり、男児を一人もうけている。
戦績
総合格闘技 戦績
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29 試合
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(T)KO
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一本
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判定
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その他
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引き分け
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無効試合
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24 勝
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9
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9
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6
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0
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1
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0
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4 敗
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1
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1
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2
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0
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獲得タイトル
- Salvaterra Marajó Fight 57kg級王座(2016年)
- 第3代UFC世界フライ級王座(2020年)
- 第5代UFC世界フライ級王座(2022年)
表彰
- UFC ファイト・オブ・ザ・ナイト(3回)
- UFC パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(1回)
- MMA Fighting ファイター・オブ・ザ・イヤー(2020年)
- SHERDOG ファイター・オブ・ザ・イヤー(2020年)
脚注
- ^ 5 burning questions heading into UFC 256 MMA Junkie 2020年12月11日
- ^ Date reportedly confirmed for Deiveson Figueiredo vs. Brandon Moreno's UFC Flyweight title rematch sportskeeda 2021年2月26日
- ^ a b Zeca Azevedo (2017年5月30日). “Cabeleireiro, mototaxista e lutador do UFC: a estrada de Deiveson Alcântara”. SporTV.com. 2018年8月28日閲覧。(ポルトガル語)
- ^ “力を出し切ったフィゲイレードがUFC初戦白星”. UFC (2017年6月4日). 2018年8月28日閲覧。
- ^ UFC Fight Night 135 results: Deiveson Figueiredo takes out John Moraga after body shot MMA Junkie 2018年8月25日
- ^ UFC Nashville results: Jussier Formiga shuts down Deiveson Figueiredo, calls out Henry Cejudo MMA Junkie 2019年3月23日
- ^ UFC 240 results: Deiveson Figueiredo bloodies, outworks Alexandre Pantoja MMA Junkie 2019年7月27日
- ^ UFC Tampa Results: Deiveson Figueiredo Smoothly Guillotines Tim Elliott Cageside Press 2019年10月12日
- ^ Deiveson Figueiredo: The People’s Champ The Fight Library 2020年3月4日
- ^ Deiveson Figueiredo passes multiple COVID-19 tests, cleared to leave quarantine ahead of weigh-ins MMA Fighting 2020年7月17日
- ^ Deiveson Figueiredo submits Alex Perez in 1st to defend UFC flyweight title ESPN 2020年11月22日
- ^ Report: Cody Garbrandt Out of UFC 255 Fight vs. Deiveson Figueiredo on Nov. 21 Bleacher Report 2020年10月2日
- ^ UFC 256 Results: Deiveson Figueiredo Defends Title in Wild Draw with Brandon Moreno Cageside Press 2020年12月3日
- ^ UFC 256: Dana White lauds ‘greatest fight in flyweight history’ as Deiveson Figueiredo, Brandon Moreno battle to draw South China Morning Post 2020年12月13日
- ^ UFC 263 results, highlights: Brandon Moreno upsets Deiveson Figueiredo to claim flyweight title CBS MMA 2021年6月13日
- ^ UFC 270 results: Deiveson Figueiredo regains flyweight title, bests Brandon Moreno in decision win MMA Junkie 2022年1月23日
- ^ UFC 283: Cut Ends Deiveson Figueiredo’s Night Early, Brandon Moreno Unifies Flyweight Title Cageside Press 2023年1月22日
- ^ UFC Austin Results: Dariush vs. Tsarukyan MMA Fighting 2023年12月2日
- ^ UFC 300 live results, updates: Play-by-play of every fight from Las Vegas MMA Junkie 2024年4月13日
- ^ UFC on ABC 7 results: Deiveson Figueiredo outpoints Marlon Vera, calls for bantamweight title shot MMA Junkie 2024年8月3日
- ^ UFC Macau Live Results: Yan vs. Figueiredo MMA Fighting 2024年11月23日
- ^ CUT ABOVE Meet Deiveson Figueiredo, the ‘humble’ UFC champion who was a bricklayer, hairdresser and sushi chef before MMA career The Sun 2020年11月20日
- ^ UFC GOLD – From Beginning to Belt – Deiveson Figueiredo Bloody Canvas 2020年9月9日
- ^ フランシスコ・フィゲイレード UFC 公式サイト
関連項目
外部リンク