パリ大障害(パリだいしょうがい、Grand Steeple-Chase de Paris)は毎年5月にフランスのオートゥイユ競馬場で施行される障害競走である。
概要
出走条件は5歳以上。競走距離は6000m、23回の固定障害の飛越を行う。賞金総額は82万ユーロであり、フランスの障害競走としては最も権威があり、最も高額賞金の競走である。格付けはG1(グループ1)。負担重量は5歳馬が65kg、6歳以上は67kg、牝馬は2kg減。
フランスの障害競馬最大の競走として1874年に設立。当初はグランナショナル・ド・フランス(Grand National de France)と呼ばれており、1876年より現在の名称となった。第1回賞金は38,700フラン、距離も6400m、固定障害22であった。距離はその後1889年に6500mとなり、その後も一時的な変更を繰り返しながらも最も多く施行された距離であったが、2014年より現在の条件となった。
また、初期はイギリスのグランドナショナルと同様にハンデキャップ競走であり、1890年より現在の馬齢重量戦に変更された。1890年当時は4歳馬の出走も認められており、負担重量は4歳馬62.5kg、5歳馬70kg、6歳以上は72.5kg、前年に本競走またはグランドナショナルに優勝した馬は6kg増と定められていた。この負担重量増は徐々に緩和され1972年に廃止された。また4歳馬は1941年に出走不可となるまでに16回優勝している。
最多優勝記録はイエヌ、カッコー、ミッドダンサーの3回。イエヌは1964年~1966年、カッコーは1988年~1990年に3連覇を達成し、ミッドダンサーは2007年と2011年~2012年に優勝した。外国調教馬は過去に12回優勝しているが、近年はほとんど出走することがなく、優勝は1962年のイギリス調教馬マンダリンを最後に途絶えている。サラブレッド以外の競走馬も出走しており1981年以降で11頭の非サラブレッドが計12勝を挙げている。
歴史
- 1874年 - 距離6400mで創設。
- 1875年 - 距離が6000mに短縮。
- 1889年 - 距離が6500mに延長。
- 1915~1918年 - 第一次世界大戦のため中止。
- 1924年 - 距離が6900mに延長。
- 1926年 - 距離が6500mに短縮。
- 1940年 - 第二次世界大戦のため中止。
- 1940年 - 4歳馬の出走が不可となる。
- 1969年 - 距離が6300mに短縮。
- 1971年 - 距離が6500mに延長。
- 1981年 - 距離が5800mに短縮。
- 2002年 - 1位入線のドゥーブルカール(Double Car)が禁止薬物検出のため失格。
- 2014年 - 距離が6000mに延長。
- 2020年 - 新型コロナウイルス感染拡大の影響で10月に順延開催。
歴代優勝馬
施行日 |
優勝馬 |
性齢 |
タイム |
優勝騎手 |
管理調教師
|
1988年6月19日 |
Katko |
騸5 |
7:09 |
D.Vincent |
B.Secly
|
1989年月日 |
Katko |
騸6 |
|
J-Y.Beaurain |
B.Secly
|
1990年6月17日 |
Katko |
騸7 |
7:15 |
J-Y.Beaurain |
B.Secly
|
1991年6月16日 |
The Fellow |
騸6 |
7:14 |
D.Vincent |
F.Doumen
|
1992年6月21日 |
El Triunfo |
騸6 |
7:20 |
D.Vincent |
F.Rohaut
|
1993年6月20日 |
Ucello II |
騸8 |
7:16 |
C.Aubert |
F.Doumen
|
1994年6月19日 |
Ucello II |
騸9 |
7:07 |
C.Aubert |
F.Doumen
|
1995年6月18日 |
Ubu III |
騸9 |
7:20.9 |
P.Chevalier |
F.Doumen
|
1996年6月16日 |
Arenice |
騸8 |
7:07 |
P.Sourzac |
G.Macaire
|
1997年6月15日 |
Al Capone II |
騸9 |
7:25 |
J-Y.Beaurain |
B.Secly
|
1998年5月24日 |
First Gold |
騸5 |
7:10 |
T.Doumen |
F.Doumen
|
1999年5月30日 |
Mandarino |
騸6 |
7:43 |
P.Chevalier |
M.Rolland
|
2000年5月28日 |
Vieux Beaufai |
騸7 |
7:19 |
P.Bigot |
F.Danloux
|
2001年5月27日 |
Kotkijet |
騸6 |
7:13 |
T.Majorcryk |
J-P.Gallorini
|
2002年5月26日 |
El Paso III |
騸10 |
|
L.Metais |
B.Secly
|
2003年5月25日 |
Line Marine |
牝6 |
7:37 |
C.Pieux |
C.Aubert
|
2004年5月30日 |
Kotkijet |
騸9 |
7:21 |
T.Majorcryk |
J-P.Gallorini
|
2005年5月29日 |
Sleeping Jack |
騸6 |
7:03 |
C.Pieux |
J.Ortet
|
2006年5月28日 |
Princesse D´Anjou |
牝5 |
7:08 |
P.Carberry |
F-M.Cottin
|
2007年5月27日 |
Mid Dancer |
騸6 |
7:32 |
C.Gombeau |
A.Chaille-Chaille
|
2008年5月25日 |
Princesse D´Anjou |
牝7 |
7:13 |
P.Carberry |
F-M.Cottin
|
2009年5月24日 |
Remember Rose |
騸7 |
7:13 |
C.Pieux |
J-P.Gallorini
|
2010年5月30日 |
Polar Rochelais |
騸7 |
7:12 |
J.Zuliani |
P.Quinton
|
2011年5月29日 |
Mid Dancer |
騸10 |
7:07.71 |
S.Dehez |
C.Aubert
|
2012年5月20日 |
Mid Dancer |
騸11 |
7:23.26 |
S.Dehez |
C.Aubert
|
2013年5月19日 |
Bel La Vie |
騸7 |
|
B.Lestrade |
G.Macaire
|
2014年5月18日[1] |
Storm Of Saintly |
騸5 |
|
V.Cheminaud |
G.Macaire
|
2015年5月17日[2] |
Milord Thomas |
騸6 |
|
J.Ricou |
D.Bressou
|
2016年5月22日[3] |
So French |
|
|
J.Reveley |
G.Macaire
|
2017年5月21日[4] |
So French |
|
|
J.Reveley |
G.Macaire
|
2018年5月20日[5] |
On The Go |
|
|
J.Reveley |
G.Macaire
|
2019年5月19日[6] |
Carriacou |
|
|
D.Russell |
I.Pacault
|
2020年10月18日 |
Docteur de Ballon |
騸8 |
|
B.Lestrade |
L.Carberry
|
2021年5月23日[7] |
Docteur De Ballon |
騸9 |
7:41.59 |
B.Lestrade |
L.Carberry
|
2022年5月22日[8] |
Sel Jem |
騸5 |
7:29.35 |
J.Charron |
H.De Lageneste & G.Macaire
|
2023年5月21日[9] |
Rosario Baron |
騸6 |
7:18.47 |
J.Charron |
D.Mele
|
2024年5月19日[10] |
Gran Diose |
騸8 |
7:26.02 |
C.Lefebvre |
L.Carberry
|
脚注
|
---|
平地競走 | |
---|
障害競走 | |
---|
繋駕速歩競走 |
- クリテリウム3歳
- クリテリウム・コンティナンタル
- アメリカ賞
- フランス賞
- パリ賞
- クリテリウム・デ・ジュンヌ
- グランクリテリウム・ドゥ・ヴィテッセ
- セレクシオン賞
- アトランティック賞
- クリテリウム4歳
- レーヌ・ヴァリエール賞
- アルベール・ヴィエル賞
- エトワール賞
- クリテリウム5歳
|
---|
騎乗速歩競走 |
- ヴァンサンヌ賞
- コルニュリエ賞
- サントール賞
- 共和国大統領賞
- エッセ賞
- ノルマンディー賞
- エリート賞
|
---|