ビジュアルメモリ
ビジュアルメモリ(Visual Memory)は、セガ・エンタープライゼスが発売した携帯型ゲーム機である。発売日は1998年11月27日、価格は2,500円。略称は「VM(ブイエム)」。 同社のドリームキャスト対応のメモリーカードとして発売されたが、本体には専用のソフトウェア(ミニゲーム)をプレイする機能が組み込まれており、ゲーム機のメモリーカードとしては初めて、モノクロの液晶と十字キー、A・Bボタンなどの操作系、背面にビープ音のスピーカーを標準搭載したことで、それ自体を携帯型ゲーム機として利用することも可能である。またミニゲームをダウンロードできる家庭用ゲーム機用の外部メモリとしても本機が初である。 ハードウェア大きさはセガサターンのパワーメモリーより小型化された。 コントローラーの拡張スロット1にセットするとVMの画面がコントローラーの中心部にある窓枠に嵌め込まれた形となり、ゲームと連動した画像(ゲームのタイトルロゴ、キャラクターやコンパスなど)などが表示される。この際、VMは上下逆様に接続されることになるので、接続中に表示される画像もそれにあわせて逆転して表示される。 電源としてボタン型電池(CR2032、もしくは同等品)を2個使用する。パッケージには「連続使用時間約100時間」と表記されているが、使い方によっては電池の消耗が激しく、数時間しか持たない場合もある。また、ビジュアルメモリ単体で使用しなくとも待機電力として電力を消費するため、半年以内で自然消耗する。記憶媒体はフラッシュメモリであるために電池が切れてもセーブデータは消えずに残るので、電池が無くてもドリームキャスト本体が通電している限りはメモリカードやゲームのサブ画面として利用可能である。電池が無い状態から通電すると「ピー」というビープ音が長く鳴る。初期製品と後期製品では電池消耗具合が異なり改善はされていたが、それでも長時間のゲームプレイに耐えられない。 セガサターンとは異なり本体RAMにプレイデータをセーブすることは不可となり、PlayStationと同様にセーブするには必需となった。 またドリームキャストと互換性のあるアーケード基板のNAOMIにもビジュアルメモリ差し込み口が存在するタイプが登場し、ゲームの個人的なデータをセーブしたり、NAOMI版とドリームキャスト版でデータを連動したプレイをすることが可能となるゲームタイトルも僅少ながら登場した。マーヴルvsカプコンシリーズなど、筐体によってはドリームキャストのコントローラそのものを使用してプレイできるものもある。 後に有志によりカバー部分の3Dプリンター用データが公開された[1]。 スペック
ミニゲームバンドル版VM
ビジュアルメモリ自体はドリームキャスト本体よりも先に発売されており、「あつめてゴジラ」という名称で、専用のミニゲームが初期搭載されていた緑色のビジュアルメモリがアメリカ映画『GODZILLA』の公開劇場などで先行発売された。このミニゲームはビジュアルメモリ上で消すことはできないが、ドリームキャスト上から削除することが可能。元に戻すことはできないが、削除すれば以降は通常のビジュアルメモリとして利用することができる。後にもこのような「ミニゲームとバンドルされた」ビジュアルメモリは複数登場しており、大半はオリジナルカラーで発売された。
メモリーカード4X搭載されているフラッシュメモリの容量に比して使用されていない予約エリアが大きく、ユーザファイル容量が少なくされていたことで保存容量に対する不満の声があった。そのため携帯ゲーム機としての機能を削除し、バンク切り替え方式によりビジュアルメモリの4倍の容量を持った純粋なセーブ用媒体である「メモリーカード4X」が2000年(平成12年)に発売されたが、すでに同等もしくはそれ以上の機能を持つサードパーティー製のメモリーカードが発売されており、またメモリーカード4Xのアーキテクチャはビジュアルメモリのそれと異なっているため、ソフトウエアによっては必ずしも同じ挙動をしないこともあった。その性質上、メモリーカード4Xはビジュアルメモリ同士の接続やミニゲームのダウンロード、液晶画面による情報表示には対応していない。 現在はメモリーカード4Xに非対応のソフトもコロンバスサークル『スーパーコンバーター』を使用することでビジュアルメモリ互換のセーブ機能を得られるようになった[2]。 脚注
関連項目
外部リンク |