ビートソニック
株式会社ビートソニック(英:Beat-Sonic, Inc.)は、愛知県日進市に本社を置くカーエレクトロニクス機器およびLED照明機器を製造、販売するメーカー。 概要「“こんな事できるの!?”を創りだす」をミッションに掲げ、AV関連機器を中心にカーエレクトロニクス機器を企画、製造、販売している。2010年代初頭からLED照明機器にも参入し、主にLED電球を手掛けている。 歴史ビートソニック設立までの経緯1947年、名古屋市に生まれた戸谷勉は、幼い頃から工作やものづくりに関心を持っていた。大学時代には電気工学を専攻し、その後、映像機器の製造業者であるエルモ社に新卒として入社した。エルモ社は当時、映写機やOHPなどの映像関連機器を手掛ける企業として知られていた。 エルモ社在籍時、戸谷は設計士として映像機器の設計を行っていたが、自らの製品企画が多くの場合で採用されない状況に直面していた。これと、当時の映像機器市場の状況を考慮し、戸谷はエルモ社を退職して独立を選ぶ道を選んだ。独立後の初期の活動として、受託での設計業務を行いながら、名古屋デザイン博覧会のトヨタパビリオンなどのプロジェクトにも関与した。 独立してからの経験や知識を背景に、戸谷はクルマのシートに振動ユニットを取り付け、音楽を体感する新しい方式のオーディオシステムを考案した。このアイデアを基に、1991年3月に株式会社ビートソニックを設立。これにより、戸谷は自らのアイディアと技術を商業化する形で、新しいビジネスへと踏み出すこととなった。 成長期
この期間中、ビートソニックは継続的に新技術の特許を取得し、国際的な展示会への出展を通じて、その技術と製品を国際市場に紹介していった。 照明事業への参入とクラウドファンディングの成功2010年頃、ビートソニックはLED照明事業へと進出した。しかしこの新しい事業分野では、当初の期待に反してスムーズに事業が進展することはなかった。アクア球や影美人といったニッチな需要を取り込む製品は市場に投入されたものの、大手電機メーカーとの競合や販路の確立が難しく、販売は伸び悩んでいた。 しかし、2014年に転機が訪れる。海外の展示会において、フィラメント型のLED電球の存在を知ることとなり、これを機にLED電球のサプライヤーと手を組み、「Siphon」という新しいLED電球を共同開発することとなった。この新製品の展開にあたり、ビートソニックは当時まだ黎明期にあったクラウドファンディングの潜在力に着目した。知名度や販路が未確立の会社でも、クラウドファンディングを通じて広範な顧客層や支持を獲得できるとの考えから、プロジェクトの立ち上げを決定した。 この結果、クラウドファンディングサイト「Makuake」で「Siphon」のプロジェクトを実施。その結果、当時のプロダクト系クラウドファンディングとしては歴代一位の金額を集めることに成功し、ビートソニックの取り組みはテレビ番組や雑誌など多くのメディアに取り上げられることとなった。特に、地方の中小メーカーがクラウドファンディングを駆使して、異業種への参入を果たす姿は、多くの人々にとって新鮮であり、その背景にあった独自性や挑戦精神が大きな反響を呼んだ。 その後も、ビートソニックは引き続き事業を拡大。2020年には戸谷大地が代表取締役に就任し、2021年には創立30周年の節目を迎えることとなった。 製品カーエレクトロニクス機器
LED照明機器
LED照明「影美人」は2013年[1]、「歯間つまようじ」は2014年[2]、「Siphon Grande」は2017年[3]にグッドデザイン賞を受賞した。 海外拠点
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