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フランス・ドゥ・ヴァール

フランス・ドゥ・ヴァール(Frans de Waal、1948年10月29日 - 2024年3月14日)は、オランダ生まれの心理学者、動物行動学者、動物学者。

人物

霊長類行動の研究では、世界の第一人者として知られる。カレル・ファン・シャイクと共に、人の笑いの二起源説で有名なヤン・ファン・ホーフの弟子。『チンパンジーの政治学』というベストセラーで世界的に知られるようになる。

日本の霊長類学研究の擬人主義に近い立場を取る[1]

現在エモリー大学で霊長類行動のチャールズ・ハワード・キャンドラー教授職にあり、類人猿人類の進化について最先端の研究を行っている、リビング・リンクス・センターの所長も務めている。

人間の道徳的な行動や、その基盤をなす「公正さ(fairness)」の概念の起源がゾウやサル・類人猿などの行動に見いだせると主張しており、道徳の起源を説明するのに宗教は必要ないと考えている。

1993年には王立オランダ芸術科学アカデミーに選出され、2004年には米国国立科学アカデミーに選ばれている。ジョージア州アトランタ在住。

2024年3月14日の夜、転移性胃がんのためアトランタで死去した。75歳没[2][3]

キャリア

2007年タイム誌の最も影響力のある100人に選ばれた。

参照

著作

  • Chimpanzee Politics: Power and Sex Among Apes (25th Anniversary ed.). Baltimore, MD: JHU Press; 2007. ISBN 978-0-8018-8656-0.
  • 『仲直り戦術 霊長類は平和な暮らしをどのように実現しているか』西田利貞, 榎本知郎訳(どうぶつ社 1993年)
  • 『利己的なサル、他人を思いやるサル―モラルはなぜ生まれたのか』西田利貞, 藤井留美訳(草思社, 1998年)
  • 『ヒトに最も近い類人猿ボノボ』フランス・ランティング写真, 加納隆至監修, 藤井留美訳 ティビーエス・ブリタニカ阪急コミュニケーションズ, 2000年)
  • 『サルとすし職人―「文化」と動物の行動学』西田利貞, 藤井留美訳.(原書房, 2002年)
  • 『あなたのなかのサル―霊長類学者が明かす「人間らしさ」の起源』藤井留美訳(早川書房, 2005年)
  • 『チンパンジーの政治学―猿の権力と性』西田利貞訳(産経新聞出版, 2006年)
  • 『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』柴田裕之訳(紀伊國屋書店, 2010年)
  • 『道徳性の起源 ボノボが教えてくれること』柴田裕之訳. 紀伊國屋書店, 2014
  • 『動物の賢さがわかるほど人間は賢いのか』松沢哲郎監訳, 柴田裕之訳 紀伊國屋書店 2017 
  • 『ママ、最後の抱擁 わたしたちに動物の情動がわかるのか』柴田裕之訳 紀伊國屋書店 2020

脚注

  1. ^ 西田利貞「解説」、フランス・ドゥ・ヴァール『共感の時代へ 動物行動学が教えてくれること』紀伊國屋書店 2010年 p.232
  2. ^ Primatoloog Frans de Waal, bekend van 'Chimpanseepolitiek' en "meest bekeken dierenexperiment ooit", overleden op 75-jarige leeftijd” (オランダ語). vrtnws.be (2024年3月16日). 2024年3月17日閲覧。
  3. ^ ‘Wereldberoemde Nederlandse primatoloog Frans de Waal overleden’”. DPG Media Privacy Gate (2024年3月16日). 2024年3月17日閲覧。

外部リンク

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