ペルー空軍(ペルーくうぐん、スペイン語: Fuerza Aérea del Perú、略称FAP)はペルーの空軍組織。
歴史
1929年5月20日に陸軍と海軍の航空機部隊を統合しペルー飛行部隊(Cuerpo de Aviacion del Peru)が組織された。1933年のコロンビア・ペルー戦争でO2UコルセアとカーチスF11ホークを用いてアマゾンでコロンビア軍と交戦した。この際3機を失う。1936年3月12日にはペルー航空部隊(Cuerpo Aeronáutico del Perú)に改編された。1941年のエクアドル・ペルー戦争には、ゲリラ戦術をとるエクアドル軍に対しNA-50戦闘機やカプロニ Ca.310(英語版、イタリア語版)爆撃機で大規模な地上攻撃を行った。7月23日には、地上攻撃中のホセ・アベラルト・キニューネス・ゴンザレス(英語版、スペイン語版)中尉は対空砲火で被弾しエクアドル軍の陣地に体当たりし自爆、ゴンザレス中尉は大尉に昇進し、1966年5月10日には国家英雄が追贈された[1]ほか、チクラーヨにFAPカピターン・アベラルト・キニューネス・ゴンザレス国際空港(英語版、スペイン語版)が開港した。
マヌエル・オドリーア(英語版、スペイン語版)大統領政権下において再編成され、1950年7月18日に空軍として独立した。当時の主力機はF-86やホーカー ハンター、イングリッシュ・エレクトリック キャンベラなどの米英製の機体だったが、1970年代から1980年代初期にかけてはSu-22やAn-26といったソビエト連邦製の航空機や、フランス製のミラージュ5P・ミラージュ2000P戦闘機を多数導入した。1982年のフォークランド紛争ではアルゼンチンに協力し、10機のミラージュ5Pをアルゼンチン空軍に移管した。
1980年代後半の経済危機により空軍予算は縮小する事となる。1995年のセネパ紛争(英語版)ではエクアドル軍との交戦により、航空機・ヘリコプターを9機失った。この紛争後、1996年にペルー空軍はMiG-29を、1998年にはSu-25を導入し、21世紀を迎えてもKT-1P練習・COIN機[1]やC-27J輸送機を導入する[2]など機体の更新を進めている。
組織
空軍総司令官(Comandante Genneral de la FAP)の下、以下の職位・組織がある。2007年時点で現役兵総員15,000人。
- 空軍参謀総長(Jefe del Estado Mayor General de la FAP)
- 空軍総監査官(Inspector General de la FAP)
- 第1航空団(Ala Aérea Nº 1)司令部:ピウラ
- 第6航空群(Grupo Aéreo Nº 6)在チクラーヨ
- 第612飛行隊「ピロト・デ・コンバテ」(Escuadrón Aéreo 612、"Pilotos de Combate")
- 第7航空群(Grupo Aéreo Nº 7)在ピウラ
- 第711飛行隊「エスコルピオネス」(Escuadrón Aéreo 711、"Escorpiones")
- 第11航空群(Grupo Aéreo Nº 11) 在タララ(Talara)
- 第112飛行隊「ティグレス」(Escuadrón Aéreo 112、"Tigres")
- 第2航空団(Ala Aérea Nº 2)司令部:カヤオ
- 第3航空群(Grupo Aéreo Nº 3)在カヤオ
- 第332飛行隊(Escuadrón Aéreo 332)
- 第8航空群(Grupo Aéreo Nº 8)在カヤオ
- 第811飛行隊(Escuadrón Aéreo 811)
- 第3航空団(Ala Aérea Nº 3)司令部:アレキパ
- 第2航空群(Grupo Aéreo n.º 2) 在ビートル・デ・ガウナ(Vítor de Gauna)
- 第211飛行隊(Escuadrón Aéreo 211)
- 第4航空群(Grupo Aéreo n.º 4) 在ラ・ホーヤ(La Joya)
- 第201飛行隊(Escuadrón Aéreo 201)
- 第411飛行隊(Escuadrón Aéreo 411)
- 第513飛行隊(Escuadrón Aéreo 513)
- 第51航空群(Grupo Aéreo n.º 51)在ピスコ(Pisco)
- 第511飛行隊(Escuadrón Aéreo 511)
- 第512飛行隊(Escuadrón Aéreo 512)
- 第5航空団(Ala Aérea Nº 5)司令部:イキトス
- 第42飛行隊(Grupo Aéreo n.º 42)
装備
航空機
固定翼機
- 戦闘機
- 攻撃機
- 輸送機
- 練習・COIN機
回転翼機
- 攻撃ヘリコプター
- 輸送ヘリコプター
- 練習ヘリコプター
ミサイル
階級
日本語 |
スペイン語 |
NATO階級符号
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士官
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空軍大将 |
General del Aire |
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空軍中将 |
Teniente General |
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空軍少将 |
Mayor General |
|
空軍大佐 |
Coronel |
|
空軍中佐 |
Comandante |
|
空軍少佐 |
Mayor |
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空軍大尉 |
Capitán |
|
空軍中尉 |
Teniente |
|
空軍少尉 |
Alferez |
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技術官および下士官
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先任管理技術官 |
Técnico Supervisor Mayor |
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管理技術官 |
Técnico Supervisor |
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検査技術官 |
Técnico Inspector |
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1等技術官 |
Técnico de Primero |
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2等技術官 |
Técnico Segundo |
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3等技術官 |
Técnico Tercero |
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1等下士官 |
Suboficial de Primero |
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2等下士官 |
Suboficial de Segundo |
|
3等下士官 |
Suboficial de Tercero |
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部隊区分および兵卒
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1等軍曹 |
Sargento Primero |
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2等軍曹 |
Sargento Segundo |
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伍長 |
Cabo |
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空軍兵 |
Avionero |
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脚注
出典
- ^ a b c 徳永克彦(英語版)「Trito Reborn ペルー空軍のKT-1P」『航空ファン』通巻812号(2020年8月号)文林堂 P.18-25
- ^ a b 徳永克彦・DACT「Spartan」『航空ファン』通巻819号(2021年3月号)文林堂 P.17-21
参考文献
- Christopher Langton, Military Balance 2007, Routledge
関連項目
外部リンク