メンフィス・ベル (1990年の映画)
『メンフィス・ベル』(原題:Memphis Belle)は、1990年制作のイギリス映画。マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督。 第二次世界大戦中、イギリスに駐留しナチス・ドイツに対する昼間爆撃を任務としていたアメリカ陸軍航空軍第8空軍所属の爆撃機B-17F、愛称"メンフィス・ベル"の若き乗員たちを描いた作品。敵味方を問わず、空軍で戦った勇敢な若者全てに捧げられている。 あらすじ1943年、イギリスにあるアメリカ軍基地。メンフィス・ベルは「空飛ぶ要塞」B-17の中で24回出撃して唯一無傷の機である。25回目の任務が終われば、乗員は皆英雄として帰国出来る。そして、メンフィス・ベルの乗員に25回目の出撃命令が下る。ドイツのブレーメンにあるフォッケウルフ190戦闘機の工場を爆撃する任務である。 出撃前、アイルランド出身の無線士・ダニーがウィリアム・バトラー・イェイツの詩を朗読する[2]。任務の序盤はP-51マスタング戦闘機の護衛を受けるが、P-51は航続距離が短いことから途中で基地に戻らねばならず、その後のB-17は自衛しつつ任務を遂行しなくてはならない。メンフィス・ベルによる任務の成功は、第8空軍の中で初めて計25回の任務を完了することになるという点で非常に重要な意味を持つ。陸軍広報担当のブルース・デリンジャー中佐は、メンフィス・ベルの名声を大量の戦時公債の販売に利用しようと考えている。 ドイツ上空で編隊が高射砲や敵機から攻撃を受け始め、友軍機が次々と墜ちていく中、メンフィス・ベルは編隊の一番機となる。最初は煙幕が標的を覆い隠しており、悩んだ末、ディアボーン操縦士(機長)は煙幕が晴れるまで危険な白昼の旋回を続けることを決意する。2回目の試みで編隊は見えるようになった標的に爆弾を投下することに成功する。帰投する編隊はドイツ軍機による執拗な攻撃を受ける。無線士のダニー・デイリー二等軍曹は重傷を負い、被弾によりエンジンの1つに火災が発生し、ディアボーン機長は急降下による消火を余儀なくされ、その過程で機は危険に曝される。重症のデイリー二等軍曹を落下傘を着けて機から落とし、ドイツの民間人に救助して貰うことに懸けることを爆撃手のヴァルが提案するが、乗員全員一緒に帰還することに決まる。 受けた損傷により、車輪に動力を供給する電気系統が破壊されたが、着陸直前に手動で車輪を出すことに成功する。基地に無事着陸後、デリンジャー中佐と地上要員は任務成功を祝うため機に駆け寄り、ディアボーン機長は乗員と共に機内にあったシャンパンのボトルを開ける。 エンドクレジットには、メンフィス・ベルが1943年5月17日に25回目の最後の任務飛行を終え、第二次世界大戦中に西ヨーロッパ上空で延べ25万機超が戦闘に従事し、20万人の航空兵が命を落とし、彼らと全ての兵士たちにこの映画が捧げられたことが示される。 登場人物
スタッフ
※プロデューサーのキャサリン・ワイラーは、同じくメンフィス・ベルをテーマとした1944年のドキュメンタリー映画の監督ウィリアム・ワイラーの娘である。 キャスト
飛行機について本映画でメンフィス・ベルとして使用されたB-17は、イギリスのダックスフォード帝国戦争博物館に展示されているB-17G「サリーB」であった。 そのため、本来のB-17F型(上記写真参考)には装備されない機首下部の機銃座を取り外して撮影している。撮影にはほかに2機のB-17Gが使用された。 その他
脚注
外部リンク |