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レボフロキサシン

レボフロキサシン
レボフロキサシン
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
データベースID
ATCコード J01MA12 (WHO) S01AX19 (WHO)
KEGG D08120
化学的データ
化学式C18H20FN3O4
分子量361.37 g·mol−1
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レボフロキサシン (Levofloxacin, LVFX) は、ニューキノロン系の合成抗菌薬抗生物質ではない)[1][2] 。日本の第一製薬によって発明され、先発薬品名はクラビット

様々な細菌感染症に適応があり、急性細菌性副鼻腔炎肺炎尿路感染症、慢性前立腺炎、ある種の胃腸炎に使用される。また他の抗生物質と併用し、結核髄膜炎骨盤腹膜炎の治療にも使用される。投与ルートは、経口[2]、静注、点眼剤で利用可能[3]

1996年にアメリカ合衆国で医療承認された。名前の由来は「英語: CRAVE(熱望する、切望する)IT」から CRAVIT とし、待ち望まれた薬剤であることを表現した[4]。現在はWHO必須医薬品モデル・リストに収録され、後発医薬品も利用可能である。

適応菌種

本薬剤に感受性のある、ブドウ球菌連鎖球菌腸炎球菌淋菌結核菌大腸菌などによる感染症。

主な適応疾患

主な副作用

主な相互作用

他の薬剤との併用により、自身の効力減弱や増強または併用している薬剤の効力に変化を及ぼす相互作用が報告されている[7]

  • フェニル酢酸系又はプロピオン酸系非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs) - 痙攣を起こすおそれ
  • アルミニウム又はマグネシウム含有の制酸薬等、鉄剤 - 効果の減弱
  • クマリン系抗凝固薬 - ワルファリンの作用を増強

異性体

オフロキサシン (Ofloxacin, OFLX) は光学異性体である (S) - (−) 体、(R) - (+) 体を含むが、レボフロキサシンは薬効のある (S) - (−) 体(=L体)のみを含有している。

作用機序

レボフロキサシンはグラム陽性菌グラム陰性菌の両方に活性がある、薬効範囲の広い抗菌薬である。すべてのキノロン系抗菌薬のように、DNAジャイレーストポイソメラーゼIV英語版と呼ばれる二つのタイプのDNAトポイソメラーゼを阻害することにより働く。

製品画像

歴史

  • 1996年 - 米国で医療承認
  • 2008年5月 - 後発医薬品の発売開始
  • 2009年7月 - PK/PD理論耐性菌発生を防ぐ観点から250mg,500mg錠が発売
  • 2010年10月 - 海外ですでに発売されていた注射剤型も日本で製造承認
  • 2014年12月 - 250mg,500mg錠の後発医薬品の販売開始

脚注

  1. ^ 早川勇夫、藤原敏洋、江幡勉「キノロン系合成抗菌薬オフロキサシン (タリビッド®), レボフロキサシン (クラビット®) の開発と企業化」『有機合成化学協会誌』54 (第1号、1996年、62-67頁、doi:10.5059/yukigoseikyokaishi.54.62 
  2. ^ a b Levofloxacin”. The American Society of Health-System Pharmacists. August 25, 2016閲覧。
  3. ^ Levofloxacin ophthalmic medical facts from Drugs.com” (英語). www.drugs.com. 23 January 2017閲覧。
  4. ^ 第一三共株式会社 医薬品インタビューフォーム「クラビット錠・同細粒」p.2。
  5. ^ a b 日本薬局方 レボフロキサシン錠 (PDF)
  6. ^ 高橋信一、田中昭文、徳永健吾、H. pylori 除菌治療の最近の話題 日本消化器病学会雑誌 Vol.107 (2010) No.8 P.1273-1282, doi:10.11405/nisshoshi.107.1273
  7. ^ クラビット錠250mg・錠500mg・細粒10%の相互作用 (PDF) 第一三共

参考文献

  • クラビット錠500mg 第一三共株式会社
  • 岡崎治、『ニューキノロン系合成抗菌剤レボフロキサシンの体内動態』 化学療法の領域 10, 68-73, 1994, NAID 80007837180

関連項目

外部リンク

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