ロビー・ローラー
ロビー・ローラー(Robbie Lawler、1982年3月20日 - )は、アメリカ合衆国の男性元総合格闘家。カリフォルニア州サンディエゴ出身。フロリダ州パークランド在住。サンフォードMMA所属。元UFC世界ウェルター級王者。元EliteXC世界ミドル級王者。 パンチ主体の強烈な打撃を武器にアグレッシブにKOを狙い、激闘を繰り広げるファイトスタイルから人気が高く、「ルースレス」(冷酷や無慈悲の意)の異名を持つ。2004年に1度UFCからリリースされるが、他団体で約7年間キャリアを積み、2013年にUFC復帰を果たすと翌年の2014年にはUFC世界ウェルター級王座を獲得した叩き上げの苦労人である。 来歴10歳から空手を始め、高校時代はレスリングとアメリカン・フットボールで活躍し、両方の競技でアイオワ州選抜に選出された。ミレティッチ・マーシャルアーツ・センターの近くに住んでいたことから16歳頃から一般クラスで練習を始める。素質を見出され2001年にプロ総合格闘技デビューを果たし、連勝を続け2002年にはUFCと契約を果たした。 UFC・PRIDE2002年5月10日、UFC初出場となったUFC 37でアーロン・ライリーを3-0の判定で破ると、スティーブ・バーガーを2RTKO、ティキ・ゴーセンを1RKOで破り連勝した。しかしUFC 42のピート・スプラット戦では右足を負傷し、ギブアップ負け。デビューからの連勝は7でストップした。その後UFC 45ではクリス・ライトルを3-0の判定で破るも、ニック・ディアスに右フックで2RKO負け。階級をミドル級に上げて臨んだエヴァン・タナー戦も三角絞めで1R一本負け、その後怪我の治療のため一時戦線離脱した。 2005年7月23日、ハワイ州で開催されたSuperBrawlミドル級タイトルマッチでファラニコ・ヴァイタレに挑戦し、2RKO勝ちを収め王座獲得に成功した。2006年2月のファラニコ・ヴァイタレとの再戦でも1RKO勝ちを収め初防衛に成功した。 2006年10月21日、PRIDE初参戦となったPRIDE.32でジョーイ・ヴィラセニョールと対戦し、ハイキックでジョーイがひるんだところに跳び膝蹴りをヒットさせ、開始22秒でTKO勝ち。 EliteXC2007年9月15日、ハワイ州で開催されたEliteXC: Uprising(Icon Sport、Rumble on the Rockとの合同開催)のEliteXC世界ミドル級タイトルマッチでムリーロ・ニンジャと対戦し、左ストレートでダウンを奪いパウンドで3RKO勝ちを収め王座獲得に成功した。 2008年5月31日、EliteXC: Primetimeの世界ミドル級王座防衛戦でスコット・スミスと対戦するが、3ラウンドの偶発的なサミングによりスミスが続行不能となったため無効試合となった。7月26日、EliteXC: Unfinished Businessにて再戦が組まれ、スミスにTKO勝ち。王座防衛に成功した。その後11月8日に、EliteXC: A Night of Championsでのタイトルマッチでジョーイ・ヴィラセニョールとの2年振りの再戦が予定されていたが、団体が破産し大会自体が中止になった。 Strikeforce2009年6月6日、Strikeforce初参戦となったStrikeforce: Lawler vs. Shieldsでジェイク・シールズと182ポンド(約82.6 kg)契約で対戦するも、開始2分でギロチンチョークを極められ一本負け[1]。 2010年1月30日、Strikeforce: Miamiでメルヴィン・マヌーフと対戦。マヌーフのラッシュで窮地に陥るも、カウンターの右フックをヒットさせ、そのままパウンドで1RKO勝ちを収めた[2]。12月4日、Strikeforce: Henderson vs. Babaluでマット・リンドランドと対戦し、開始50秒に右フックで失神KO勝ちを収めた[3]。 2011年1月29日、Strikeforce: Diaz vs. Cyborgで行なわれたStrikeforce世界ミドル級タイトルマッチで王者のホナウド・ジャカレイに挑戦し、リアネイキドチョークで3R一本負けを喫し王座獲得に失敗した[4]。 UFC復帰2013年2月23日、8年4か月ぶりのUFC復帰戦となったUFC 157でウェルター級ランキング8位のジョシュ・コスチェックと対戦し、パウンドで1RTKO勝ち。ノックアウト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2013年11月16日、UFC 167でウェルター級ランキング3位のローリー・マクドナルドと対戦し、2-1の判定勝ち。 2014年3月15日、UFC 171のUFC世界ウェルター級王座決定戦でウェルター級ランキング1位のジョニー・ヘンドリックスと対戦。激しい打撃戦となり、死闘を繰り広げたものの、0-3の5R判定負けを喫し王座獲得に失敗。敗れはしたものの、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 2014年5月24日、UFC 173でウェルター級ランキング5位のジェイク・エレンバーガーと対戦し、膝蹴りからのパウンドで3RTKO勝ち。 2014年7月26日、UFC on FOX 12でウェルター級ランキング5位のマット・ブラウンと対戦し、3-0の5R判定勝ち。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 UFC世界王座獲得2014年12月6日、UFC 181でUFC世界ウェルター級タイトルマッチで王者ジョニー・ヘンドリックスと再戦。前戦とは打って変わって両者共に慎重な試合運びとなったものの、2-1(48-47、47-48、49-46)の5R判定勝ち。リベンジを果たし、王座獲得に成功した。 2015年7月11日、UFC 189のUFC世界ウェルター級タイトルマッチでウェルター級ランキング2位の挑戦者ローリー・マクドナルドと再戦。3R終盤に右ハイキックでぐらつき、4Rにマクドナルドの猛攻を受け唇を裂傷する激闘となるも、5R序盤に左ストレートでTKO勝ち。王座の初防衛に成功し、ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。また、この試合は2015年のファイト・オブ・ザ・イヤーを受賞し、2023年にUFC殿堂入りを果たした。 2016年1月2日、UFC 195のUFC世界ウェルター級タイトルマッチでウェルター級ランキング4位の挑戦者カーロス・コンディットと対戦。終盤に反撃し2-1(47-48、48-47、48-47)の5R判定勝ちを収め2度目の王座防衛に成功。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。 世界王座陥落2016年7月30日、UFC 201のUFC世界ウェルター級タイトルマッチでウェルター級ランキング4位の挑戦者タイロン・ウッドリーと対戦し、右フックからのパウンドで1RKO負け。王座から陥落した。 2017年7月29日、UFC 214でウェルター級ランキング6位のドナルド・セラーニと対戦し、3-0の判定勝ち。 2017年12月16日、UFC on FOX 26でウェルター級ランキング5位のハファエル・ドス・アンジョスと対戦し、0-3の5R判定負け。ローラーは、3Rの時点で前十字靭帯と半月板の損傷という重傷を負ったのにもかかわらず5Rまで戦い抜いた[5]。 2019年3月2日、約1年3か月ぶりの復帰戦となったUFC 235で元Bellator・ONE世界ウェルター級王者のベン・アスクレンと対戦。試合序盤にアスクレンのタックルを切り、逆に豪快な投げでマットに叩きつけパウンドでTKO寸前まで追い詰めるものの、1R終盤にブルドッグチョークでテクニカル一本負け。試合後、レフェリーの裁定を巡って論争が起きたが、ネバダ州アスレチック・コミッション・エグゼクティブ・ディレクターのボブ・バーネットがレフェリーのローラーが失神したとの判断は間違っていなかったとのコミッションとしての見解を出した[6]。 2019年8月3日、UFC on ESPN: Covington vs. Lawlerでウェルター級ランキング2位のコルビー・コヴィントンと対戦し、0-3の5R判定負け。 2020年8月29日、UFC Fight Night: Smith vs. Rakićでウェルター級ランキング14位のニール・マグニーと対戦し、0-3の判定負け。4連敗となった。 2021年9月25日、UFC 266でニック・ディアスと約17年5カ月ぶりに再戦。終始激しい打ち合いを繰り広げ、3Rにディアスが試合を棄権しTKO勝ち。 2022年7月2日、UFC 276でブライアン・バーバリーナと対戦し、スタンドパンチ連打で2RTKO負け。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した[7]。 2023年7月8日、引退試合となったUFC 290でニコ・プライスで対戦し、クリンチ際の左フックで開始38秒のKO勝ち[8]。 ファイトスタイルスタンドの強烈かつ豪快なフックに加え、精度の高い左ストレートを最大の武器としている。また、どんな打撃を貰っても倒れないタフネスと、精神力の強さを誇る。打撃以外にも、テイクダウンディフェンスの成功率が65%と高い数値を誇り、テイクダウンを狙うことは少ないがテイクダウンの成功率は77%と極めて高い。 人物・エピソード
戦績
獲得タイトル
表彰
ペイ・パー・ビュー販売件数
脚注
関連項目外部リンク
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