ワイオミング郡 (ニューヨーク州)
ワイオミング郡(英: Wyoming County)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州の西部に位置する郡である。2010年国勢調査での人口は42,155人であり、2000年の43,424 人から2.9%減少した[1]。郡庁所在地はウォーソー村(人口3,473人[2])であり、同郡で人口最大の自治体はペリー村(人口3,673人[3])である。郡名はレナペ族インデァインの言葉で「広い低地」を意味するものから派生した。1841年にジェネシー郡から分離設立された。 歴史ニューヨーク州西部にある他地域と同様に、ワイオミング郡は17世紀から18世紀にマサチューセッツ湾植民地、コネチカット植民地、ペンシルベニア植民地、ニューヨーク植民地の間で境界論争があった地域だった。また程度は小さいもののヌーベルフランスとの間にも論争があった。ニューヨークの領有権は1786年のハートフォード条約が批准されるまで認められず、実際面ではホランド買収を待つ必要があった。 ニューヨークの領有権に関して、1683年時点では、現在のワイオミング郡領域はオールバニ郡に属していた。これは巨大な郡であり、ニューヨーク州北部とバーモント州の全てを含んでおり、さらに理論的には西の太平洋岸まで広がっていた。1766年7月3日に、カンバーランド郡を分離し、1770年3月16日にグロスター郡を分離したが、どちらも現在はバーモント州に含まれている。 1772年3月12日、オールバニ郡の残りが3つに分割され、1つはオールバニ郡の名前で残った。1つは西部に作られたトライアン郡だった。トライアン郡の東部境界は現在のスケネクタディ市の西約5マイル (8 km) にあり、アディロンダック山地の西側と、デラウェア川西支流より西の領域を含んでいた。トライアン郡に指定された地域には現在のニューヨーク州37郡が入っている。ニューヨーク植民地総督のウィリアム・トライアンに因んで名付けられた。 1776年に先立つ年に、トライアン郡のロイヤリストは大半がカナダに逃亡した。1784年、アメリカ独立戦争を終わらせた条約締結に続いて、トライアン郡はモンゴメリー郡に改名された。これは独立戦争時の将軍リチャード・モントゴメリーに因む命名だった。モントゴメリーはカナダで数か所を占領した後、ケベック市攻略中に戦死した。憎まれたイギリスの総督に代わる命名だった。 1789年にモリス・リザーブを設立した結果として、モンゴメリー郡からオンタリオ郡が分離した。 現在のワイオミング郡を含むジェネシー川西の地域ほとんど全部は、1793年のホランド買収に含まれており、1801年からバテイビアにあったホランド土地会社を通じて販売された。 1802年にはホランド買収で得た土地を統治するために、オンタリオ郡からジェネシー郡が分離して設立された。その領域は現在のジェネシー郡よりもかなり広かった。1806年にアリゲイニー郡、1808年にカタラウガス郡、シャトークア郡、ナイアガラ郡を分離して小さくなった。当時のナイアガラ郡には現在のエリー郡が含まれていた。 1821年、ジェネシー郡の一部とオンタリオ郡の一部を合わせ、リビングストン郡とモンロー郡が作られた。 さらに1824年、オーリンズ郡が分離してジェネシー郡は小さくなった。 最後は1841年、ジェネシー郡南部、アリゲイニー郡北西隅、カタラウガス郡北東隅からワイオミング郡が作られた。 見どころ
地理ワイオミング郡はニューヨーク州西部にあり、バッファロー市の東、ロチェスター市の南やや西寄りに位置している。ホランド買収地域内にある。 郡域の大半は田園部であり、小さな町が点在している。郡庁所在地のウォーソーでも小さな町である。地表は幾重にも分かれた丘陵であり、土壌は肥沃である[4]。森が多く、木材に使われた。カエデの多い森では毎年春にメイプルシロップが作られている。農業は大半が小さな家族酪農であり、あるいはバッファローやバテイビアで働く人の家庭菜園である。かつてはりんご園がおおかったが、今はほとんど残っていない。アウトドアスポーツでは釣り、猟、スノーモービルで知られる。 デール・バレーを通る活断層が、リンデンを通り、バテイビアの東を抜けてオンタリオ湖に至っている。この断層で小さな地震を起こすこともあるが、煙突を倒す程度のものである。デール・バレー塩井戸によって化学産業用塩の産出地として開発されてきた。ナイアガラフォールズ市までパイプラインが引かれている。 アメリカ合衆国国勢調査局に拠れば、郡域全面積は596平方マイル (1,540 km2)であり、このうち陸地593平方マイル (1,530 km2)、水域は4平方マイル (10 km2)で水域率は0.59%である[5]。 ワイオミング郡の南東はジェネシー川であり、その支流やトナワンダ・クリーク、バッファロー川などで排水されている[4]。ジェネシー川の重要な支流であるオートカ・クリークはゲインズビル町に水源がある。 主要高規格道路
隣接する郡
郡政府と政治ワイオミング郡は、領域内にある町の監督官で構成される16人の監督官理事会が統治する形式が残っており、州内では幾らか風変わりな郡である[6]。 ニューヨーク州議会下院では第147選挙区に、上院では第59選挙区に入っている。アメリカ合衆国下院議員ではニューヨーク州第27選挙区に入っており、2013年時点では共和党員を選出している。 司法では次の区に入っている。
投票動向州と国の政治では州内でも共和党支持の強い郡の1つである。州全体では民主党支持の傾向がある。2004年と2008年のアメリカ合衆国大統領選挙では、共和党支持率の高さで州内第2位だった(第1位はハミルトン郡)。2004年の場合、共和党のジョージ・W・ブッシュが民主党のジョン・ケリーに対して30.9%の差を付けてワイオミング郡を制した。ケリーは州全体で18.3%の差を付けて勝利した。2008年の場合は、共和党のジョン・マケインが民主党のバラク・オバマに対して、26.1%の差を付けた。州全体ではオバマが26.7%差で勝利した。2006年のアメリカ合衆国上院議員選挙では、共和党のジョン・スペンサーを対抗する民主党ヒラリー・クリントンに対して4%差で勝たせた。州全体ではクリントンが36%の大差を付けて再選された[7]。 人口動態
町と村
著名な出身者
脚注
外部リンク |