ワイキキ
ワイキキ(ハワイ語:Waikīkī、英語:Waikiki)は、アメリカ合衆国、ハワイ州オアフ島ホノルル市内の地名。 概要場所はオアフ島南部に位置し、一般的には、南はママラ湾に面したフォート・デルッシー・ビーチ、ワイキキ・ビーチ、クヒオ・ビーチ、カピオラニ・ビーチ・パーク、サン・スーシ・ビーチなどのビーチエリア、西と北はアラ・ワイ運河に挟まれ、東はダイヤモンドヘッドふもとのカイマナ・ビーチまでの地域を指す。 歴史19世紀まで「ワイキキ」はハワイ語で「水が涌くところ」の意味で、元々は湿地帯であり、ハワイが独立国であった19世紀末までは、ハワイ王朝の王族の保養地であった。 それまで土地所有の概念がなかったハワイであるが、1846年には、土地の所有権を定める条例、「グレート・マヘレ(Great Mahele、土地改革)」が施行され、ワイキキにおいても大部分の土地が瞬く間に白人の所有となった[1]。 1900年代–1930年代ハワイ港、そしてホノルル市のダウンタウンから至近の距離であったこともあり、1898年にハワイがアメリカの自治領として併合された3年後の1901年に「モアナホテル」がワイキキ初の大型ホテルとして開業した(木造4階建・75室)。 以来、1910年代から1920年代にかけて、「ロイヤル・ハワイアンホテル」や「ハレクラニホテル」など、大型客船でハワイを訪れるアメリカ人観光客を狙ったアメリカ本土資本のホテルが複数建設された。 なお、現在は砂浜が有名だが、ワイキキ・ビーチにはもともと砂浜はなく、1920年代から1930年代にかけて、オアフ島北部のノースショア、カリフォルニア州のマンハッタンビーチから白砂を運んで作られた人工の砂浜である。 第二次世界大戦中アメリカも1941年12月より参戦した第二次世界大戦中には、日本軍の上陸が予想されたことから、海岸には有刺鉄線が貼りめぐらされた上に、ロイヤル・ハワイアン・ホテルが軍に接収され、さらに灯火管制や夜間外出禁止令が行われ、観光地としての発展は止まることとなった。 1950年代–1980年代しかし、戦後には航空機の発展が進んで観光客が急増したことに伴い、シェラトン・プリンセス・カイウラニ、シェラトン・ワイキキ、ヒルトン・ハワイアン・ビレッジ・ビーチ・リゾート&スパ、ハイアットリージェンシーなどの大型高層ホテルやコンドミニアムが1950年代から1980年代にかけて次々と建てられ、ハワイにおける観光の中心地となった。 1954年には日本航空がホノルルへの乗り入れを開始し、後にワイキキに支店を開設した。1963年には日本の国際興業がシェラトン・プリンセス・カイウラニをシェラトン・ハワイ社から買収、日本資本によるハワイへの投資のさきがけとなった[2]。翌1964年には日本人の海外旅行が自由化され、日本交通公社(現在のJTB)がホノルルに支店を開設した[2]。 1972年には横浜岡田屋がワイキキに店舗を開設したほか、日本料理店も多数が営業し、さらに1980年代末のバブル期にかけては、ワイキキのホテルの90%以上が日系企業の所有という状態になった[2]。 2000年代-現在は、ホノルル市における最大のリゾート地域、そして繁華街として、メインストリートのカラカウア通りやクヒオ通りを中心に、多数のリゾートホテルやコンドミニアム、ショッピングセンターや飲食店などが建ち並ぶ。季節を問わず世界各国から多くの観光客が訪れ、中でも日本人観光客はその大半を占める。 なお、ワイキキビーチに隣接して建つホテルの多くが建築後30年から50年以上と老朽化している上、新たに建築するスペースもないことから、世界的に進むリゾートホテルのさらなる高級化、大型化に対応できないとして危惧されていた。しかし、2008年には「ヒルトンハワイアンビレッジ ビーチリゾート&スパ」に新しいタワーがオープンしたほか、2009年11月には「トランプ・インターナショナル・ホテル・ワイキキ・ビーチ・ウォーク」が新規オープン。また、2016年7月15日には「ザ・リッツ・カールトン・レジデンス・ワイキキ」が新規オープンした。 また、人工砂浜であるワイキキビーチの砂浜の面積が狭くなってきていることから、2011年より250万ドルを費やして砂の補給を行い、砂浜の幅を約10メートル以上拡大することになった。2012年に工事は完了した[3]。 交通ワイキキ地区の中心部にはカラカウア大通りとクヒオ通り、アラワイ大通りの3本の通りが横断し、ルワーズ通りやリリウオカラニ通り、カパフル大通りなどが縦断している。 アラモアナ地区までは車で5-10分程度、ホノルルのダウンタウンまでは15分程度、カハラ地区まで20分程度、ホノルル国際空港までは30分程度である。なお、ワイキキエリア内に州間高速道路の出入り口は設けられていないが、州間高速道路H-1号線のExit 23まで7、8分程度の至近距離にある。 TheBus(市バス)オアフ島内に鉄道や地下鉄などは存在しないため駅はないが、ホノルル市の公営バスである「TheBus」の停車場が多数設けられている[4]。 トロリー(路面電車風バス)私営でエノアコーポレーションによる「ワイキキ・トロリー」という路面電車風のバスも巡っている[5][注釈 1]。2019年7月時点では、ダイヤモンドヘッド方面の「グリーンライン」、ダウンタウン、史跡などをめぐる「レッドライン」、オアフ島東海岸をめぐる「ブルーライン」、カパフル方面を往復する「イエローライン」、パールハーバー方面の「パープルライン」、ワイキキの繁華街、主要ショッピングセンターを回る「ピンクライン」の計6路線がある[5]。 基本的に事前に乗り放題チケットの購入が必要だが、ピンクラインのみ、1回2ドルで乗車できる[5]。また、JCBカード会員とその家族は、ピンクラインに無料乗車できる優待がある[6]。 トロリーはワイキキ名物として、他にも多くの会社が運行している。
主な商業施設ヨーロッパやアメリカの高級ブランドのブティックが多数入居した大型ショッピングセンターのほか、ハワイ原産のみやげ物を扱う商店、さらにコンビニエンスストアーまで、多数の商業施設が存在する。
主なホテルワイキキビーチやフォート・デルッシー・ビーチのビーチフロントには大型ホテルや高級ホテルが点在してるほか、カラカウア大通り沿いやクヒオ通り沿い、カイマナビーチやアラワイ・ヨットハーバー沿いにも大型ホテルや中級ホテル、コンドミニアムが多数建っている。 ワイキキビーチ沿い
フォート・デルッシー・ビーチ沿い
カイマナビーチ沿い
カラカウア通り沿い
ワイキキ・ビーチ・ウォーク沿い
アラワイ・ヨットハーバー沿い
主なレストランハワイ料理をベースにした高級レストランや、アメリカ料理のチェーンレストランのほか、日本料理やタイ料理、イタリア料理やファストフードチェーンまで多数のレストランがある。また、日本人観光客を狙った日本のチェーンレストランも存在している。
公園
軍施設「ヒルトンハワイアンビレッジ ビーチリゾート&スパ」横には、アメリカ陸軍の保養地である「フォート・デ・ルッシー」があり、一般に公開された公園と、アメリカ陸軍関係者専用の「ハレ・コア・ホテル」、アメリカ陸軍博物館が併設されている。 その他の施設
友好関係
注釈出典
外部リンク |