中華人民共和国の国旗
中華人民共和国の国旗は、赤旗に5つの黄色い五芒星を配したもので、五星紅旗(ごせいこうき、拼音: )と呼ばれる。 赤色は革命を、黄色は光明を表す。また、大星は中国共産党の指導力を、4つの小星はそれぞれ労働者、農民、小資産階級・愛国的資本家(民族資産階級)、知識人の4つの階級を表す。全ての小星の頂点は、大星の中心に向いており、これは人民が一つの中心(共産党)の下に団結することを象徴している。ソ連の国旗を参考にしたものと考えられる。 リー・クアンユーによれば、同旗はシンガポールの国旗のモデルであった[1]。 現行の国旗五星紅旗は、1949年7月に、経済学者で芸術家でもある曾聯松が、中国人民政治協商会議が行った公募に応じてデザインしたものである。1949年10月1日、中華人民共和国の建国に際し、天安門広場にこの旗が国旗として初めて掲げられた。 国旗の縦横比は2:3で、旗を四等分した左上部分を10×15に区画した升目上に右図の通り5つの星を配置する。大きな星の外接円の直径は旗の高さの3/10、小さな星の外接円は旗の高さの1/10である。 中華人民共和国憲法第136条は、「中華人民共和国の国旗は、五星紅旗である」と定めている。1990年に中華人民共和国国旗法が制定され、旗の掲揚方法や取り扱い方などが明文化(第3条)、2021年1月には悪意を持って毀損する行為を罰する規定(改正第19条)が盛り込まれた改正法が施行された。
歴史1920年代の中国で成立したいくつかの共産主義者の地方政権は、ソビエト連邦の国旗に倣った旗を掲げていた。 国旗草案
1949年6月16日、全国人民政治協商会議は新国旗を制定することを決定し、人民日報紙上で公募が行われた。この公募には3012点の作品が寄せられた。この中から候補は38点に絞られ、曾聯松の図案が選出された。当初のデザイン案は、赤地に共産党(あるいは中国人民)を表す大きな星を1つと、黄河・長江・珠江などの大河を象徴する水平線(1本ないし3本)を黄色で描いたものであったが、水平線によって赤地が分断されてしまい国家分裂のように見えるということで再検討が図られた。次いで、共産党を象徴する大きな星に各階級を象徴する小さな星を4つ加えた「紅地五星旗」が提案され、大きな星の下に小さな星が4つ縦に並ぶデザインが検討されたが、小さな星に上下があるのは妥当ではないとして、大きな星を囲む形で等間隔に配列される案が提案された。この新たな案では大きな星の中に鎌とハンマーを描いたが、ソ連国旗との類似してしまうことや、鎌とハンマーが象徴する農民と労働者は小さな星でも象徴されていることを理由として取り除かれた。9月27日、全国人民政治協商会議第一次全体会議で現在の五星紅旗のデザインが最終決定された。 中国共産党組織の旗註
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