『刑事物語'85』(けいじものがたり はちじゅうご)は、1985年4月14日から9月29日にかけて日本テレビ系列ほかで、日曜日の夜21時から21時54分に放映された刑事ドラマ。
概要
警視庁山手署(やまのてしょ)刑事課の刑事たちの活躍をドキュメンタリータッチで描く刑事ドラマ[1]。凶悪事件はあまり目立たず、主に近所間のトラブルや当時社会問題となっていた少年犯罪など、視聴者が日常生活で身近に感じるような事件を多く扱い、アクションシーンなどを抑えた社会派ストーリーが主体となっている。ストーリー展開はナレーションにより、事件の経過と共に進行するスタイルを取っている。
レギュラーメンバーが全員出演したのは第1話 - 第3話と第6話のみで、それ以外の回は必ず誰かが欠場しており、全話出演は本庄と新町のみ。欠場した回のレギュラーメンバーはオープニングタイトルから役名と演者のクレジットが外されている。
映画撮影所のシステムを利用したテレビ映画として製作されているが、撮影メディアは映画フィルムではなくVTRが使用された。
登場人物
山手署刑事課
- 本庄日出夫
- 演 - 渡瀬恒彦
- 巡査部長。刑事課の中心的存在であり、犯罪捜査のプロフェッショナルとして高い信望を得るベテラン刑事。煙草はキャビン(赤)。愛称は「ジョーさん」。40歳から41歳。
- 新町明
- 演 - 堤大二郎
- 巡査。白バイ警官時代の功績を機に刑事課へ上がったばかりの新米刑事。本庄とコンビを組むことが多い。24歳。
- 青木紀信
- 演 - 船越英一郎
- 第1話 - 第21話、第23話 - 第25話に出演。
- 巡査。3か月前に交番勤務から刑事課へ配属されたばかりの新米刑事。機敏な行動力を持つが言動にはいささか思慮が欠け、殺人事件の容疑者にされかけたこともある(第18話)。24歳。
- 大坪省三
- 演 - 萩原流行
- 第1話 - 第18話、第20話、第23話 - 第25話に出演。
- 巡査部長。科学捜査研究所から異動。私大理学部卒。頭脳明晰でメカやコンピュータの知識に明るい反面、理屈っぽいのが珠に瑕。31歳。
- 木沢烈
- 演 - 柄本明
- 第1話 - 第7話、第9話 - 第10話、第12話、第19話 - 第25話に出演。
- 巡査。無口で茫洋とした外見だが正義感に厚く、犯人の卑劣な振舞いを前にすると別人のように豹変する激情家。36歳。
- 水田武治
- 演 - 川谷拓三
- 第1話 - 第4話、第6話 - 第8話、第11話 - 第18話、第20話 - 第21話、第23話 - 第25話に出演。
- 巡査部長。二女を持つマイホーム主義者で言動は穏やかだが、実は各種武道に長けた実力者。煙草はエコー。愛称は「ミズさん」。40歳。
- 宇田川右太郎
- 演 - 佐野浅夫
- 第1話 - 第6話、第9話、第11話、第13話、第15話 - 第20話、第22話、第24話 - 第25話に出演。
- 巡査長。昇任試験を一度も受けず、30年間に渡ってヒラ刑事の道を歩んできた老練。本庄とはお互いの信頼も厚い。59歳から60歳。
- 八島卓一
- 演 - 中条静夫
- 第1話 - 第3話、第5話 - 第8話、第10話 - 第12話、第15話 - 第19話、第21話 - 第23話、第25話に出演。
- 刑事課長、警部。捜査畑一筋を歩んだノンキャリアの叩き上げ。温厚な性格と鋭い考察力で、部下から厚い信頼を得る。趣味はゴルフ。59歳。
その他
- 石川澄子
- 演 - 萬田久子
- 第1話 - 第3話、第6話、第11話、第13話、第17話、第19話 - 第20話、第24話 - 第25話に出演。
- 本庄の婚約者で中学校の英語教師。反抗期の子供たちや保護者との軋轢に悩むことも多いが、持ち前の大らかさで明るく乗り切る。27歳。
- 久野芳恵
- 演 - 安田成美
- 第1話 - 第3話、第6話 - 第8話、第10話 - 第12話、第17話、第19話に出演。
- 美術大生。もともと警官嫌いだったが、新町が白バイ時代に関わった事件で知りあって以来、新町と交際を続けている。バイクの運転はプロ級。19歳。
放映リスト
スタッフ
テーマ曲
- 「刑事物語'85のテーマ」(作曲・編曲 - 羽田健太郎、演奏 - 羽田健太郎とウイング・オーケストラ)
ネット局・その他
系列はネット終了時(1985年9月)のもの。
系列局の日本海テレビは編成やスポンサーセールスの都合上ネットは行わずテレビ朝日の『日曜洋画劇場』をネットしていた。鳥取県・島根県では、本放送終了後に山陰中央テレビ(フジテレビ系列)で再放送に準じる扱いで放送された。
同じく系列局の山形放送がネットを行わなかったのは、日本海テレビと同じく『日曜洋画劇場』をネットしていたためである。山形県では、山形テレビ(当時はフジテレビ系列)が遅れネットで放送した。
また鹿児島県における日本テレビ系列局の鹿児島テレビ放送は同時間帯に『花王名人劇場』を同時ネットしていたため、当番組は非ネットだった。
系列局のない沖縄県でも本放送時には、非ネットだった。
BS放送のBS日テレでも2018年4月4日から2019年1月30日までの水曜日20:00 - 20:54に放送していた。(野球中継などで休止となる週もあった)
この他にTOKYO MX2でも2023年2月16日から3月6日までの月曜日から金曜日18:09 - 19:00・20:09 -21:00に放送する。(1日に2回分を放送する)
映像ソフトの販売では、2014年4月、ビクターエンタテインメントからDVD-BOX7枚組がリリースされた[5][6][7][8]。
2023年現在、動画配信サイトの配信は、今のところ予定はない。
脚注
- ^ 「TV新番組紹介」『映画情報』第50巻第5号、国際情報社、1985年5月1日、63頁、NDLJP:2343815/63。
- ^ 読売新聞大阪社会部『OL殺人事件』(角川文庫)より
- ^ 予告編でのタイトルは「水着モデルがベッドで死んだ」
- ^ a b c 遅れネット。
- ^ “刑事物語`85 BOX”. TSUTAYA. 2021年9月4日閲覧。
- ^ 刑事物語'85DVD-BOX(7枚組), https://www.amazon.co.jp/%E5%88%91%E4%BA%8B%E7%89%A9%E8%AA%9E85DVD-BOX-7%E6%9E%9A%E7%B5%84-%E6%B8%A1%E7%80%AC%E6%81%92%E5%BD%A6/dp/B00ID5QULW 2021年9月4日閲覧。
- ^ “【楽天市場】刑事物語85の通販”. search.rakuten.co.jp. 2021年9月4日閲覧。
- ^ “刑事物語’85 DVD-BOX”. 紀伊國屋書店ウェブストア|オンライン書店|本、雑誌の通販、電子書籍ストア. 2021年9月4日閲覧。
日本テレビ系列 日曜21:00 - 21:54枠 |
前番組 |
番組名 |
次番組 |
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刑事物語'85 (1985年4月 - 9月) 【当番組より刑事ドラマ枠】
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1966年7月 - 1969年10月(第1期) (海外作品→国産作品) |
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1970年10月 - 1971年12月(第2期) (国産作品) |
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1972年4月 - 1972年10月(第3期) (国産作品) |
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1973年4月 - 1983年9月(第4期) (国産時代劇) |
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1985年4月 - 1987年9月(第5期) (国産刑事ドラマ) |
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