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この項目では、作曲家グループについて説明しています。演劇制作体については「地人会」をご覧ください。 |
地人会 (ちじんかい) は、1948年に発足した作曲家のグループ[1][2][3]。1955年までに6回の演奏会を開催した。
概要
1948年7月18日、パリに学んだ平尾貴四男、東京音楽学校でクラウス・プリングスハイムに師事した安部幸明と高田三郎、日本大学で池内友次郎に師事した貴島清彦の4人の作曲家により、「地人会」が設立された[2]。結成趣旨には「音楽の伝統を尊重し」「西洋文明と我々の文化遺産との問題」をみつめながら「地に足をつけて」前進することがうたわれた[3]。メンバーには後に池内の弟子の島岡譲と、橋本國彦の弟子の小林福子が参加した[2]。
演奏会
地人会の行った演奏会は次の通り[3][1]。
地人会第1回作品発表会
1949年4月14日 毎日ホール
- 平尾貴四男:三重奏曲
- 安部幸明:弦楽四重奏曲第6番
- 貴島清彦:「孔雀船」より(伊良子清白詩)
- 高田三郎:Vnソナタ
地人会第2回作品発表会
1950年3月1日 毎日ホール
- 島岡譲:ベートーヴェンの主題による変奏曲
- 貴島清彦:弦楽四重奏曲第1番
- 高田三郎:VcとPfの為の小奏鳴曲
- 安部幸明:FlとPfの為の奏鳴曲第2番
- 平尾貴四男:奇想組曲
地人会第3回
1950年12月6日 YWCAホール
- 小林福子:主題と変奏曲
- 島岡譲:Vn奏鳴曲
- 高田三郎:立原道造の詩による4つの歌曲
- 安部幸明:弦楽四重奏曲第7番
- 平尾貴四男:管楽五四重奏曲
地人会4
1951年10月16日 YWCAホール
- 小林福子:Pfソナタ
- 貴島清彦:VnとPfの為のソナタ
- 平尾貴四男:Obソナタ
- 安部幸明:アルト・サクソフォーンとPfの為の嬉遊曲
- 高田三郎:室内組曲
平尾貴四男追悼演奏会
地人会、日本現代音楽協会主催
1954年12月15日 山葉ホール
- 平尾貴四男:FlとPfの為の小奏鳴曲
- 平尾貴四男:4つの日本民謡
- 平尾貴四男:ObとPfの為の奏鳴曲
- 平尾貴四男:VnとPfのための奏鳴曲
- 平尾貴四男:木管五重奏曲
地人会5
1955年3月3日 山葉ホール
- 安部幸明:弦楽四重奏曲第8番
- 貴島清彦:小管弦楽のための3つの瞑想曲
- 高田三郎:マリオネット
- 安部幸明:9楽器のための嬉遊曲
参考文献
- 平尾貴四男「地人会の結成について」『音楽芸術』6巻9号 1948.10, p28-30[4]
- 日本近代音楽館『戦後作曲家グループ・活動の軌跡 1945-1960』 (奏楽堂春の特別展「戦後音楽の旗手たち」) 1998.04, pp6-7
脚注
- ^ a b 『日本の作曲1959』(音楽芸術臨時増刊) 音楽之友社, 1959, pp69-70
- ^ a b c 『日本の作曲20世紀』 (音楽芸術別冊) 音楽之友社, 1999, p39
- ^ a b c 日本近代音楽館『戦後作曲家グループ・活動の軌跡 1945-1960』 (奏楽堂春の特別展「戦後音楽の旗手たち」) 1998.04, pp6-7
- ^ “国立国会図書館デジタルコレクション”. dl.ndl.go.jp. 2023年7月24日閲覧。