『宝塚BOYS』(たからづかボーイズ)は、2007年に初演された演劇作品。「女性だけの宝塚歌劇団にかつて男子部が存在した」という実話を下敷きとして描かれた物語。ストレートプレイであるが、劇中には宝塚で親しまれている歌やダンスが数多く登場する。
2007年に東宝芸能により初演、2008年、2010年、2013年に東宝・東宝芸能の共同製作で再演された。
あらすじ
終戦直後の1945年、宝塚歌劇団に男子部が誕生した。宝塚創始者の小林一三がかねてより構想していた「男女合同による本格的な国民劇」を意図した実験的なものである。明日の宝塚スターを夢見て集まった、出自も経験もさまざまな男性たちは、稽古に励みながら、宝塚大劇場の舞台に立つ日を待ち望む。しかし女の園である宝塚の生徒やファンたちの反発は強く、大劇場への道程は遠かった。
登場人物・キャスト
- 登場人物・キャストは、2007年版(初演)をベースに記載。
スタッフ
エピソード(2007,2008年版)
- 劇中で上原がピアノを弾くシーンは柳家花緑による演奏であった。
- 男子部メンバーの芸名はいずれも、演じている俳優が考えたものである。そのため、キャストが違う場合は芸名も違っている。
- 男子部メンバーの芸名は再演時は、基本の芸名があるが、日によって芸名が変わりアドリブ合戦が繰り広げられた。
- 実際の宝塚男子部誕生は1945年12月、解散は1954年であり9年の歳月が流れているが、劇中では具体的な年数などは表現されない。ただし、美空ひばりの「悲しき口笛」(1949年)「東京キッド」(1950年)「リンゴ追分」(1952年)など当時の音楽やタイトルが要所で現れ、時の流れを感じさせる工夫がなされている。
- 稽古場のシーンで使われる脚本「青き春」の中のマリーの台詞は、『ベルサイユのばら』の中のマリー・アントワネット(1974年の初演と1976年に君原役の初風諄が演じた)の台詞を下敷きにしている。
- ラストシーンで流れているBGM「さよなら皆様」は宝塚歌劇の終演後に劇場内で流れる音楽であり、トランペットを池田役の山路和弘が吹いている。
- 2007年の兵庫公演、および2008年の東京公演では、モデルとなった宝塚男子部のメンバー数名が観劇した。
- 初演の本読みの際、一通り全部読み終わった途端、君原役の初風諄が男子部の無念の思いに感極まり、突然立ち上がりその場にいた皆に向かって「宝塚を代表してこの場でお詫び申しあげます。」と深々と頭を下げその場を驚かせた。
- 再演の時には、山内圭哉が吉野圭吾演じる星野丈治のことをアドリブで「妖怪ピルエット」とニックネームをつけた。
漫画版
作画: 小宮なつ、原作: 東宝芸能、原案:辻則彦
外部リンク