『川柳少女』(せんりゅうしょうじょ)は、五十嵐正邦による日本の少年漫画。『週刊少年マガジン』(講談社)において、2016年10月19日発売の47号から2020年4月22日発売の21号まで連載された[1][2]。
本作は川柳を題材としたラブコメディであり[3]、話数も「第○句」という表記になっている。物語は基本的に4コマ漫画形式で描かれるが[4]、各話の最後は大ゴマを使った絵で締められる[5]。
あらすじ
本作の主人公・雪白七々子は、短冊に川柳を書くことで自分の意思を伝える少女である。中学3年生のクリスマス、七々子は川柳の句会に参加し、同い年の元ヤンキー・毒島エイジと出会う。そしてエイジの優しさに触れ、彼に好意を抱く。
その後、七々子とエイジは同じ高校に合格し、文芸部に入部する。そして、文芸部の部長・片桐アマネ、エイジの姉貴分・大月琴、美術部員・矢工部キノ、占い師・花買タオと行動を共にするようになる。
登場人物
声の項はテレビアニメにおける声優。
- 雪白 七々子(ゆきしろ ななこ)
- 声 - 花澤香菜[6]
- 本作の主人公[7]。誕生日は7月7日[8]。柄井高校の1年生。部活動は文芸部。15歳[9]。小学校ではバドミントン部所属[10]。15年間彼氏はいない[11]。普段から化粧はしておらず、ノーメイクで化粧道具も持っていない[12]。猫舌[13]。苦手なものは玉ねぎと紅しょうが[14]。辛いものを食べるのが得意[15]。
- 口下手で、伝えたいことがあるときは短冊に川柳を書いている(ふきだしを使わず、台詞は背景に表示されるという漫画的表現がなされている)五七五で喋るようになったきっかけは、川柳教室で出会ったエイジにアドバイスをもらったため[16]。やや天然なところがある美少女で、男子生徒から密かに人気を集めているが、本人は中学生時代に出会ったエイジに恋をしており、彼に積極的にアプローチしている。また、見た目に似合わず健啖家である[17]。
- また隠れ巨乳であり、エイジとスポッチョに行った際に『着痩せするタイプ』であることが明かされた。
- アニメ版では、七々子の台詞は「口は動かずに声だけ流す」といった演出がなされている[18]。また、原作では背景に台詞が表示されるのみだったシーンでも、モノローグ以外は必ず「短冊に川柳を書く」描写がなされている。
- 毒島 エイジ(ぶすじま エイジ)
- 声 - 畠中祐[19]
- 柄井高校の1年生。七々子の同級生。部活動は文芸部。15歳[20]。中学時代は西中の悪魔と恐れられていた[21]。不良になったきっかけは、目付きの悪さで頻繁に絡まれていたため[22]目付きは父親譲り[23]。口癖は「シャバイ」[24]。七々子には「エイちゃん」と呼ばれるようになった[25]。私服は持っていない[26]。大好物は辛いもの[27]。
- 七々子の隣の中学校の出身[28]。強面のため中学時代はよく喧嘩を申し込まれていたが、ある日、喧嘩相手に言い放ったセリフ(拳より 笑顔を交わす 日々であれ)が偶然五・七・五のリズムだったことをきっかけに川柳を詠むようになる[4]。外見に反して心は優しいが[17]、一方でデリカシーに欠ける一面もある。
- 妹のことを溺愛しており、また妹からも慕われている。
- 片桐 アマネ(かたぎり アマネ)
- 声 - 矢作紗友里[29]
- 柄井高校の2年生で、文芸部の部長。17歳[30]。スリーサイズは85・59ちょっと・82[31]。好きなものは学食のオムライス[32]。
- 「北金まりあ」のペンネームで小説家としても活動している。なお、本人は七々子やエイジに内緒にしているが、当の七々子達は既に知っている[17]。ゴシップ好き[33]。
- 他人の恋愛を観察することが好きで[34]、観察する際にはサングラスをかける。周囲の言動によくツッコミを入れるが、一方でアマネ自身もしばしば残念な言動を見せる。円(まどか)という姉がいる。
- 彼氏に対する願望が強く、神社のお守りを大量に購入したり、祭りの福引きでプレステを当てた際に『プレステじゃなくて彼氏が欲しい』発言をしたりしているが、ハナビ曰く『気立てはいいけど男運ないせいで将来苦労しそうな顔してる』とのこと。
- 大月 琴(おおつき こと)
- 声 - 逢田梨香子[29]
- 柄井高校の3年生。エイジの幼馴染[35]。エイジの姉貴分であり、彼からは「琴姉」と呼ばれる[36]。部活動はアメリカ陸軍格闘術部[37]。
- グラマラスなスタイルで美人[38]であり、しばしば性的に際どい言動をする[39]。「琴姉」と呼ばれている理由は原作3巻のおまけ(アニメ版では第2話)で明かされており、最初は「琴お姉さん」と呼ばせる予定だったが色々あって「琴姉」になった。
- 矢工部 キノ(やこべ キノ)
- 声 - 久野美咲[29]
- 柄井高校の1年生。部活動は美術部。
- 人前で表情を作るのが苦手であり[40]、伝えたいことがあるときはスケッチブックに絵を描いている[34]。また、一人っ子で姉の存在に憧れており[41]、七々子のことを姉のように慕っている。
- タオとは仲が良く、彼女からは『キノッティ』と呼ばれており、スランプに陥った際も、彼女に助けられて脱出した(単行本6巻参照)。
- なお、アニメ版では声が付いているが本来はほぼ無音であり、第4話では七々子と話すシーンが一部実際の無音状態で進行している。
- 花買 タオ(はなかい タオ)
- 声 - 上坂すみれ[29]
- 柄井高校の1年生。休日は占い師として活動している。自称『占い部部長』(部員がタオ一名のため、実際は同好会)。
- 占いの腕は良いが、自分が行動する際も占いに頼りがち[17]。また、占い師としてはミステリアスなイメージで売っており[42]、そのイメージの維持に躍起になっている。ただし、休日には普通に牛丼屋や琴がバイトしているラーメン屋で食事をしていたり、時折可愛らしい一面見せたりすることが原因で、周囲にはあまりイメージが定着していない。キノとはクラスが同じで、親しい仲である[43]。
その他
- 明司 五町(あかし こまち)
- 柄井高校の1年生。
- エイジと同じ中学校の出身で、エイジに好意を抱いている。文学少女だが、エイジの気を引くためにヤンキーのような振る舞いをしている。
- 倉 阿佐子(くら あさこ)
- 柄井高校の新任教師。担当は国語。
- とある事情から、文芸部の新しい顧問に就任する。面倒見がよく、人当たりもいいので、生徒から人気があるが、かなりのおっちょこちょい。
- 彼女の家ではエイジが食事をしたり、七々子達の年越し会も行ったりしている。なお酔うと笑い上戸になる。
- 咲良の姉。
- 藤丸 五央利(ふじまる いおり)
- エイジの後輩。
- 倉 咲良(くら さくら)
- 阿佐子の妹。
- 雪白 吉彦(ゆきしろ よしひろ)
- 声 - 岩田光央
- 七々子の父。七々子を溺愛しており、彼氏ができたかもしれないと知るや、えずいている[44]。
- 雪白 千冬(ゆきしろ ちふゆ)
- 声 - 國府田マリ子
- 七々子の母。
- 雪白 ヒロ(ゆきしろ ヒロ)
- 声 - 田村睦心
- 七々子の弟。
- 毒島 ハナビ(ぶすじま はなび)
- 声 - 原涼子
- エイジの妹。誕生日は3月31日[45]。
- 毒島 アキラ(ぶすじま アキラ)
- 声 - 吉野裕行
- エイジの父。
- 毒島 一枝(ぶすじま ひとえ)
- 声 - 名塚佳織
- エイジの母。
- アグー
- 声 - 山口愛
- エイジのペットのウサギ。
- 天城 柊(あまぎ ひいらぎ)
- 天文部部長。
作風
本作は川柳でコミュニケーションを取る少女を主人公とした4コマ漫画であるが、この設定は、表現に制約を設けた方が面白いネタを作りやすいという作者の考えから生まれた[46]。作中に登場する川柳については、事前に「面白そうなフレーズや五・七音の単語」をネタ帳にまとめておき、そのネタ帳を基に作者が自作しているという[5]。
作者は、本作の芯は「七々子をカワイく描く」ことである、と述べている[47]。七々子については透明感を強く意識しつつ、男性読者の理想像を目指して描いているといい[48]、おたぽるのレビューでは、口下手で川柳でしか会話できないというキャラクターのため、エイジに積極的にアプローチしてもあざとさを感じさせず、むしろ奥ゆかしささえ感じさせると評されている[4]。
書誌情報
テレビアニメ
2019年4月より6月までMBS『アニメイズム』B1枠ほかにて放送された[29]。SILVER LINK.[注釈 1]の子会社であるCONNECTにとって初の単独元請作品となる。原作第9、10、11巻の特装版に、専用アプリ「PlayPic」でテレビアニメ映像を各4話ずつ視聴できるQRコードが付属する[49]。ストーリーの大まかな流れは原作をなぞりつつ、原作では出番のないエピソードに琴、キノ、タオが登場する、第六句をはじめ原作では独立していたエピソード同士を複合し1つのエピソードとして成立させるといった改変がなされている。
スタッフ
主題歌
- 「コトノハノオモイ」[51]
- 井上苑子によるオープニングテーマ。作詞・作曲は井上と中村瑛彦、編曲は中村瑛彦。
- 「ORDINARY LOVE」[52]
- 逢田梨香子によるエンディングテーマ。作詞はSatomi、作曲は青木康平、編曲は田中隼人。
各話リスト
話数 | サブタイトル | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 総作画監督 |
第一句 | 五七五系女子
| 神保昌登 | 川添亜希子 | 橋本真希 |
第二句 | 七々子のダイエット
| 藤木かほる |
第三句 | 遊園地に行こう
| 堀内勇治 | 藤井文乃 |
第四句 | キャンバス少女
| 新谷研人 | |
第五句 | 占い少女
| 一居一平 |
第六句 | 七々子の反抗期
| 高橋賢 | - |
第七句 | 七々子と雨の七不思議
| 相澤伽月 | 神保昌登 | 森悦史 | 橋本真希 |
第八句 | 七々子が水着に着替えたら
| 堀内勇治 | 川添亜希子 | 山本亮友 |
第九句 | エイジと七々子のお父さん
| 髙木啓明 |
第十句 | 七々子と蛍と肝試し
| 新谷研人 | |
第十一句 | あなたと花火を
| 藤木かほる | 橋本真希 |
第十二句 | 七々子とエイジ
| 神保昌登 | 森悦史 | |
放送局
日本国内 インターネット / 配信期間および配信時間[53]
配信期間 |
配信時間 |
配信サイト |
2019年4月6日 - 6月22日 |
土曜 12:00 更新 |
dアニメストア
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2019年4月7日 - 6月23日 |
日曜 12:00 更新 |
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日曜 12:00 更新(第1話) 水曜 12:00 更新(第2話以降) |
TVer |
2019年4月10日 - 6月26日 |
水曜 12:00 更新 |
GYAO! |
2019年4月24日 - |
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GYAO!ストア |
脚注
注釈
- ^ 旧法人(現・SILVER LINK.資産管理)。
出典
講談社コミックプラス
以下の出典は『講談社コミックプラス』(講談社)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
外部リンク
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テレビアニメ | |
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アニメ映画 | |
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OVA | |
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Webアニメ | |
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1:シリーズディレクター |
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枠名制定後 |
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金曜未明(木曜深夜) 時代 |
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土曜未明(金曜深夜) 時代 |
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関連項目 |
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レギュラーネット局 (CSを除く) |
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同日放送の 自社製作作品 |
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土曜未明(金曜深夜) 『無印』本編 2019年7月 - 2024年3月 | |
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金曜未明(木曜深夜) 『TURBO』 2024年4月 - | |
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おしり 2019年10月 - 2024年3月 | |
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1:次作は『アニメイズム』で放送。2:前作および第2クールは『アニメイズム』で放送。3:次作は木曜23:56枠で放送。 4:前作はUHFアニメ形態で放送。5:製作非関与。6:本編は『アニメイズム』で放送。7:AT-Xとの共同製作。 カテゴリ |
| B2枠の後続 (関西ローカル編成) | |
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関連人物 | |
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放送枠関連 | |
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その他 | |
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- 共同製作局・製作子会社
- 備考
- a:前作はUHFアニメ形態で放送。
- b:次作はUHFアニメ形態で放送。
- c:前作は『日5』枠で放送。
- d:15分枠アニメの2本立て。
- e:2018年1月期から2024年7月期までは非レギュラーネット局。一部番組は他系列局ネット。
カテゴリ
- f:2012年冬期より(一部作品除く)。
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