彩京
彩京(さいきょう、英語表記:Psikyo)は、かつて存在したゲーム製作会社。 下記「概要」に記した経緯を経て、現在は会社存続当時に製作した一連のゲーム作品を統合するゲームブランドとなっている。 概要1992年、ビデオシステム社(現在企業体としては事実上消滅)がリリースしていた『ソニックウィングス』の開発チームが独立し、株式会社彩アート京都(さいアートきょうと)を設立。1995年、株式会社彩京に社名変更。 以降、アーケードゲーム市場向けにシューティングゲームや麻雀ゲームを多数制作する傍ら、1998年からはアミューズメント施設の運営を手がけ、栃木県、宮城県などに直営店を出店していた。 しかし2000年に差し掛かる頃にはアミューズメント事業の失敗、アーケード向けのシューティングゲームの低迷が重なり、パチンコやパチスロといった遊戯機器の開発等も行っていた。2002年、社長同士のつきあいがあったクロスノーツに吸収合併され、2003年には京都にあったゲーム開発部署も解散した。 一時期、株式会社クロスノーツがゲーム製作ブランドとして「彩京」を用いたが、2006年の『対戦ホットギミック 未来永劫』を最後に発売実績が途絶えた。親会社のクロスノーツ社も、2009年にPSP版『ストライカーズ1945 PLUS』のリリース(発売元はアークシステムワークス)を最後に活動を停止した。 2009年以降に出た作品の販売元について
開発作品の特色
同社のシューティングゲームは彩京弾と呼ばれる高速敵弾を特徴としており、その独特の構成から「彩京シューティング」と呼称される一カテゴリを築いた。 彩京弾の特色としては
といった点が挙げられる。 非常に弾速が高く攻撃範囲も広い彩京弾を軸としている彩京シューティングは、敵弾を見てからの「アドリブ避け」が難しい。一方で敵の攻撃は強い法則性に基づいて構成されているため、動き方とタイミングを覚えて自機を動かす(いわゆる「パターン化する」)ことで、見た目よりも遥かに簡単に避けることが可能になっている。 それまでのシューティングゲームはアドリブ避けの技術や反射神経が第一に問われるような構成が多かったため、動き方を覚えることで誰にでも敵弾をすり抜ける快感を味わえる彩京シューティングの台頭は幅広い層のプレイヤーの支持を得ることに成功し、沈滞気味にあった90年代のシューティング界に大きな影響を与えた(ただし、2周目は破壊した敵がランダム性の強い撃ち返し弾を放つようになるため、よりアドリブ避けのセンスと反射神経が重要になっていることが多く、その難易度も1周目の比ではない)。 また、当時爆発的な人気を呼んでいた格闘ゲームの影響も随所に見られ、短い時間で気軽に楽しめる作品や、キャラクター性の強い作品を多くリリースするという点でも人気を集めた。 特にキャラクター面では中村博文、司淳、寺田克也などのイラストレーターをキャラクターデザインに起用し、風雲はだか侍「アイン」、爆乳巫女「こより」、性悪魔法少女「マリオン」といったキャラクターを輩出。『戦国エース』『ガンバード』各シリーズでは、『ソニックウィングス』シリーズから引き継がれた2人プレイ時のキャラクターの組み合わせによるマルチストーリーシステムを採用するなど力を入れており、新声社の『ゲーメスト』誌上を中心にグッズやイラスト集などの展開も行っていた。 多くのシューティングタイトルのインストラクションカードでは各キャラクターにキャッチコピーが付けられていたのも特徴で、「男ならこれを選べ!!」という文句は彩京シューティングを象徴するフレーズとなっている。 麻雀ゲームにおいても成年コミック誌とのコラボレーション、実写のバカバカしい必殺技が飛び交う対戦モードなど、独自の展開によって人気を確立した。 倒産した東亜プランと入れ替わる形でシューティングゲーム界に登場し、初心者でも気軽に楽しめる作風でシューティング復権の一翼を担った彩京だったが、多くのシューティングメーカーが辿った道と同じように、90年代終盤からは極端に難易度が高騰した作品を連発するようになり、プレイヤーの支持を失う結果となった。最盛期には同じく新興のシューティングメーカーであったケイブやライジングと覇を争うように活発に作品をリリースしていたが、結果的にはケイブが生き残った一方で彩京、ライジングは失速することとなった。そして、シューティングや格闘ゲームの衰退と、音楽ゲームや対戦アクションゲームなどの新興ジャンルの台頭によるアーケードゲーム界の構造の変化も決定的なものとなっていた。 主な作品シューティングゲーム
その他関連項目
脚注
外部リンク
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