権兵衛狸権兵衛狸(ごんべいだぬき)は古典落語の演目。上方落語ではとんとん権兵衛[1]。原話は、正徳2年に出版された笑話本『笑眉』(えみのまゆ)の一遍である「僕が作意は御無心の種」[1]。元は江戸落語であったが、後に上方落語でも演じられた。三遊亭金馬や立川談志らの持ちネタとして知られる。また、主人公の権兵衛は髪結床(理髪師)としては演じられないものもある。 あらすじとある田舎で髪結床を営む権兵衛は、夜になると誰かが自分の名前を読んで雨戸と叩くようになる。それに応じて雨戸を開けても誰もおらず、やがて権兵衛は、おそらくこれは狸の仕業だと考える。狸は頭突きをしながら戸を叩くという伝承を踏まえ、いつもの時間になって、自分の名前を呼ぶ声が聞こえると戸を叩くタイミングに合わせてガラっと戸を開ける。すると頭突きの目標を失った狸が転がり込んでくる。 権兵衛は狸を捕まえると狸汁にしてやると脅しつつも、頭を綺麗に剃り上げるだけで許してやる。そして次に同じことをやったら今度こそ狸汁にしてやると言って逃がす。 数日後の夜。誰かが権兵衛を名を呼んで雨戸を叩く。あれだけ脅してやったのに懲りないのかと権兵衛が怒りながら戸を開くと、例の狸が待っていて言う。 「今度は髭を剃って欲しい」 脚注
参考文献
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