権利物権利物(けんりもの)とは、1985年(昭和60年)に施行された国家公安委員会規則により制定されたパチンコ遊技台の区分のひとつであり、第三種と呼ばれるものである。 特徴構造として、まとまった出玉を獲得することが可能な大入賞口(アタッカーあるいはそれに相当する電動チューリップ等)を有し、それを開放させるための始動口を有する。 更に、始動口の機能を有効(あるいは無効)に切り替える役割を持つ特別作動領域を有した役物あるいは入賞口によって構成される。 通常時、始動口は「無効」状態となっており、たとえ入賞球があっても大入賞口の開放動作は行われない。しかし権利獲得口入賞によって大当たり(=権利発生)すると始動口が「有効」状態となり、以降、始動口への入賞により大入賞口の開放動作が行われるようになる。 権利発生中は、始動口への入賞によって大入賞口が一定時間および一定数の入賞を条件に開放動作を行う。ただし大入賞口の開放動作が規定回数に達するか、権利中に再度権利獲得口に入賞があった時点で大当たりは終了(権利消滅)する構造となっている。 このように、「始動口が大入賞口を開放させる権利」を獲得するゲーム性が、「権利物」と呼ばれる所以である。 歴史1980年頃から従来の主流であった一般台(いわゆるチューリップ台)に加えて、よりスピーディーな出玉が獲得できるよう工夫された機種が各パチンコメーカーから次々に発表されるようになった。中でも、電動役物を搭載させたり特殊なゲージ構成によってまとまった出玉が獲得できる(いわゆる「役が掛かる」)機能を持つ機種は、それまでの穏やかなゲーム性を一変させる魅力で人気を博した。そのような中で1982年(昭和57年)に独特のゲーム性を持つ権利物が登場し、後にパチンコ機種の一ジャンルとして確立されるまでに至った。 当初、大当たり時(権利発生中)における大入賞口の開放動作の上限は最高10回までであった。地域によっては同一機種であっても8回までのものが存在した。
1985年(昭和60年)に施行された国家公安委員会規則により、その上限は最高8回までとされた。
1990年(平成2年)の規則改正により、上限が16回までに改められた。
2004年(平成16年)の規則改正にともない、第一種(デジパチ)や第二種(羽根モノ)などの種別が撤廃され、第三種(権利物)という区分は消滅した。 仕組み基本的に、振り分け役物によるVゾーン入賞(アナログ抽選)によって権利発生と権利消滅を繰り返すタイプが一般的であった。その後、権利の獲得および消滅の難易度を高めて一度に大量出玉が獲得できる物が主流となった。 <基本的なゲームの流れ> ・振り分け役物への入賞。 ・役物内にある権利獲得口に玉が入賞すると権利発生(大当り)。 ・権利発生中に玉が始動口に一つ入賞すると大入賞口が1回開放。 ・開放動作が規定回数に達すると権利終了。 ・権利発生中に権利獲得口に入賞するとその時点で権利消滅(これをパンクと言う)。 特に後年はデジパチの影響を大きく受け、デジタル抽選要素を全面的に押し出したものが主流となった。それによって権利発生(または消滅)のための振り分け役物は脇役的存在となり、あくまでデジタル演出によるゲーム性が主体となっていった。つまりデジタル抽選に当選さえしてしまえば権利発生がほぼ確約されるゲーム性は、デジパチに非常に近いものともいえる。 なお、デジタル抽選を搭載した権利物においては、大当り2回目以降にメインデジタルの確率変動(確変)を搭載しているものも多い。これらの機種の中には、メインデジタルの当選後、仮に権利獲得口へ入賞させられず権利を取り逃がしても、救済処置として確変状態にはなるものも多くあった。 特徴的な機種
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