水戸市植物公園
水戸市植物公園(みとししょくぶつこうえん)は、茨城県水戸市にある植物公園。面積約80,000平方メートル。主要施設はテラスガーデン、観賞大温室、熱帯果樹温室、植物館、芝生園、ロックガーデン[2]。 概要同じ水戸市にある偕楽園が和の庭園であるのに対して、水戸市植物公園は洋の庭園という位置づけで、植物の展示、園芸相談を通して植物に関する知識の向上を図るともに、市民に対して憩いの場を提供している[3]。宮ノ池の周辺を造成して建設され[4]、自然美と人工美が調和した景観に大きな特徴がある。設計者は植物園や園芸建築を数多く手がけた瀧光夫である[5]。樹木は約28,000本、地被類は約146,000本植えられている[6]。 なお、開設時は観賞大温室等の暖房に、隣接する小吹清掃工場の余熱を利用していた。しかし、小吹清掃工場は2020年3月で稼働停止となったため、水戸市植物公園では新熱源設置工事が実施され、小吹清掃工場解体後の跡地も含めて公園を再整備する計画である[7][8]。 沿革
施設観賞大温室公園中央部に位置する観賞大温室は広さ1,561平方メートル、花の回廊、鉢花室、カクタス室、ラン室、大温室、多目的室から構成される建物である。収容されている温室植物は約500種15,000本(ハイビスカス、ブーゲンビレアほか)。 設計者の瀧光夫は「立体廻遊式」あるいは「内外混然一体式」と名付けており、一般的な温室と区別して美術館・展示館のような鑑賞(美術品などについて味わい楽しむ)用温室と評され、日本造園学会賞を受賞(昭和63年度)した[13]。 構造としてコンクリートフレーム内は耐候性鋼材、屋根はポリカーボネート板。 観賞大温室入口脇にはハンカチノキが植えてあり、観賞用のスロープを登って高い位置から間近にハンカチノキの花を鑑賞することが出来る。また、スロープ横の展望台からは観賞大温室の横に位置する芝生園を一望する事ができる良いスポットともなっている。
なお、暖房には小吹清掃工場の余熱が利用されていた[14]。しかし、2020年3月の小吹清掃工場の稼働停止に伴い新熱源設置工事が実施された[7][8]。 薬草園園内南に位置する約1,200平方メートルの薬草園では、水戸黄門こと徳川光圀が水戸藩医の鈴木宗与に命じてまとめさせた日本最古の家庭療法の本『救民妙薬』に載っている薬草を中心に約50種類の薬草が栽培されている。各薬草の側には、その効能や『救民妙薬』の文章などを紹介するパネルが設置されている。この薬草園を整備した理由について、園長の西川綾子は、「水戸にしかできないことは何かと考えて歴史という切り口に気づいた」と語っている[15]。2016年(平成28年)7月に水戸市と養命酒製造株式会社が締結した「薬草を活用した官民協働事業に関する協定」により、2017年(平成29年)4月に面積を1,850平方メートルに拡張し、呼称を「水戸 養命酒薬用ハーブ園」としてオープン予定[16]。 薬草園を入ったところには、弘道館の瓦が利用された縁取りがある。これらの瓦は、2011年3月11日の東日本大震災で被災した際に、再利用不可能とされたものを持ってきている。瓦の模様は、瓢箪から水が出ている様を表しており、火災除けの意味があるとされている[17]。 薬草園の中には、キキョウ、クズ、ハトムギ、ムラサキ、ナルコユリ、アカザなど多くの薬草が植えられている[17]。アカザは、水戸黄門が使っていた杖の材料であり、利用者向けに杖を貸し出したり、杖作りの実演を行っている[15]。
その他の施設
行事各種同好会による展示会やボランティア活動が行われている[20]。
利用情報
交通アクセス
出典
外部リンク
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