王 威晨(ワン・ウェイチェン、1991年7月3日 - )は、台湾(中華民国)の台北市出身のプロ野球選手(内野手)。
アミ族のカトリック教徒。父は元プロ野球選手の王光輝(中国語版)[1]。
経歴
2015年6月に開催されたドラフト会議で中信兄弟にドラフト13位で入団[2]。このシーズンは2軍戦出場のみに留まった。
2016年に1軍公式戦初出場を果たした。オフにはアジア・ウィンター・リーグに出場するも打率.160と苦しんだ。
2017年のオフに再びアジア・ウィンター・リーグに出場すると打率.397をマーク。16試合連続安打という記録を打ち立て、決勝ラウンド前の最終試合で再度勝利打点を挙げた。それによりCPBL選抜は1点差での勝利を収め、9試合連続無敗記録を作った[3]。
2018年はリーグ最多の118試合に出場し、打率.335をマーク。そして44盗塁を記録し、初のタイトルとなる盗塁王を獲得した。オフに開催された「ENEOS 侍ジャパンシリーズ2018」に出場し、甲斐拓也に盗塁を刺される場面があった[4]。
2019年は3月・4月は打率1割台と不振[5]も5月以降は調子を戻し、最終的には打率.317でシーズンを終えた。9月4日のLamigoモンキーズ戦ではプロ初となるホームランを放った。昨年と比べ盗塁数はかなり減るも、2年連続となる盗塁王を獲得した。オフには2019 WBSCプレミア12に出場した[6]。11月16日のオーストラリア戦では先制タイムリー[7]、勝ち越しタイムリーを放ちチームの勝利へ貢献した[8]。最終的にはベストナイン・三塁手部門に選出された[9]。
2020年は5月6日の統一ライオンズ戦で自身初となる1試合5安打を放った。同月30日の富邦ガーディアンズ戦ではCPBL史上最少出場(28試合)で50安打を放った[10]。最終的にはリーグ唯一の全試合出場を果たし、CPBL歴代最高記録となる501打数を記録した。そして打率.339、自身最多の4本塁打をマークし、対左投手に対しては打率.419を記録。そしてベストナイン[11]とゴールデングラブ賞を受賞した[12]。一方で盗塁数は僅か17に留まった[13]。台湾シリーズではシリーズトップタイの10安打、打率.345を記録した[14]。オフには2年契約を結び、月給42万台湾元で更新した[15]。
2021年からキャプテンに就任した[16]。7月28日の統一ライオンズ戦でCPBL史上25人目となる通算100盗塁を達成した[17]。
選手としての特徴
チーム不動の1番打者。2018年、2019年と2年連続で盗塁王を獲得したスピードスター。一塁到達まではわずか3.9秒[18]。守備範囲も広く安定しており、2度のゴールデングラブ賞を獲得している[19]。主に流し打ちを得意とするも、時には広角に打ち分ける事もできる。セーフティバントの成功率も高い[20]。
詳細情報
年度別打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2016
|
兄弟
|
6 |
12 |
12 |
0 |
1 |
0 |
1 |
0 |
3 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
5 |
1 |
.083 |
.083 |
.250 |
.333
|
2017
|
26 |
113 |
100 |
13 |
28 |
6 |
1 |
0 |
36 |
16 |
4 |
0 |
1 |
2 |
10 |
0 |
0 |
27 |
1 |
.280 |
.339 |
.360 |
.699
|
2018
|
118 |
537 |
489 |
74 |
164 |
17 |
4 |
0 |
189 |
42 |
44 |
19 |
0 |
1 |
42 |
2 |
3 |
64 |
8 |
.335 |
.391 |
.387 |
.778
|
2019
|
115 |
491 |
451 |
64 |
143 |
17 |
2 |
1 |
167 |
45 |
27 |
11 |
6 |
7 |
26 |
1 |
0 |
52 |
6 |
.317 |
.349 |
.370 |
.719
|
2020
|
120 |
549 |
501 |
90 |
170 |
29 |
3 |
4 |
217 |
47 |
17 |
9 |
3 |
3 |
37 |
2 |
3 |
60 |
6 |
.339 |
.386 |
.433 |
.819
|
通算:5年
|
385 |
1702 |
1553 |
241 |
506 |
69 |
11 |
5 |
612 |
150 |
92 |
39 |
10 |
13 |
115 |
5 |
6 |
208 |
22 |
.326 |
.372 |
.394 |
.766
|
- 2020年度シーズン終了時
- 各年度の赤太字はリーグ歴代最高、太字はリーグ最高
年度別打撃成績所属リーグ内順位
年
度 |
年
齢 |
リ | グ |
打
率 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
打
点 |
盗
塁 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2016 |
25 |
CPBL |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
-
|
2017 |
26 |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
- |
-
|
2018 |
27 |
6位 |
2位 |
- |
4位 |
- |
- |
1位 |
6位 |
- |
-
|
2019 |
28 |
10位 |
6位 |
- |
9位 |
- |
- |
1位 |
- |
- |
-
|
2020 |
29 |
4位 |
2位 |
4位 |
6位 |
- |
- |
5位 |
9位 |
- |
-
|
- 「-」は10位未満(打率、出塁率、長打率、OPSは規定打席未到達の場合も「-」と表記)
WBSCプレミア12での打撃成績
年度別守備成績
年 度 |
球 団 |
二塁 |
三塁 |
遊撃
|
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率 |
試
合 |
刺
殺 |
補
殺 |
失
策 |
併
殺 |
守 備 率
|
2016
|
兄弟
|
4 |
2 |
1 |
0 |
1 |
1.000 |
- |
2 |
3 |
4 |
1 |
0 |
.875
|
2017
|
21 |
34 |
51 |
3 |
20 |
.966 |
7 |
3 |
14 |
1 |
3 |
.944 |
-
|
2018
|
59 |
89 |
137 |
2 |
25 |
.991 |
65 |
47 |
107 |
10 |
15 |
.939 |
-
|
2019
|
28 |
51 |
62 |
5 |
16 |
.958 |
96 |
70 |
140 |
13 |
10 |
.942 |
-
|
2020
|
21 |
21 |
27 |
1 |
5 |
.980 |
110 |
66 |
139 |
9 |
14 |
.958 |
-
|
通算
|
133 |
197 |
278 |
11 |
67 |
.977 |
278 |
186 |
400 |
33 |
42 |
.947 |
2 |
3 |
4 |
1 |
0 |
.875
|
タイトル
- 盗塁王:2回(2018年 - 2019年)
- 最多安打:1回(2021年)
表彰
- CPBL
- チャイニーズタイペイ代表
記録
- 初記録
- 節目の記録
- 100盗塁:2021年7月28日、対統一ライオンズ11回戦(台南市立野球場)、5回表に二盗(投手:潘威倫、捕手:郭峻偉) ※史上25人目
- その他の記録
背番号
代表歴
脚注
- ^ “職棒球迷共同的記憶 兄弟象球星王光輝安息主懷 兒子王威晨感性憶父:他是那麼好的榜樣和父親” (英語). ct.org.tw (2021年8月30日). 2024年6月1日閲覧。
- ^ “選秀順位低沒關係 辛元旭以王威晨朱育賢為目標 | 運動 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw. 2020年7月19日閲覧。
- ^ “【CPBL情報】アジアウインターリーグの注目新人!王威晨、二度寝のおかげで連続安打!”. Baseball Times-ベースボール・タイムズ. 2020年7月20日閲覧。
- ^ “台湾の盗塁王が見た甲斐キャノン「僕も被害者になった」”. 西日本スポーツ. 2018年11月7日閲覧。
- ^ “一甩去年的開季大低潮 王威晨攻守兩端更進化 - 中職 - 棒球” (中国語). 運動視界 Sports Vision. 2020年5月30日閲覧。
- ^ 聯合新聞網 (20191001T153013Z). “12強/中華隊28人名單公布 王柏融入列 | 聯合新聞網:最懂你的新聞網站” (中国語). 聯合新聞網. 2019年10月1日閲覧。
- ^ “【プレミア12】台湾ワン・ウェイチェンが3回に先制打! 豪州は負ければ敗退”. Full-count | フルカウント ―野球・MLBの総合コラムサイト―. 2019年11月16日閲覧。
- ^ “12強/兄弟連線發威 王威晨大貢獻” (中国語). tw.news.yahoo.com. 2019年11月16日閲覧。
- ^ 一般社団法人日本野球機構. “表彰選手”. 2019 WBSC プレミア12. 2020年3月7日閲覧。
- ^ “中職/最少場次50安 王威晨先留球” (中国語). tw.sports.yahoo.com. 2020年5月30日閲覧。
- ^ 聯合新聞網 (20201111T004904Z). “中職/最美意外 獅隊三帥奪最佳10人 | 聯合新聞網:最懂你的新聞網站” (中国語). 聯合新聞網. 2020年11月11日閲覧。
- ^ 中時新聞網. “中職》金手套、最佳十人 中信兄弟最大贏家 - 體育” (中国語). 中時新聞網. 2020年11月10日閲覧。
- ^ “王威晨開朗活潑成兄弟隊長 朝百盜目標邁進 | 運動 | 中央社 CNA” (中国語). www.cna.com.tw. 2021年1月8日閲覧。
- ^ “中華職棒大聯盟全球資訊網 The Official Site of CPBL”. www.cpbl.com.tw. 2020年11月8日閲覧。
- ^ 自由時報電子報 (2021年2月27日). “中職》當年簽約金僅30萬元 如今王威晨月薪42萬元 - 自由體育”. 自由時報電子報. 2021年2月27日閲覧。
- ^ 中時新聞網. “中職》王威晨「長大了」當隊長 撐起中生代斷層 - 體育” (中国語). 中時新聞網. 2021年1月8日閲覧。
- ^ “王威晨跑出生涯百盜 下個目標是千安” (中国語). tw.sports.yahoo.com. 2021年7月29日閲覧。
- ^ “YouTube”. www.youtube.com. 2020年7月2日閲覧。
- ^ 中時新聞網. “中職》囊括金手套、最佳九人 王威晨盼朝突破爸爸目標前進 - 體育” (中国語). 中時新聞網. 2020年11月16日閲覧。
- ^ “https://twitter.com/elevensportsjp/status/1258327965412155394”. Twitter. 2020年5月7日閲覧。
関連項目
外部リンク