第78期順位戦(だい78きじゅんいせん)は、2020年度(2019年6月 - 2020年3月)の順位戦である。順位戦は将棋のタイトル戦の一つである名人戦の予選にあたる棋戦である。ここでは第78期名人戦についてもあわせて記述する。
第78期名人戦七番勝負
本来は2020年4月8日に開幕予定だったが、新型コロナウイルス感染症の流行の影響のため第1局 - 第3局までの開催が延期された。当初第4局として行われる予定だった5月19日・20日の対局を開幕局とする予定であったが[1]、6月以降に再延期することが決まった[2]。この影響で、第3局・第5局・第6局が東西の将棋会館で開催されたが、将棋会館での名人戦は複数回の千日手・持将棋で会場の手配がつかなかった第40期名人戦第8局指し直し局以来で、38年ぶりとなった[3]。
名人戦七番勝負は、渡辺明三冠[4]が豊島将之名人を4勝2敗で下し、名人位を奪取した[5]。
開催:2020年6月10日 - 2020年8月15日
日程(2020年) (会場)
対局者
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第1局
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第2局
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第3局
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第4局
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第5局
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第6局
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第7局※
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結果
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6月10–11日( 戸田家 )
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6月18–19日( 天童ホテル )
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6月25–26日( 将棋会館 )
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7月27–28日( 椿山荘 )
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8月 7– 8日( 将棋会館 )
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8月14–15日(関西将棋会館)
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8月27–28日( 将棋会館 )
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第77期名人 豊島将之 竜王名人
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先 |
●
|
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○
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先 |
○
|
|
●
|
先 |
●
|
|
●
|
-
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|
挑戦者 渡辺明三冠[4]
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|
○
|
先 |
●
|
|
●
|
先 |
○
|
|
○
|
先 |
○
|
-
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名人位奪取
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144手
|
158手
|
145手
|
101手
|
128手
|
99手
|
-
|
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※第6局までで決着したため第7局は実施されず。
「七番勝負」当初の開催地と予定日程
第78期名人戦七番勝負の当初の開催地および予定日程、日程変更後の結果については、以下の表にまとめている。
「七番勝負」当初の開催地と予定日程
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当初の開催地と予定日程 (2020年01月23日)[6]
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開幕延期について (2020年04月07日)[7]
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開幕再延期のお知らせ (2020年05月08日)[8]
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対局の再開について (2020年05月27日)[9]
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【第1局】 |
東京都文京区 「ホテル椿山荘東京」 |
4月08-09日 (水-木) |
→ |
( 延期 ) |
→ |
七番勝負の開幕を 6月に再延期 |
→ |
第4局 ( 7月27–28日 ) として日程変更
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【第2局】 |
大分県宇佐市 「宇佐神宮」 |
4月25-26日 (土-日) |
→ |
( 延期 ) |
→ |
→ |
( リストから外れる )
|
【第3局】 |
三重県鳥羽市 「戸田家」 |
5月07-08日 (木-金) |
→ |
( 延期 ) |
→ |
→ |
第1局 ( 6月10–11日 ) として日程変更
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【第4局】 |
長野県高山村 「緑霞山宿 藤井荘」 |
5月19-20日 (火-水) |
→ |
第1局 に変更 |
→ |
→ |
( リストから外れる )
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【第5局】 |
岡山県倉敷市 「倉敷市芸文館」 |
5月27-28日 (水-木) |
→ |
第2局 に変更 |
→ |
→ |
( リストから外れる )
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【第6局】 |
山梨県甲府市 「常磐ホテル」 |
6月10-11日 (水-木) |
→ |
第3局 に変更 |
→ |
→ |
( リストから外れる )
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【第7局】 |
山形県天童市 「天童ホテル」 |
6月18-19日 (木-金) |
→ |
第4局 に変更 |
→ |
→ |
第2局に変更 ( 6月18–19日 )
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- |
(東京)将棋会館 (大阪)関西将棋会館 |
(予定なし) |
→ |
( 未定 ) |
→ |
→ |
(東京)将棋会館:第3,5,(7)局 (大阪)関西将棋会館:第6局
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第78期順位戦
- 名人挑戦または昇級 / A級プレーオフ進出 / 降級
- (順位欄) 降級点1回 / 降級点2回(いずれも今期順位戦開始時点)
- B級2組・C級1組は降級点2回で降級、C級2組は降級点3回で降級。
- 備考欄の太字は今期の成績による動きを表す。
|
A級
- 名人挑戦 成績最上位者 1名(複数名の場合は プレーオフ )
- 降 級 成績下位 2名
B級1組
- 昇 級 成績上位2名 / 降 級 成績下位2名
B級2組
- 昇0 級 成績上位2名(または全勝者全員)
- 降級点 成績下位5名 / 降0 級 降級点2
- 「降級点1#」「#」は指し分け(5勝5敗)で降級点消去可能
C級1組
- 昇0 級 成績上位2名(または全勝者全員)
- 降級点 成績下位7名 / 降0 級 降級点2
- 「降級点1#」「#」は指し分け(5勝5敗)で降級点消去可能
C級2組
- 昇0 級 成績上位3名(または全勝者全員)
- 降級点 成績下位10名 / 降0 級 降級点3
- 「降級点2#」「*#」は指し分け(5勝5敗)で降級点1つ消去可能
フリークラス
宣言フリークラス棋士
棋士 |
段位 (現在) |
引退まで 残り年数 |
生年月日 |
年齢 (歳) |
転出年月 |
転出時 クラス.降級点 |
転出時 在籍年限 |
備考
|
0 |
|
|
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|
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|
土佐浩司 |
八段 |
1年 |
1955年03月30日 |
65 |
2017年 4月 |
C級2組.降級点2 |
3年 (1+2) |
|
伊藤博文 |
七段 |
1年 |
1960年02月08日 |
60 |
2004年 4月 |
C級2組.降級点2 |
21年 (1+20) |
|
金沢孝史 |
五段 |
2年 |
1973年05月13日 |
46 |
2005年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
東和男 |
八段 |
2年 |
1955年08月17日 |
64 |
2008年 4月 |
C級2組.降級点2 |
13年 (1+12) |
|
小林健二 |
九段 |
3年 |
1957年03月31日 |
63 |
2018年 4月 |
C級2組.降級点2 |
4年 (1+3) |
|
室岡克彦 |
七段 |
5年 |
1959年03月21日 |
61 |
2018年 4月 |
C級2組.降級点1 |
6年 (2+4) |
|
有森浩三 |
七段 |
6年 |
1963年02月13日 |
57 |
2007年 4月 |
C級2組.降級点0 |
18年 (3+15) |
|
木下浩一 |
七段 |
6年 |
1967年08月29日 |
52 |
2009年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
所司和晴 |
七段 |
7年 |
1961年10月23日 |
58 |
2010年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
山本真也 |
六段 |
8年 |
1971年10月24日 |
48 |
2010年 4月 |
C級2組.降級点1 |
17年 (2+15) |
|
小林宏 |
七段 |
8年 |
1962年12月18日 |
57 |
2011年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
松本佳介 |
六段 |
10年 |
1971年12月17日 |
48 |
2013年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
浦野真彦 |
八段 |
10年 |
1964年03月14日 |
56 |
2017年 4月 |
C級2組.降級点1 |
12年 (2+10) |
|
神崎健二 |
八段 |
10年 |
1963年12月08日 |
56 |
2018年 4月 |
C級2組.降級点2 |
11年 (1+10) |
|
勝又清和 |
七段 |
12年 |
1969年03月21日 |
51 |
2015年 4月 |
C級2組.降級点2 |
16年 (1+15) |
|
森内俊之 |
九段 |
17年 |
1970年10月10日 |
49 |
2017年 4月 |
B級1組 |
19年 (8+11) |
|
泉正樹 |
八段 |
7年 |
1961年01月11日 |
59 |
2019年 4月 |
C級2組.降級点0 |
7年 (3+4) |
2019年度から転出
|
脇謙二 |
九段 |
7年 |
1960年08月10日 |
59 |
2019年 4月 |
C級2組.降級点2 |
7年 (1+6) |
2019年度から転出
|
|
編入フリークラス棋士
棋士 |
段位 (現在) |
引退まで 残り年数 |
生年月日 |
年齢 (歳) |
編入年月 |
編入理由 |
編入時 在籍年限 |
備考
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
藤倉勇樹 |
五段 |
1年 |
1979年10月23日 |
40 |
2010年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
竜王戦5組在籍中
|
西川慶二 |
八段 |
3年 |
1961年12月06日 |
58 |
2015年 4月 |
順位戦から降級 |
7年 |
|
川上猛 |
七段 |
4年 |
1972年07月12日 |
47 |
2013年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
上野裕和 |
六段 |
4年 |
1977年05月13日 |
42 |
2013年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
石川陽生 |
七段 |
4年 |
1963年03月05日 |
57 |
2015年 4月 |
順位戦から降級 |
8年 |
|
伊奈祐介 |
七段 |
5年 |
1975年12月18日 |
44 |
2014年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
増田裕司 |
六段 |
6年 |
1971年02月07日 |
49 |
2015年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
小倉久史 |
七段 |
7年 |
1968年05月15日 |
51 |
2016年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
藤原直哉 |
七段 |
8年 |
1979年10月23日 |
40 |
2017年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
岡崎洋 |
七段 |
9年 |
1967年05月04日 |
52 |
2018年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
|
渡辺正和 |
五段 |
10年 |
1986年01月23日 |
34 |
2019年 4月 |
順位戦から降級 |
10年 |
2019年度から編入
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|
脚注
- ^ 名人戦開幕延期について - 日本将棋連盟・2020年4月7日
- ^ “第78期名人戦開幕再延期のお知らせ|将棋ニュース|日本将棋連盟”. www.shogi.or.jp. 2020年5月9日閲覧。
- ^ 38年前より異例?将棋会館の名人戦 ひふみんの思い出 朝日新聞社(村瀬信也)、2020年6月25日(2021年3月13日閲覧)。
- ^ a b 渡辺明三冠(棋王・王将・棋聖)は7月16日に棋聖を失冠したため、第4局(7月27日・28日)以降の肩書は二冠(棋王・王将)
- ^ “第78期名人戦・順位戦 七番勝負/A級”. 日本将棋連盟. 2021年7月24日閲覧。
- ^ 第78期名人戦 開催地決定のお知らせ(2020年01月23日) https://www.shogi.or.jp/news/2020/01/78.html
- ^ 第78期名人戦開幕延期について(2020年04月07日) https://www.shogi.or.jp/news/2020/04/post_1904.html
- ^ 名人戦開幕再延期のお知らせ(2020年05月08日) https://www.shogi.or.jp/news/2020/04/post_1904.html
- ^ 東西交流および長距離移動をともなう対局の再開について https://www.shogi.or.jp/news/2020/05/post_1915.html
- ^ 広瀬章人八段は2019年12月7日付で竜王失冠。
- ^ 渡辺明二冠(棋王・王将)2019年7月9日付で棋聖獲得しタイトル三冠(棋王・王将・棋聖)
- ^ 木村一基九段は2019年9月26日付で王位獲得。
- ^ 斎藤慎太郎七段は2019年10月1日付で王座失冠、A級への昇級により2020年2月13日付で八段に昇段。
- ^ 行方尚史八段は勝数規定(八段昇段後の250勝)により2019年11月14日付で九段に昇段。
- ^ 菅井竜也七段はA級への昇級により2020年1月23日付で八段に昇段。
- ^ 畠山鎮七段は勝数規定(七段昇段後の190勝)により2019年9月12日付で八段に昇段。
- ^ 永瀬拓七段は2019年5月11日付で叡王獲得、2019年10月1日付で王座獲得しタイトル二冠。
- ^ 横山泰明六段は勝数規定(六段昇段後の150勝)により2019年9月11日付で七段に昇段。
- ^ 佐々木慎六段は勝数規定(六段昇段後の150勝)により2020年3月11日付で七段に昇段。
- ^ 近藤誠也六段はB級1組への昇級により2020年3月11日付で七段に昇段。
- ^ 都成竜馬五段は竜王戦ランキング戦連続昇級により2019年11月13日付で六段に昇段。
- ^ 佐藤和俊六段は竜王戦1組昇級により2019年10月30日付で七段に昇段。
- ^ 高見泰地七段は2019年5月11日付で叡王失冠。
- ^ 三枚堂達也六段は竜王ランキング戦連続昇級により2019年9月4日付で七段へ昇段。
- ^ 大橋貴洸四段は勝数規定(四段昇段後の100勝)により2019年7月31日付で五段に昇段、竜王ランキング戦連続昇級により2019年10月23日付で六段へ昇段。
- ^ 村中秀史六段は勝数規定(六段昇段後の150勝)により2019年10月4日付で七段に昇段。
- ^ 高野智史四段は勝数規定(四段昇段後の100勝)により2019年12月2日付で五段に昇段。
- ^ 八代弥六段は竜王ランキング戦連続昇級により2019年4月23日付で七段に昇段。
- ^ 梶浦宏孝四段は勝数規定(四段昇段後の100勝)により2019年7月25日付で五段に昇段。
- ^ 上村亘四段は勝数規定(四段昇段後の100勝)により2019年10月10日付で五段に昇段。
- ^ 古森悠太四段はC級1組への昇級により2020年3月5日付で五段に昇段。
- ^ 村田智弘六段は勝数規定(六段昇段後の150勝)により2019年12月18日付で七段に昇段。
- ^ 本田奎四段は棋王戦タイトル挑戦により2019年12月27日付で五段へ昇段。
外部リンク
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「順位戦」の第1期-第30期は「名人戦」の第6期-第35期にそれぞれ対応。第31期-第35期の順位戦は欠番。 1977年度中の順位戦は第36期(1978年度)に含まれる。第36期-第43期は「名人戦挑戦者リーグ・昇降級リーグ」として実施。 表記の年度は名人戦に対応しており、順位戦は表記年度の前年6月から翌年3月にかけて主に実施。 |