重量ポンド
重量ポンド(じゅうりょうポンド、英: pound-force、記号: lbf, lbf)は、ヤード・ポンド法のFPS単位系(英国工学単位系、英国重力単位系)で用いられる力または重量の単位である[1]。米国以外では、使われることがまれで、米国内でも公式には使われない。 定義1重量ポンドは、質量1ポンドの物体に対して標準重力加速度(9.806 65 m/s2、196 133/6096 ft/s2)と同じ加速度を生じさせる力と定義される。簡単に言えば、質量1ポンドの物体の地球上における重量である。 重量ポンドは18世紀ごろから使われ始めたが、重力加速度の値は場所によって異なるため、重量ポンドの値は厳密なものではなかった。1901年の国際度量衡総会 (CGPM) において重量グラム、重量キログラムとともに標準重力加速度が定められた。その値をヤード・ポンド法に換算することで、重量ポンドの値を厳密に定めることができるようになった。 標準重力加速度の値を使うと、1重量ポンドは正確に4.4482216152605ニュートンとなる。英国では、この14桁の数値が公式の換算値である[2]。日本の計量法体系では、1重量ポンドは正確に4.44822ニュートンと定義されている[3]。これは、英国の公式換算値を小数5桁に丸めたものである。 FPS単位系文脈によっては、「ポンド」という言葉を質量の単位ではなく力の単位として用いる。この場合、質量の単位には、lbf·s2/ftとして定義されるスラグ(slug)を用いる。ポンドを質量の単位として用いる場合でも、曖昧さを回避するために「質量ポンド」(pounds-mass、lbm)の語を用いることがある。
英国工学単位系(EE)では、質量の単位に質量ポンド、力(重量)の単位に重量ポンドを用いる。地球上においては、1質量ポンドに働く重力は1重量ポンドにほぼ等しいので都合が良い。ただし、他の単位系のように、力の単位が質量の単位に加速度の単位[6]を掛けた物と等しくない。つまり、ニュートンの運動の第2法則 F = m·a を書き表すのに、1以外の比例定数が必要になる。その値は、標準重力加速度 gc = 32.174049 lbm·ft/lbf·s2 である。 英国重力単位系(BG)とFPS絶対単位系(AE)は、1以外の比例定数を必要としない一貫性のある単位系である。BGはポンドを力の単位とし、質量の単位にスラグを用いる。AEはポンドを質量の単位とし、力の単位にパウンダルを用いる。 出典
関連項目
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