Apple TV
Apple TV(アップル ティーヴィー)、現在のApple TV 4Kは、Appleが開発・販売するセットトップボックスである。2006年9月12日にコードネーム「iTV」(アイティーヴィー)として発表された。 家庭内でビデオ・コンテンツをiTunesからテレビへ無線LANあるいは有線LANを通して配信することができる他、YouTubeの映像も見ることができる。また、2008年1月15日より、iTunes Storeから直接コンテンツを購入したり、映画のレンタルもできるようになった。 概要Apple TVは2006年9月12日にサンフランシスコのYerba Buena Center for the Artsで開催されたスペシャルイベントの終盤に、スティーブ・ジョブズCEOが「iTV(アイティーヴィー)」というプロジェクトのコードネームで発表した[1]。予定価格は299ドルとされた。Appleが開発段階でハードウェア製品を発表するのは異例のことであった。 2007年1月10日にAppleは正式名称を「Apple TV」、日本でのメーカー希望小売価格を36,800円と発表し[2]、同時にApple Store オンラインで注文の受付を開始した。出荷予定日は当初2007年2月とされたが延期され[3]、3月22日に出荷が始まった[4]。 2008年1月15日にサンフランシスコ、モスコーニ・センターで行われたMacworld 2008でスティーブ・ジョブズCEOがApple TVの値下げとアップデートをアナウンスした。このアップデートによって、iTunesの新しいサービスであるiTunes映画のレンタルにも対応し、今度はMacやPCに同期せずに単体でiTunes Storeにアクセスできるようになった。映画のレンタルはSD解像度(480p AVC 1.5Mbps前後)のほかにHD解像度(720p AVC 4Mbps)でドルビー5.1chサラウンドに対応した転送速度は1本あたりの容量と再生時間から計算。またHD対応のPodcastにも対応している。これに伴ってGUIも一新された。 2010年9月1日のApple2010秋スペシャルイベントで第2世代Apple TVが発表され、99ドルへの大幅な値下げ、製品も4分の1に小型化し、AirPlayの初採用と前モデルから内容が大幅に刷新された。この刷新では、iTunesだけでなくiPhoneやiPadからの音楽や動画、画像をAirPlay経由で再生することが可能になった。また、従来のHD映画に加えて、大手放送局提供のTV番組が1話に付き99セントでレンタルできるサービスが加わった。また米国で人気のNetflixにも対応した。 2015年9月10日に発表された第4世代Apple TVでは、iOSベースの新プラットフォームであるtvOSを採用、これによりサードパーティ製アプリの使用が可能になるなど、機能が大きく刷新された。 沿革
特徴
(ABC、Fox、Disney Channel、BBC America提供によるHDテレビ番組が99セント、HD映画のセレクションが4.99ドル)
歴代機種第1世代無線LAN(IEEE 802.11b/g/nドラフト)、またはイーサネットで特定1台のPCのiTunesと自動的に同期し、内蔵のHDDにコンテンツを貯めることができる。また、5台までのPCからストリーミングを受ける機能も備える。同期、ストリーミングはMac OS X、Windowsの両方に対応している。製品にはApple Remoteが付属し、Front Rowと同様のGUIを実装して簡単なメニュー操作で各データを閲覧・再生できるようになっている。 CPUとしてIntel Pentium M 1.0 GHz、チップセットにGPU内蔵のNVIDIA G72Mを搭載し[23]、出力解像度は720pまで対応している。テレビとの接続のため、Apple製品では初のHDMI端子とコンポーネント端子を搭載している。 2018年5月25日、iTunes Storeは使用できなくなった。
第2世代新たにApple A4プロセッサが搭載され、電源が内蔵された。A4は、CPU・GPU・メモリなどが集約されたSoCであり、HDD、コンポーネント端子が撤廃されたことによって、本体サイズが約4分の1に小型化し、$99への大幅な値下げを可能とした。 内蔵ソフトウェアも大幅に刷新されている。iOSベースのApple TV ソフトウェアが搭載され、従来のHD映画に加え大手放送局提供のテレビ番組が¢99(1話)でレンタルできるサービスが加わった。また米国で人気のNetflixにも対応した。更に、新発表のAirPlay(旧AirTunes)によって、MacやWindows PC、iPhone、iPod touch、iPadからでも音声や映像をWi-Fi経由でストリーミング再生できるようになった。 無線LANは、IEEE 802.11a/b/g/nに対応し、2.4GHz帯のほか、5GHz帯での接続が可能となった。付属する新しいApple Remote[24]のほか、Remoteアプリ(配信終了)をインストールしたiPhone、iPod touch、iPadを使用してのリモコン操作が可能であった。
第3世代2012年3月16日発売。Apple A5プロセッサ(シングルコア)を搭載し、GUIとHDMI出力は1080pに対応。 2013年1月28日には内部の一部部品が更新された第3世代 Apple TV (Rev A)が発売され、P2PのAirPlayに対応した。 第3世代終売後の2019年5月にはApple TVアプリとApple TV+に対応、2020年3月にはiOS / iPadOSデバイスからのリモコン操作に対応した。 2022年現在、tvOS非対応モデルでのApple TV ソフトウェアのアップデートは全て終了し、TVアプリ以外のAppleの近年の新しいサービスには対応せず、既に内蔵アプリ(他社コンテンツ)の多くもサポートを終了している。 第4世代2015年9月10日発表[25]、同年10月26日からオンラインでの注文受付が開始され、同30日より出荷および店頭での販売が開始された。価格は32GBモデルが18,400円、64GBモデルが24,800円。第3世代も併売を続ける。 CPUには新しくApple A8プロセッサを搭載。出力端子はHDMI 1.4のみとなり、光デジタル音声端子は撤廃された。オーディオフォーマットでは新たにDolby Digital Plus 7.1に対応した。 iOSをベースに開発されたtvOSを採用し、GUIがSiri Remoteでの操作に最適化されるかたちで刷新された。またApple TVでは初めてApp Storeに対応。開発者にはソフトウェア開発キットとしてtvOS SDKが提供され、Apple TV用アプリやゲームの開発、配信ができるようになった。 従来のApple Remoteに代わり、Siri用のデュアルマイクやTouchサーフェス、加速度センサーおよびジャイロスコープなどを備えたSiri Remoteが同梱される[注釈 1]。Apple Remoteが本体との通信に赤外線を利用していたのに対して、Siri RemoteはBluetooth接続がメインである。Siriボタンを押しながら話しかけることで、動画や音楽の再生・停止・スキップなどの操作から、ジャンルや俳優名などからの映画作品の検索、天気やスポーツの試合結果の表示など、音声で様々な操作をすることができる。また方向ボタンの代わりにTouchサーフェスを搭載し、これをスワイプするなどして画面上の選択を切り替えたりスクロールしたりする。赤外線またはHDMI-CECを使用して、Siri Remoteからテレビ本体の音量を操作することも可能となった。第1世代Siri Remoteはゲームコントローラとしても使用できるほか、対応のPlayStation、XboxなどのBluetoothコントローラも使用できる。 同梱のSiri Remoteは、Apple TV 4K(後述)の第1、第2世代の発売に合わせて同じ新しいものに計2回変更された。 2019年3月25日、製品呼称がApple TV(第4世代)からApple TV HDへ変更された[26]。 Apple TV 4K(第1世代)発表後も32GBモデルのみ併売されていたが、Apple TV 4K(第3世代)の発表に伴いHDモデルは全て終売となった。
Apple TV 4K(第1世代)Apple TV 4Kという名称で2017年9月12日発表[27]、9月22日発売。CPUは新しくApple A10Xを搭載し、HDMI 2.0aによりGUIは4K画質(HDR10、Dolby Vision)に対応。但し、AirPlayミラーリング時のネイティブ4K表示には非対応。ストレージは32GBおよび64GB。EthernetポートはギガビットEthernetに対応。尚、USB端子自体は基板内には残っているものの、物理的に差し込めなくなっている。これによりApple TV 4Kは、起動しなくなった場合PCを使ってtvOSを復元することはできない。第1世代Siri Remoteは少しだけデザインし直され、MENU ボタンの周りを白い円で囲むようになった。 新たにAirPlay 2に対応し、複数のHomePodを組み合わせてスピーカーとして使用することが可能。tvOS 12でDolby Atmosに対応した。tvOS 14では最大2組のAirPodsやBeatsヘッドフォンでオーディオの共有が可能。当初はVP9に非対応で、tvOS 14の登場までYouTubeアプリの1440p / 2160p画質に非対応であった。 Apple TV 4K(第2世代)2021年4月20日発表[20]。A12 Bionicを搭載し、新しいデザインの第2世代Siri Remoteが同梱される。 新たにWi-Fi 6とThreadに対応。またHDMI 2.1を搭載したことにより、eARCに対応(eARCの機能を使う場合はHomePodが別途必要)。tvOS 17ではiPhoneやiPadのカメラを連係してFaceTime通話が可能。 Apple TV 4K(第3世代)2022年10月18日発表[20]。A15 Bionicを搭載し、充電用コネクタがUSB-Cになった第3世代Siri Remoteが同梱される。ファンレスとなって小型・軽量化された[28]。また本体上部にあった tvの文字は無くなりAppleロゴのみになった。 新たにHDR10+に対応。Wi-Fiモデル (64GB)とWi-Fi + Ethernetモデル (128GB)の2構成。ThreadはWi-Fi + Ethernetモデルのみ対応。 Apple TV+→詳細は「Apple TV+」を参照
2019年3月25日発表[19]。2019年11月1日にサービスを開始[29]。Netflixのような定額制映像配信サービスで、本サービス開始に合わせて、Apple TVのみならず、東芝やサムスン電子製などの一部スマートテレビやAmazon Fire TV[注釈 2]などでも専用アプリの「Apple TVアプリ」を経由して、本サービスやiTunesのコンテンツが視聴可能になった[30][32]。 仕様
脚注注釈出典
関連項目外部リンク |