IOS 4
iOS 4(アイオーエス フォー)は、Appleが開発しているモバイルオペレーティングシステムiOSの4番目のメジャーリリースである。2010年9月18日にリリースされた[1]。 概要iPhone OS 3は2010年6月7日に行われたApple Worldwide Developers Conferenceで発表され、2010年6月21日にリリースされた。iOS 4は、従来の「iPhone OS」という名称を廃止し、「iOS」としてリリースされた最初のiOSバージョンである[1]。 対応端末は、iPhone 3G以降、iPod touch (第2世代)以降、iPad (第1世代)以降。 iPhone OS 3までサポートされたモデルのうち、iPhone (初代)、iPod touch (第1世代)がiOS 4以降においてサポート対象外となった。 iPhone 4に標準搭載され、アップデートはiPhone 3Gと3GS、ならびに第2世代以降のiPod touch用向けにリリースされた[2]。ただしiPhone 3GとiPod touch (第2世代)では一部の機能に制限がある[3]。iOS 4とこれ以降のバージョンでは、アップグレードはiPhone・iPod touchともにバージョンを問わず無料になった[2]。 iOS 4では、ホーム画面にフォルダが導入され、表示できるAppの数が大幅に増えた[4]。また、壁紙を自由に設定できるようになった。ただし、アニメーションのパフォーマンス要件により、iPod touch 第2世代とiPhone 3G以外の端末に限定されていた。また、インターネット通話、位置情報、オーディオ再生などのAppをバックグラウンドで動作させるマルチタスク機能や、利用者が他のAppに切り替えている間、任意のAppをバックグラウンドで動作させないようにする制限付きの「高速App切り替え」技術が追加された[4]。iOS 4では、システム全体でのスペルチェック機能の追加、iPhone上でのiBooks(現Apple Books)の利用、異なるメールプロバイダーをまとめるメール受信箱の統一、ソーシャルゲームのGame Centerとビデオ通話のFaceTimeなどが導入された[5]。 このiOS 4のアップデートでは、iPhone 3Gデバイスでパフォーマンスとバッテリーの問題が発生し、Appleはこの問題を調査した[6]。しかし、この問題をめぐってはAppleは提訴された[7]。同時期に発売されたiPhone 4のアンテナ問題で、Appleはソフトウェアアップデートで問題を解決しようとしたが、改善されなかった[8]。 新機能・変更点ホーム画面iOS 4では、フォルダの追加により、ホーム画面に表示できるAppの最大数が180個から2,160個に増えた。このフォルダは、AppのApp Storeカテゴリーに応じて自動的に命名される[9]。また、自由に壁紙を設定する機能も追加されたが、iPhone 3GやiPod touch (第2世代)では、アイコンのアニメーションのパフォーマンスが低かったため、この機能は搭載されなかった[3]。 マルチタスクiOS 4では、マルチタスク機能が導入された。ホームボタンをダブルクリックすることで、Appを瞬時に切り替えられた。この機能は、バッテリーの消耗が激しくならないように配慮されていた。マルチタスク機能は、インターネット通話、位置情報、オーディオ再生などのAppに限定されており、同様の「高速App切り替え」技術により、利用者があるAppから別のAppに入っても、元のAppは利用者が戻るまでバックグラウンドで待機している仕組みになっている[10][11]。この機能は、iPhone 3GやiPod touch (第2世代)では、パフォーマンスの問題から搭載されなかった。 スペルチェックiOS 4では、スペルチェック機能が導入され、スペルに間違いのある単語に赤い下線が引かれるようになった。その単語をタップすれば、推奨される代替表現がポップアップで表示される仕様になっている[12]。 カメラカメラAppでは、5倍のデジタルズームでの撮影が可能になった[13]。 iBooks→詳細は「Apple Books」を参照
iOS 4では、iPadではすでに搭載されていたiBooks(現Apple Books)が、iPhoneおよびiPod touchに対応した。最初から同梱はされておらず、App Storeから入手することが可能だった[14]。 メール→詳細は「メール (Apple)」を参照
iOS 4では、メールAppに統合受信機能が搭載され、利用者のすべてのメールアカウントからのメッセージを1つの受信箱にまとめて表示できるようになった[15]。また、MobileMeのメールエイリアスや、ビジネスユーザー向けの複数のExchangeアカウントにも対応した[10]。 Game Center→詳細は「Game Center」を参照
iOS 4.1では、友人を招待してゲームをしたり、リーダーボードでスコアを比較したりできる、オンライン・マルチプレイヤー・ソーシャル・ゲーム・ネットワークのGame Centerという新しいAppが追加された[16][17]。iPhone 3Gは非対応だった[17]。 FaceTime→詳細は「FaceTime」を参照
iOS 4では、端末のカメラを使って他の端末とビデオ通話ができるテレビ電話AppのFaceTimeが導入された[18]。この機能は、iPhone 3G、iPod touch (第2世代)、iPhone 3GS、iPod touch (第3世代)では、前面カメラなどの必要な機能がなかったため、搭載されていなかった。 Safari→詳細は「Safari」を参照
iOS 4のモバイルウェブブラウザであるSafariでは、Google、Yahoo!に加えてBingが新たな検索エンジンとして追加された[19]。iOS 4.2.1からは、ページ内検索機能が追加された[20]。 バージョンiOS 4は、2010年6月7日に開催されたApple Worldwide Developers Conferenceの基調講演で発表された。これまでの「iPhone OS」という名称に代わって、初めて「iOS」という名称が付けられた[1]。 iOS 4は、2010年9月18日に正式にリリースされた[1]。
対応端末iPhone (初代)およびiPod touch (第1世代)は、ハードウェアの制限により、iOS 4へのアップデートは不可となった。これにより、Appleは初めて既存の端末のサポートを打ち切った[10]。
問題パフォーマンスとバッテリーの問題iPhone 3GをiOS 4にアップデートした後、パフォーマンスやバッテリーの問題が報告され、Appleは2010年7月にこの問題の調査を開始した[35]。11月、Appleはこの問題で訴訟を起こされ、「消費者法救済法違反、不公正な商行為、虚偽および欺瞞的広告」との申し立てを受け、さらに、Appleは自社のソフトウェアが旧モデルで問題を引き起こすことを知っていたとの申し立てを受けた。Appleはこの申し立てに回答しなかったが、2010年8月に別の不満を持つ利用者に返信した際、「近日中にアップデートを行う」と記した[36][37][7]。 アラームiOS 4のすべてのバージョンで、時計Appのアラームがサマータイムの場合、1時間早すぎたり遅すぎたりする問題があった[38]。 アンテナ問題発売と同時に、一部のiPhone 4のアンテナに技術的な問題があることが報告された[39]。AppleはiOS 4.0.1でこの問題を解決しようとしたが[40]、改善されなかった[8]。 脚注出典
関連項目外部リンク
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