JR貨物DB500形ディーゼル機関車
DB500形ディーゼル機関車(DB500がたディーゼルきかんしゃ)は、日本貨物鉄道(JR貨物)が2016年(平成28年)から導入している液体式ディーゼル機関車である。制作は北陸重機工業が担当した。 概要JR貨物では大規模な貨物駅には、入替専用機であるHD300形や本線・入替え兼用のDD200形を投入していたが、本形式は小規模な貨物駅での入替専用機として投入された[2]。 北陸重機工業が専用線向けに製造している機械扱いの2軸液体式ディーゼル入替動車(車籍がないいわゆる貨車移動機)をベースとしているが、車両構造や保安装置を法令に適合させた鉄道車両扱いとし[4]、信号機(絶対信号機)や自動列車停止装置を用いて保安度を向上させている。 2024年(令和6年)現在4両が導入されているが[4]、2016年(平成28年)に導入された0番台(1)と、2021年(令和3年)以降に導入された改良型の50番台(51 - 54)の2グループが存在する[3]。 構造0番台と50番台で若干の差異がある。 車体全長7.65mのL型1運転台方式の車体を持ち、1エンド側のボンネット内にエンジン1台を搭載し、2エンド側が運転台となっている。 軸配置はA-Aの2軸である[2]。平坦線において、最大500 tのコンテナ貨車の入れ換え可能な性能を有する[2]。 車体は耐候性鋼板製である[2]。 運転台は自動車同様のペダル方式の主幹制御器と、デスク上にブレーキ弁(手で操作)を有する[2]。2エンド側で通常貨車と連結するため、2エンド側は前面の窓を大きくすることで、連結作業を容易としている[4]。また、運転台は空調装置付きである[4]。 50番台では、前面ステップの幅を縮小(連結時の作業性向上のため)、前照灯をLEDとする改良がなされている[3]。 機器類機関0番台はいすゞ製の直接噴射式エンジン(国交省二次規制相当の排出ガスレベル)を採用している[4]。50番台は機関がボルボ製の燃料電子制御式エンジン(EU3次排ガス規制対応)となり、環境性能向上とともに出力がやや向上している[3][4]。加えて空気圧縮機を機関付属形とすることで、機関ボンネットの小型化を図った[3]。 保安装置0番台では自動列車停止装置(ATS-SF形)及び緊急列車停止装置(EB装置)を装備する[2]。 50番台は、新たに保安装置としてTE装置、防護無線および信号炎管を搭載した[3]。一方で0番台と異なり、ATSは準備工事のみとした[3]。 運用0番台1号機は門司機関区に配置され[5][6]、2016年(平成28年)10月に落成後、各種試験を行い、2017年(平成29年)3月ダイヤ改正より下関駅構内での入換作業に使用されていたDE10形を置き換え、運用されている[2]。 下関駅構内での入換作業自体は操車による誘導で実施しているが、その際に入換信号機(絶対信号機)を用いる場面があることから[5]、貨車移動機ではなく車籍を持つ本形式での置き換えとなった。 50番台3両(51 - 53)製作され、門司機関区に配置の上、2021年(令和3年)から西大分駅・延岡駅で車籍のない貨車移動機に代わって使用を開始している[3]。51, 52号機が西大分駅、53号機が延岡駅で運用されている[7][8]。また、50番台では次世代バイオディーゼル燃料の試験も実施している[4]。 また、2024年12月1日には50番台の第4番目として54号機が山梨県竜王駅に留置されているのが確認されている。 脚注
参考文献
|