Macintosh LC 630
Macintosh LC 630 (Macintosh Quadra 630およびMacintosh Performa 630としても販売)は、Appleによってデザインされ、1994年7月から1995年10月まで販売されたパーソナルコンピュータである。Quadra 610の代替品として導入され、当時Macintoshラインナップの中で最も安価なMacintosh LCシリーズの機種であり、価格は1,199米ドルからであった。 AppleのCPUは、数ヵ月前に発表されたPower MacintoshですでにPowerPCへの移行が始まっていたが、Macintosh LC 630は旧来のモトローラの68040と68LC040チップを中心に構成されたものであった。その理由として、2つのことが挙げられた。1つは、古いチップの方が安価であること、もう1つは、当時はPowerPCに対応した教育用ソフトがほとんどなかったことである。また、既存のPowerPC用ソフトは、まだ英語以外の言語への翻訳がされていなかった。 630はMacintosh Quadraと名付けられた最後の製品であり、以前のQuadra 950の方が長く販売されていた。630のフォームファクタはその数ヶ月前に発売されたPower Macintosh 6200に引き継がれたが、価格は2,300ドルと2倍近くになってしまった。Power Macintosh 4400はAppleの最廉価Power Macintoshだったが、1,725ドルと630より数百ドル高かった。 ハードウェアフォームファクタ:LC 630には、Macintoshシリーズとして新しい筐体デザインを導入された。前面には、Macintosh初のヘッドフォンジャックと音量アップ/ダウンボタンが搭載されていえる。 Performa 637CDおよび638CDモデルに搭載されているTVチューナーカードのリモコン用に赤外線受信機がある。ケースのマザーボードには、ケースの背面下部にあるカバーを開き、マザーボードが取り付けられていた引き出しを引き出してアクセスできる。これはLC 575に似ている。 メモリ:すべての630モデルには、ロジックボードに4MBが直付けされている。ロジックボードには、 SIMMスロットが1つまたは2つある。いずれの場合も、1つ目のSIMMスロットには80nsの非パリティチップが必要で、リフレッシュレートは2k以上で、4、8、16、または32MBのSIMMが機能する[1]。2つ目のスロットは、最大16MBの片面SIMMカードのみをサポートする。したがって、最大メモリは2スロットシステムの場合は52MB、1スロットシステムの場合は36MBとなる[2]。 ハードドライブコントローラ:以前のMacintoshモデルと比較した場合の大きな違いの1つは、内蔵ハードドライブインターフェイスの選択だった。 IBM PC互換プラットフォームの標準に準拠して、SCSIの代わりに安価で低速のIDEドライブが初めて使用された。外部SCSIポートは引き続き使用可能であり、CD-ROMは内部でSCSIを使用していたが、630は、当時のハイエンドMacで使用されていたものよりも古く大幅に遅いコントローラを使用していた[3]。 ビデオ回路:1つのみ外部モニターがDB-15コネクターを介してサポートされる。アップグレード不可能な1MBのDRAMがマザーボードにはんだ付けされている[1]。これにより、16ビットカラーで最大640x480、8ビットカラーで最大832x624の解像度が提供される[4]。24ビットカラーや832x624以上の解像度には、別のビデオカードが必要である。VRAMの代わりにDRAMを使用して、コストを下げられるが、パフォーマンスが低下し、ちらつきの可能性が高くなる[5]。MacWorldは彼らのテストでは、 Quadra630のビデオパフォーマンスを「平凡」と表現した[6]。 CD-ROMドライブ:Apple CD 300i plus搭載。これは、オーディオCDだけでなく656MBおよび748MBのCD-ROMを読み取れる2倍速SCSIドライブだった。 Quadra 610のキャディトレイは、トレイローディングメカニズムに置き換えられている。 リモコン:TV/ビデオシステムを搭載したモデルには、SonyRMC-A1リモコンが付属した。その結果、リモコンはこのMacintoshだけでなく互換性のあるSonyテレビの両方を同時に制御できる[7]。 パフォーマンス:MacWorld Magazineは、Quadraのリリース時のベンチマークによると、パフォーマンスはQuadra 950に近いがQuadra 800よりわずかに遅いとリポートした。 モデルQuadra 630は、ターゲット市場に応じて異なる名前が付けられた。米国のプロフェッショナルおよびビジネス用のMacintosh Quadra 630 、日本市場およびK-12教育市場用のMacintosh LC 630 、消費者および高等教育市場向けのMacintosh Performa 630である。 Performa 630は、含まれているハードウェアとソフトウェアの機能に応じて、わずかに異なるいくつかのモデル番号で販売された。一部のモデルには、Apple Performa PlusDisplayと呼ばれる14インチのシャドウマスクCRTがセット販売されていた。 1994年7月1日発表:
1994年7月18日発表:
1994年11月3日発表:
1995年4月3日発表:
1995年5月1日発表:
1995年7月17日発表:
参考文献
外部リンク |