Macintosh Plus
Macintosh Plus(マッキントッシュ プラス)は、Macintosh 128K、Macintosh 512Kに続きAppleのパーソナルコンピュータMacintoshの3番目のモデルである。1986年1月16日、アメリカ合衆国にて2599ドルで発売された[1]。過去2モデルはRAMのみの増設ができなかったが、SIMMによって4MBまで拡張することが可能になった。初期モデルは過去モデルと同様のベージュ色だったが、1987年にプラチナカラーに変更された[2]。System 7を動かすことができる最古のモデルでもある。 概要外部インターフェースSCSIポートを備えた最初のMacintoshである。これによりサードパーティー製の外付けハードディスクドライブ、CD-ROMドライブなどが利用できるようになった[3]。その後長い間SCSIポートはiMacにて廃されるまでMacintoshの標準増設インターフェースとして用いられ続けた。但しPlusではSCSIの業界標準仕様が定められる前に設計されたものであり、仕様に100%準拠しているわけではない。SCSIポートのスペース確保のために、本体背面のシリアルポート(モデム/プリンタ)がD-SUBからミニDINコネクタに変更されている。 キーボードやマウスは旧機種と共通のインターフェースを備えていた。本機の標準キーボードよりカーソルキーとテンキーが備え付けられた。ADBが導入されるのは後継機種のMacintosh SEからである。 シリアルポート経由にて800KBタイプの外付けフロッピーディスクドライブや、旧機種向けに作られたハードディスクドライブを接続することもできた。 内蔵デバイス本体内蔵フロッピーディスクドライブは3.5インチ両面800KBのタイプが採用された。後方互換性も確保されており、旧機種にて用いられていた400KBのフロッピーディスクの読み書きもサポートされた。 ディスプレイは旧機種と同様、9インチ、72ppi、512×342ピクセルのモノクロCRTが内蔵されていた。外付けディスプレイには対応していない。 RAM旧機種においてはメインRAM(DRAM)がロジックボードに直付けされていて増設は困難だったが、本機においてはSIMMの採用により増設することができた。30ピンSIMMは最大16MBをサポートすることができるが、本機は22本のアドレスラインしか配線されていなかったため、最大では4MBとなる。 OSシステムは3.0となった。ロジックボードには旧機種の倍となる128KBのシステムROMが取り付けられ、これによりHFS、SCSIなどの新たな要素がサポートされた。 その他Macintosh 512Kと同じように、旧機種からのアップグレードキットも提供されていた。作業はAppleの技術者によって行われた。ロジックボードと本体背面のケース(インターフェース類が異なるため)は交換されるが、前面のパネルはそのまま残すことができた。 旧機種同様、冷却ファンは省かれて、動作不良や故障の原因となっていた。特にRAMを4MBに増設した際には放熱が不十分になりがちで、そのため、サードパーティーより冷却ファンが発売されていて、それを取り付けるユーザーが多かった[4]。ハードディスクや拡張スロットを内蔵したMacintosh SEにてようやく冷却ファンが備え付けられた。 日本向け仕様当時の日本におけるApple社の代理店であったキヤノン販売によって、Macintosh 512KにJIS第1水準相当の3304字のフォントパターンを収録した漢字ROMとしてのデータを含む256KBのROMを搭載した[5]日本専用のローカライズモデルが用意され、「DynaMac」というキヤノン販売独自の愛称(正式なモデル名ではなく、あくまでもセールス用の名称である)で発売されたが、これはOSレベルで日本語をサポートする漢字Talk登場以前の暫定的なモデルだった[要検証 ]。 また、Macintoshで日本語を使用したいという要望に応えて、当時のMacintoshの標準英語フォントであった「Chicago」に似せた独自の日本語フォントを搭載し、英語システム上で2バイト文字の扱いを可能にする、「JAM / Sweet JAM」というフロントエンドプロセッサがサードパーティーの手によって開発され、漢字Talk登場後も一部の愛好家に支持されていた。 その後、1MBのRAMを標準で搭載したMacintosh Plusの登場によって、日本で販売されるモデルにはOSとして日本語をサポートする漢字Talkが用意された[5]。また、後期モデルからは標準RAMは2MBとなった。[要検証 ] 関連項目出典
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