Raspberry Pi OS
Raspberry Pi OS(ラズベリー パイ オーエス)は、Raspberry Pi財団が公式にサポートしている、Raspberry Piの標準オペレーティングシステム(OS)である。 概説現在Raspberry Pi上で動かすことができるOSは多数あるが、Raspberry Pi OSはRaspberry Pi財団が公式にサポートしているOSであり、Raspberry Pi用の最も標準的なOSである。現在もメンテナンスが続けられている、現行のOSである。 2013年以来、Raspberry Pi財団によってRaspberry Pi用の主要なOSとして提供されてきた [4][5]。 Debianがベースになっている。当OSのバージョンの区別の方法については、Debianにはバージョン番号が存在するがRaspberry Pi OSにはバージョン番号が存在しないので、リリース日とカーネルバージョンで識別する。 Pythonがあらかじめ標準でインストールされている。 付属ソフトChromium、VNC、GIMP、nginx、Blender、Tesseract OCR、Sonic Pi、Scratchなどを同梱している。これ以外のソフトも、Debianに対応したソフトなら、インターネットにつないだ状態でターミナル画面で「apt install」とコマンドを打ち込むだけで、簡単にインストールできる。 2019年6月20日には、「Raspberry Pi OS with desktop and recommended software」、「Raspberry Pi OS with desktop」と「Raspberry Pi OS Lite」が提供された(次の節で解説)。 さまざまなバージョンRaspberry Pi OS with desktop and recommended softwareRaspberry Pi財団が推奨するソフトウェア一式が入ったバージョンが提供されることになった。 Raspberry Pi OS with desktopGUIのX Window Systemをはじめ、ブラウザやワープロ、表計算、プレゼンテーションなど事務用の必要最小限のソフトウェア(オフィススイート)も同梱している。OSパッケージは4GB以上になり、8GB以上のSDが必要である。 Raspberry Pi OS Lite軽量版つまり少ないメモリの量でインストールできる版。そのかわりGUIは使えず、コマンドラインで利用する。つまりGUIのX-Windowも最初から無いRaspberry Pi OSであり、概説で説明した「同梱ソフト」類も入っていない。コマンドには、Linux Standard Baseで参照しているコマンド[6]、Debian固有のコマンド(apt-get)、Raspberry Pi OS固有のコマンド (raspi-config)などがある[7]。これらのコマンドはDesktopでも利用できる。 Raspberry Pi OS DesktopPCとMac向け 歴史Raspberry Pi OSはマイク・トンプソンやピーター・グリーンによって、Debianを非公式に移植する形で、最初のバージョン「Raspbian」が開発された[8] 。最初のビルドの公開は2012年7月15日に行われた[9]。特徴やDebianからの改良点は、Raspberry Piに搭載されているARM CPUの浮動小数点演算命令を高速で実行させる「hard-float[注釈 1]」の機能を足したこと、および他にもこのCPUの高機能命令群を活用することによってパフォーマンスを向上させていることである[10]。 2020年5月に正式名称が「Raspbian」からRaspberry Pi OSへ変更された[11]。PCとMac向けのRaspbianの名称についても「Raspberry Pi Desktop」へと変更された。 導入方法複数の方法がある。
関連する配布版
脚注注釈
出典
外部リンクウィキメディア・コモンズには、Raspberry Pi OSに関するカテゴリがあります。 |