UNIXドメインソケットUNIXドメインソケット(英: UNIX domain socket)は単一マシン上の高効率なプロセス間通信に用いられる機能・インタフェースの一種である[1]。 プロセス間通信 (Inter-Process Communication: IPC) は一般的に名前付きパイプやBSDソケットを利用したTCP通信などで実現できる。UNIXドメインソケットはBSDソケットの一種であり、単一マシン上でのプロセス間通信を目的としている。ソケット通信がもつ双方性・プロセスfork不要といった特徴を備えつつ、単一マシン上の通信である(=インターネットを介さない)ことを生かした高効率な通信を可能にしている。 UNIXドメインソケットは、アドレス・名前空間としてファイルシステムを使用している。これらは、ファイルシステム内のinodeとしてプロセスから参照される。これは、2つのプロセスが通信するために、同じソケットを開くことができる。しかし、コミュニケーションは、完全にオペレーティングシステムのカーネル内で発生する。データを送ることに加えて、プロセスは、 POSIXはBSDソケットとしてUNIXドメインソケットインタフェースを提供している。BSDソケットの Go言語(の実行環境)では、Microsoft Windows上でもUNIXドメインソケットを使ったプログラムを動かすことができる。 特殊なUNIXドメインソケットとして、 利用方法C言語
Java以下のライブラリなどで利用可能。 また、JEP380によりJava 16より AndroidAndroid SDKに、Java/Kotlinから利用できる Mono
PHPURL を unix:// もしくは udg:// で始めることで利用可能。 ソースコード例サーバC99 でのサーバ側のソースコード例は以下の通り。 #include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <unistd.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include <sys/un.h>
int main(void)
{
// サーバーソケット作成
int sock = socket(AF_UNIX, SOCK_STREAM, 0);
if (sock == -1)
{
perror("socket");
return 1;
}
// struct sockaddr_un 作成
struct sockaddr_un sa = {0};
sa.sun_family = AF_UNIX;
strcpy(sa.sun_path, "/tmp/unix-domain-socket");
// 既に同一ファイルが存在していたら削除
remove(sa.sun_path);
// バインド
if (bind(sock, (struct sockaddr*) &sa, sizeof(struct sockaddr_un)) == -1)
{
perror("bind");
goto bail;
}
// リッスン
if (listen(sock, 128) == -1)
{
perror("listen");
goto bail;
}
while (1)
{
// クライアントの接続を待つ
int fd = accept(sock, NULL, NULL);
if (fd == -1)
{
perror("accept");
goto bail;
}
// 受信
char buffer[4096];
int recv_size = read(fd, buffer, sizeof(buffer) - 1);
if (recv_size == -1)
{
perror("read");
close(fd);
goto bail;
}
// 受信内容を表示
buffer[recv_size] = '\0';
printf("message: %s\n", buffer);
// ソケットのクローズ
if (close(fd) == -1)
{
perror("close");
goto bail;
}
}
bail:
// エラーが発生した場合の処理
close(sock);
return 1;
}
クライアントC99 でのクライアント側のソースコード例は以下の通り。 #include <stdio.h>
#include <string.h>
#include <unistd.h>
#include <sys/types.h>
#include <sys/socket.h>
#include <sys/un.h>
#define MESSAGE "Hello World!"
int main(void)
{
// ソケット作成
int sock = socket(AF_UNIX, SOCK_STREAM, 0);
if (sock == -1)
{
perror("socket");
return 1;
}
// struct sockaddr_un 作成
struct sockaddr_un sa = {0};
sa.sun_family = AF_UNIX;
strcpy(sa.sun_path, "/tmp/unix-domain-socket");
// 接続
if (connect(sock, (struct sockaddr*) &sa, sizeof(struct sockaddr_un)) == -1)
{
perror("connect");
goto bail;
}
// 送信
if (write(sock, MESSAGE, strlen(MESSAGE)) == -1)
{
perror("write");
goto bail;
}
// クローズ
close(sock);
return 0;
bail:
// エラーが発生した場合の処理
close(sock);
return 1;
}
実装LinuxLinuxカーネルにBSDソケット 内部実装LinuxにおけるUNIXドメインソケットは、バッファ(メモリ)への書き込みと読み込みという非常にシンプルな仕組みで実装されている。 Linuxカーネルの UNIXドメインソケットは単一マシン上のIPCが前提である。ゆえにTCPのようなプロトコルスイートは不要であり、プロトコルの重層が生むデータの入れ子構造を持たない。またネットワークに由来するパケットロスや到達順序保証の対応も必要ないため、バッファのread/writeというシンプルな仕組みで実装されている。結果として高効率なIPCが可能となっている。 脚注関連項目外部リンク
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