王立化学会(おうりつかがくかい、英: Royal Society of Chemistry、略称: RSC)は、化学の推進を目的としたイギリスの学術機関(専門機関)である。1980年に、イギリス王室の新しい勅許により、化学会 (Chemical Society)(英語版)、王立化学協会 (Royal Institute of Chemistry)(英語版)、ファラデー協会 (Faraday Society)(英語版)、および分析化学会 (Society for Analytical Chemistry)(英語版)が合併し、学術機関および専門機関という2つの役割を持って設立された。設立時の会員数は国内3万4千人、国外8千人であった[2]。
「FRSC」は会のフェローの中から、化学や生物化学など他の分野への顕著な貢献があったグループに対して授与される。会のフェローの名前は毎年タイムズ誌で公表される。アナラリー・フェローシップ・オブ・ザ・ソサイアティー (Honorary Fellowship of the Society、名誉フェロー、HonFRSC)(英語版) の称号は、化学分野で特に際立った貢献をした者に対し授与される。
MChemA、Mastership in Chemical Analysis - 王立化学会はパブリック・アナリスト (Public Analyst、イギリスとアイルランドにおいて、法律に準拠したテストに基づき、食品の安全性と正確性を確保することを職務とする科学者) としての実習のためのイギリスの法定資格としてこの称号を大学院生に対して授与する[6]。
GRSC、Graduate of the Royal Society of Chemistry - 化学の学位に相当するものとして1981年から1995年まで授与された。これは王立化学協会 (Royal Institute of Chemistry)(英語版) が授与していた「GRIC」の後を継いだものである。
ハリソン・メルドラ記念賞 (Harrison-Meldola Memorial Prizes)(英語版) - 2008年に「メルドラメダル賞」(Meldola Medal and Prize)(英語版) と「エドワード・ハリソン記念賞」(Edward Harrison Memorial Prize)(英語版) を併せて始まったもので、ラファエル・メルドラ (Raphael Meldola、1849-1915)(英語版) とエドワード・ハリソン (Edward Harrison、1869–1918)(英語版)を記念して創設されたものである。35歳以下の化学者による最も称賛に値し将来有望であると考えられる独自の調査に対して授与される[9]。
慈善事業
王立化学会は基金により金融支援やボランティアの支援、助言や指導を通じて会員やその家族の困難な時期の支援を行っている。この制度のスタートは第一次世界大戦で亡くなったメンバーに対する化学協会 (Institute of Chemistry)(後の王立化学協会)の支援体制が確立した1920年にさかのぼる[10]。
紋章
王立化学会は独自の紋章を持っている。2種類の紋章があり、一つはライオンとユニコーンが描かれており、ラテン語の標題「Pro scientia et humanitate」(知識のために、人類の利益のために)が記されている。もう一つは簡易版で王立化学協会の紋章と同様、中央に盾だけを配したものである。