めがみめぐり
『めがみめぐり』は、カプコンより2016年12月8日にニンテンドーeショップにてダウンロード配信されたニンテンドー3DS用ゲームソフト。コレクターズ・パッケージも同時に発売された。配信は日本国内のみ。 概要交通系ICカードに宿ったツクモガミ"ツクモ"が日本全国を巡り、現代風にアレンジされた日本神話の神々と共に"めがみ"になるための試験を重ねて一人前の"めがみ"を目指す様子を描いたゲーム。本作のフィールドはすごろくになっており、すごろくのマス目の位置は日本全国の実在の駅が基になっている。 行く先々でステータスを上げつつ、先輩めがみたちからの試験「神格試験」を合格することでストーリーが進行してゆく。 ニンテンドーeショップから無料でダウンロードできるが、様々なグッズが詰め合わされた「コレクターズ・パッケージ」「コンプリート・エディション」が同時発売している。 2020年9月30日9時59分をもって配信およびオンラインサービスを終了した。本編は通常通り遊ぶことができるが、追加データの購入やチェックインができなくなる。 イントロダクション
電車に乗っていた“ヌシ(プレイヤー)”は、深い眠りの中で何者かの声を聞き、目覚めると雲の上にいた。 そこに現れたのは大めがみ、アマテラスオオミカミ。 彼女の話によると、“ヌシ”が愛用している交通系ICカードから生まれたツクモガミには、「誰かを明るく照らせる『お日様みたいな』立派な神さまになりたい」という願いがあるという。 この願いに、お日様(太陽神)として興味を持ったアマテラスは、ツクモガミを一人前の『めがみ』に育てるよう、“ヌシ”に神託を授ける。 とはいえ、まだ生まれて間もないツクモガミの姿は人からは程遠かった[注 1]が、“ヌシ”の名前を知ることで15cmほどの少女の姿を得る。 そして、ヌシと自分の名前以外は人間の言葉も殆ど話せなかったが、これはアマテラスから借りた勾玉で会話する力を得ることが出来た。 その後、アマテラスから、一人前のめがみになるには、“ヌシ“と会話してめがみに必要な素質を養い、めがみの個性・才能である《神格》を伸ばす必要があると説明を受け、ようやく地上(電車の中)に戻ってくる。 かくして、“ヌシ”とツクモガミの、全国各地の先輩めがみとの出会いと試練を経て「一人前のめがみを目指す」旅が始まったのだった。 ゲームシステムまず最初に天界で名前の登録等を行い、最初の神格試験を受けることで(いわゆるチュートリアル)、ゲームがスタートする。名前はプレイヤー、ツクモともカタカナしか登録できない。ゲーム内通貨には「おさい銭」と課金でしか手に入らない「宝玉」、イベント専用の「神通銭」がある。すごろくのサイコロは制限なく振れるが、一気に遠くへ行きたい場合は「おさい銭(一千枚で各都道府県のメイン駅)」か「宝玉(1個で直接駅を指定)」を使うことでワープが可能。「おさい銭」50枚を消費するとサイコロの目を指定できるため、イベントに参加するには重要。 ツクモの能力を強化できる神衣(しんい)の入手方法は「つづら」「高級つづら」「ごほうびつづら」の三種類で、どれも9つのつづらの中から選択する。つづらの中身は事前に確認できるが、どれを入手できるかは完全にランダムである。 「つづら」はすごろくマスに置かれており、1回無料でアクセサリーを入手できる。「高級つづら」はおさい銭(一万枚)か宝玉を支払うことで服を入手できる。「ごほうびつづら」はもののけ討伐イベントで出現する特殊なもののけを倒した時、一定確率で(最も強い、金のもののけがしらは必ず)落とす。アクセサリーに混じってイベント限定の服が入っており、つづら同様、1回は無料。どのつづらも、追加で宝玉を支払えばより多くの神衣を入手できる。 "ツクモ"には5種のステータス「こんじょう」「つよさ」「かしこさ」「やさしさ」「うつくしさ」があり、さくらグラフ(桜の花弁を模したグラフ)で表示される。ステータスはミニゲーム・会話・おしごと(クエスト)・料理・神衣(着替え)によって上昇する。シンボルが置かれている駅では、そのシンボルに合ったイベントが発生する一方、シンボルのない駅では"ツクモ"との会話が発生する(駅名のない小さなコマでは発生しない)。 "ツクモ"と会話するイベントでは、プレイヤーがツクモに様々な言葉を教えることができ、ツクモはプレイヤーの教えた言葉を使った会話をする。ツクモの音声は伊藤彩沙の声をもとに合成されたものであり[1]、プレイヤーは「めがみスピークエンジン」[2][3]というシステムを用いてツクモの覚える言葉のイントネーションを変更することができる。この「めがみスピークエンジン」には東芝デジタルソリューションズの「RECAIUS ToSpeak」が利用されている。 たとえば、「いちご」という単語の場合、プレイヤーは「い」「ち」「ご」のいずれかを強調するように発音させることができる。また、プレイヤーはツクモに教えさせる言葉の読み仮名を設定することができ、この場合もイントネーションを設定することが可能である。 また、実際の交通系ICカードを3DSに読み取らせ、駅の利用履歴や決済履歴を基にした会話をしたり、利用先のご当地限定神衣や食材を入手することも可能[注 2]で、更に開催期間内に特定の駅や施設を訪れれば限定アイテムが入手できるタイアップキャンペーンも実施された。この連動機能は2018年9月30日を最後にサービスを終了した[4]。 ミニゲームには直接ステータスが上がる3種類のゲームと、もののけを退治することによって報酬が貰えるゲームがある。 料理ツクモに料理を食べさせることができる。料理は食材マスで手に入る食材を使って調理する。全体的に多くの食材を必要とする料理ほど能力が上がりやすい。「ご当地料理」は食材一つで調理可能なうえ、二つの能力を同時に上げることができる。 ミニゲーム
難易度は「らくらく」「そこそこ」「きつきつ」の順で上がっていき、ツクモの成長にあわせて高い難易度が出やすくなる。 リザルトは最高の「松」から「竹」「梅」「草」と四種類あり、高い評価ほど能力がたくさん上昇する。ただし、最低の「草」では+1で固定。 もののけ駅の中には「もののけ」という敵キャラクターがいることもある。もののけのいる駅に止まると戦いになり、もののけを倒すと報酬(おさい銭と食材)が手に入る。もののけにはじゃんけん属性があり(鞠=グー、鋏=チョキ、団扇=パー)、神衣の効果や属性で有利不利が変わる。負けても宝玉を使えばさらに攻撃できる。また、期間限定イベントではイベント限定の強敵「もののけがしら」が現れる。戦闘では言葉を使った問題が出題され、クリアするとツクモがもののけに攻撃する。もののけの体力をなくせば勝利。強さは普通のもののけは数字が大きいほど強く、もののけがしらは鬼>松>竹>梅の順に強い。 もののけ退治での問題全て制限時間は30秒。
神格試験神格試験は「お供え物マスに止まる」と「金色絵馬のおしごと3回」[5][注 3]をこなした後に「めがみのいるマス」に止まると受験可能。試験では5種のステータスがそれぞれ評価され(その際に応援で合計8回まで補佐が可能)、全分野合計で250点(21段以上は300点)を越えれば合格。 また、神格試験の中には特定の能力が150点満点で評価される「傾斜配点」があるものもある。傾斜配点がある場合、事前にその能力のステータスを高めると有利になる。 神格試験の内容
応援1回の試験で8回までツクモを応援できる。問題は下画面のフスマを開けてから5秒以内に5×4のマスの中に隠れているツクモに教えた言葉を探し出す、もののけ退治の「たてよこコトバサーチ」の簡易版。答えは「みつけるコトバ」として表示されている。「カレーライス」のような6文字以上の長い言葉は出てこない。 めがみ詣大型アップデートで登場した新モード。10段以上で解禁され、おさい銭や宝玉を投資して報酬を手に入れることができる。条件を満たすとなかなか駅に止まれなかった時に食材がもらえたり、後述のスペシャルアクセを入手できる。限界まで投資するとタイトルコールが投資したキャラクターになることもある。 イベントインターネットに接続してチェックインすることによって一日一回おさい銭(300枚)が手に入る他、様々なイベントに参加可能。イベントでは季節に合わせた神衣が高級つづらの中に一定期間入ったり、期間限定の試練(特定地域に大量発生する特殊なもののけを退治するなど)に挑むことができる。 2017年2月10日に大型アップデートで機能が追加 された。 登場人物主要人物
七柱のめがみ神格試験に協力する先輩めがみ。それぞれが神格(才能・得意分野)をもつ。条件を満たすとツクモにスペシャル神衣を授ける。()内は愛称。
ムナカタ三女神(ムナカタさんじょしん)ver 2.0.0以降にて50段達成後に登場する海原の三姉妹めがみ。完全体となったツクモがさらなる高みを目指すための協力者であり、七柱のめがみやアマテラスと同じくスペシャル神衣を持っている。「ダンサー」という共通点を持っており、アマテラスはこれを「海外の文化と接触する機会が多いため、そこから現代に合わせた結果」だろうと推測している。
神衣について神衣はそれぞれに「ご利益」という追加効果と能力上昇幅が設定されている。神衣は「服」「頭」「アクセ」の3つのパーツがある。 スペシャル神衣条件を満たすと七柱のめがみやアマテラスの持つ神衣「スペシャル神衣」が手に入る[注 7]。 スペシャル神衣は3つのパーツ全てに存在し、対応する神衣パーツを揃えると完成する。アクセ以外はストーリーで一定の段位に達すると必ず手に入る。
課金・イベント限定神衣イベント限定のレア物や課金でしか手に入らない神衣はさらに強力なものが多く、中でも課金限定の「青春セーラー服」はスペシャルアクセを含む「導き」の神衣で全身コーデした時と同じ「こんじょう」250を服だけで手に入れることができ、これを全身コーデすれば「占い」のスペシャルアクセと同じご利益も得ることができる。また、もののけ討伐イベントで入手できるイベント神衣は特定のもののけをより容易に倒せるようになる。 関連CDすべてブシロードミュージックよりリリース。
Webラジオ『めがみめぐりのらじおめぐり』のタイトルで、2016年9月19日から2017年12月18日までHiBiKi Radio Stationにて配信された。毎月第1・第3月曜日に更新していた。2016年11月21日までは毎月第3月曜日に更新されていた。パーソナリティは伊藤彩沙(ツクモ 役)、尾崎由香(アマテラスオオミカミ 役)、ツクモ(音声合成声優ツクモ、下記参照)。[6] 音声合成声優ツクモ「めがみスピークエンジン」を活用し、ツクモを“音声合成声優”として、『めがみめぐり』の枠を飛び出して活動していくことを2017年2月9日に発表[7]。ツクモの声の元である伊藤彩沙の所属事務所である響所属だった。 しかし、所属事務所とその関連会社での下記の仕事以外、目立った活動の機会は無いまま、10ヶ月後の2017年12月7日付で“事務所退所”[8]となった。 出演
小説『めがみめぐり ツクモと聖地と七柱のめがみ』のタイトルで、ファミ通文庫にて2017年3月30日に櫂末高彰による小説が刊行された。 漫画『めがみめぐりの4コマめぐり』のタイトルで、月刊ブシロード2017年7月号 - 2018年1月号にて巻々廻による漫画が連載された。 脚注注釈
出典
関連項目外部リンク
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