アラム文字
アラム文字(アラムもじ)は、かつての中東の国際語(リンガ・フランカ)であった古代アラム語(Old Aramaic、Official Aramaic、Middle Aramaic、Late Aramaicなどのアラム語に属すen:Neo-Aramaic languagesの祖語)の文字。中東系文字の大部分は、この文字から派生した。フェニキア文字と密接な関係がある。 概要アラム文字は、ユーフラテス川上流からシリア地域にかけて定住し、地域の交易を担ってきたアラム人によって、近隣地域で用いられていたフェニキア文字を転用する形で生み出された。新アッシリア・新バビロニア・アケメネス朝ペルシャなどの帝国が地域の覇権を握った時代に、領内にアラム人・アラム語と共に広がり、かつてのメソポタミア・バビロニア地方にて使われていた楔形文字から代替されると急速に普及した。また、古代ユダヤ人が使用していた古ヘブライ文字は、アラム文字に代替されたが、アラム文字からは現ヘブライ文字が生み出されている。 アラム文字は時代・地域によって非常に多くの字形があり、アラム文字から派生した他の言語の文字も非常に多い。ペルシア帝国時代に行政言語としてエジプトからアフガニスタン・中央アジア、インドまで広範囲に渡って普及し、紀元前後にはアラム語の諸方言のみならずパルティア語やソグド語などの中期イラン語の表記にもメソポタミア地方で使用されていたアラム文字が用いられた。 一覧
アラム文字から派生した文字アラム語はアケメネス朝の公用語であり、アケメネス朝の継承者を自称したパルティアでもアラム語を採用した。このため、非常に多くの言語でアラム文字そのものか、アラム文字に由来する文字体系が使われるようになった。 セム系の言語の表記に使われたものではヘブライ文字、パルミラ文字、ナバテア文字、マンダ文字、シリア文字、アラビア文字がある。 イラン語派の言語の表記にもアラム文字やシリア文字、およびアラム文字系統のパフラヴィー文字、アヴェスター文字、ソグド文字が使われた。ソグド文字からはまたウイグル文字、モンゴル文字、満州文字が派生した。 突厥文字もアラム文字系統である可能性が高い。 インドのカローシュティー文字はアラム文字の系統であるが、アブギダに変化している。ブラーフミー文字についてもアラム文字由来説がある。 UnicodeUnicode では、以下の領域に次の文字が収録されている。
参考文献
外部リンク
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