ウクライナの地方行政区画ウクライナの地方行政区画(ウクライナのちほうぎょうせいくかく)は、24の州(область、オーブラスチ)、1つの自治共和国(автономна республіка、アウトノームナ・レスプーブリカ)と2つの特別市(місто зі спеціальним статусом、ミースト・ズィ・スペツィアーリヌィム・スタートゥソム)に区画されている。 また、オーブラスチはラヨン(райо́н、地区)、フロマーダ(громада、領域共同体)、ミィスト(Місто、市)、セロ(Село、村)に細分されており、さらにソビエト連邦時代の都市設計によって生み出された都市型集落(селище міського типу、セリースィツェ・ミスィコホ・ティプォ)が存在している[1]。 2015年以降、政府は地方分権を進めるため行政区画の改革を行っている(ウクライナの地方分権化)。 特に2020年7月に行われたヴェルホーヴナ・ラーダ(ウクライナ最高議会、立法府)主導の立法による行政区画改革は、地方自治体の財政基盤を築き、非中央集権化(地方分権)を促すとして、大幅なラヨンの統廃合が行われた[2][3][4]。また同時に州内重要都市は廃止され、市町村はラヨン、そしてその下位行政区画フロマーダに属することとなった[5][注釈 1]。 ウクライナの地方行政区画
主要都市→詳細は「ウクライナの都市の一覧」を参照
2014年→「2014年ウクライナ騒乱」および「2014年クリミア危機」も参照
2014年、ウクライナ騒乱が発生した。その騒乱の最中の3月17日、クリミア半島に位置するクリミア自治共和国とセヴァストポリ特別市は住民投票を実施した上で、独立宣言を行った。隣国ロシア連邦はこれを承認し、翌日の3月18日に、自国に編入した。(クリミア自治共和国はクリミア共和国、セヴァストポリ特別市はセヴァストポリ連邦市として現在もロシア連邦に組み込まれている。) また、ロシア系住民が多いウクライナ東部(ドネツィク州、ハルキウ州、ルハーンシク州辺り)でも、ロシア系住民が州庁を占拠、ドネツク人民共和国やハリコフ人民共和国、ルガンスク人民共和国[注釈 2]の建国を宣言した。このうちハリコフ人民共和国は建国宣言の翌日にウクライナ側によって鎮圧されたが、現在、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国はドネツィク州・ルハーンシク州の大半を支配下に置き、5月14日にノヴォロシア人民共和国連邦の建国を宣言。ウクライナ軍と衝突している。 今回の一連の事件では、ロシアとウクライナの対立が表面化し、ロシア系住民が多い地域の治安悪化などにも繋がる結果ともなった。なお、ロシアのクリミア編入や、東部での建国宣言は、ウクライナ政府や欧米など国際社会において認められていない。 ラヨン→「ウクライナの地区」を参照
州の下位区分として136つのラヨン(訳語は郡または地区)が設置されている。2020年7月17日、ヴェルホーヴナ・ラーダ(ウクライナ最高議会)はラヨン再編案を可決し、従来の490つのラヨンは統合・廃止された[4]。 136の新ラヨンのうち、2020年7月時点でドネツィク州の3ラヨンとルハンシク州の4ラヨンは一時的に親露分離派に実権支配を受けている地域に属しており、更に10ラヨンがロシアに占領されているクリミア自治共和国に属している[4]。 また、ラヨンと同等の州内重要都市が187つ(2018年時点)[7]存在したが、2020年の再編の際に廃止された[8]。 関連項目
脚注注釈出典
外部リンク |