カルロス・エドゥアルド・ゴンザレス(Carlos Eduardo González, 1985年10月17日 - )は、ベネズエラのスリア州マラカイボ出身の元プロ野球選手(外野手)。左投左打。愛称は名前を短縮したカーゴ(CarGo)[1]。
経歴
プロ入りとダイヤモンドバックス傘下時代
2002年8月3日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約し、プロ入りを果たした。
2003年にプロデビューを果たした。
2005年はA級サウスベンド・シルバーホークス(英語版)で打率.307、18本塁打、92打点を記録し、ミッドウェストリーグの最優秀選手に選出された[2]。
2006年と2007年には2年連続でオールスター・フューチャーズゲームに選出された。
アスレチックス時代
2007年12月14日にダン・ヘイレン、コナー・ロバートソン(英語版)とのトレードで、アーロン・カニンガム、クリス・カーター、デイナ・イブランド、グレッグ・スミス(英語版)と共にオークランド・アスレチックスへ移籍した。
2008年は開幕をAAA級サクラメント・リバーキャッツで迎えた。5月30日にメジャー昇格を果たし[3]、同日メジャーデビュー。デビュー戦では2二塁打を記録し、メジャー初安打から7安打連続で長打を記録。この連続長打記録は、メジャー史上1936年のジョニー・マイズ以来となった[4]。メジャーでは85試合の出場で、打率.242、4本塁打、26打点の成績で終え、マイナーではパシフィックコーストリーグのポストシーズン最優秀選手に選出された[5]。
ロッキーズ時代
2008年11月12日にマット・ホリデイとのトレードで、ヒューストン・ストリート、グレッグ・スミスらと共にコロラド・ロッキーズへ移籍した[5]。
2009年6月5日にAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスからメジャーへ昇格。昇格時点で打率.339、10本塁打、59打点を記録し、打点はマイナーリーグ最高だった[6]。メジャーでは打率が2割前後で推移し、前半戦終了時に当時のGMのダン・オダウド(英語版)は当時の監督のジム・トレーシーにゴンザレスをマイナー降格させる意向であることを伝えたが、トレーシーはゴンザレスをメジャーで起用し続けた[7]。そして、後半戦は打率.320、12本塁打、24打点を記録した[8]。
2010年は、年間通じてメジャーリーグでプレー。本拠地で打率.380[9]、7月31日の試合ではサイクル安打を記録するなど好調を維持。最終的に打率.336・34本塁打・117打点・26盗塁という打撃成績を記録し、自身初の首位打者のタイトルを獲得した。また、本塁打はリーグ4位、打点はリーグ2位であり、セントルイス・カージナルスのアルバート・プホルス(打率リーグ6位・本塁打リーグ1位・打点リーグ1位)、シンシナティ・レッズのジョーイ・ボット(打率リーグ2位・本塁打リーグ3位・打点リーグ3位)と共にシーズン終盤まで三冠王争いを繰り広げた。また、シーズンMVP投票では3位にランクインし、選手間で選ぶプレイヤーズ・チョイスでは、2010年度のMVPに選出された[9]。ま自身初となる「3割、30本塁打、100打点」を達成し、ゴールドグラブ賞とシルバースラッガー賞を同時に受賞した。
2011年、前年に引き続き外野3ポジションをまんべんなく守り、127試合に出場。前年に記録した打率.300、30本塁打、100打点のラインには届かなかったものの、打率.295・26本塁打・92打点・OPS0.889・20盗塁という好成績を記録。2年連続で、「20本塁打・20盗塁」の同時達成をクリアした。守備面では左翼手で61試合、右翼手で34試合、中堅手で30試合に守りに就いた。全ポジションでDRSは平均以上 (+) を記録した。
2012年はそれまでのシーズンとは異なり左翼に定着した。自身初となるオールスターゲームに選出された。最終的に135試合に出場し、2年ぶりの3割超えとなる打率.303、22本塁打、85打点・OPS0.881・20盗塁という成績を残した。「20本塁打・20盗塁」を3年連続で同時達成した。守備面では、2010年以来2年ぶりのゴールドグラブ賞を受賞したが、数字は守備率.982(4失策)、DRS-13と芳しくない内容だった。
2013年はシーズン開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のベネズエラ代表に選出された[10]。
シーズンでは右手中指の負傷の影響[11]もあり、出場試合数は前年を下回る110試合に留まり、規定打席にも届かなかったが、2年連続で3割超えとなる打率.302・26本塁打・70打点・OPS0.958・21盗塁という好成績をマーク。OPSと盗塁は自己2位、本塁打は自己2位タイ、4年連続での「20本塁打・20盗塁」を記録するなど、好調を維持した。守備でも前年とは打って変わって好調を維持し、DRS+10を記録して2年連続・3度目のゴールドグラブ賞を受賞した。
2014年1月10日に腹部に痛みを生じて急性虫垂炎の切除手術を受けた[11]。この年は故障で長期離脱し、メジャーデビュー以来自己最低の70試合出場に留まった。それに伴い成績も大幅に低下し、打率.238・11本塁打・38打点・3盗塁という内容に終わった。守備では、2012 - 2013年の2年間は左翼しか守らなかったが、3年ぶりに右翼の守備にも就いた。
2015年は故障に苦しんだ昨年から一転して自己最多の153試合に出場を果たし、3年振りに規定打席をクリア。打率.271・40本塁打(リーグ3位)、97打点(同7位)の成績を記録した。本塁打を自身初の40本の大台に乗せ、チームメイトのノーラン・アレナドと40本塁打コンビを形成した。そのうち35本を右投手から荒稼ぎするなど右腕相手には滅法強かったものの、左投手相手には打率1割台と苦戦した。また以前は規定打席に到達した年はコンスタントに20盗塁以上を決めていたが、同年は失敗こそ無かったものの2盗塁に留まった。
2016年オフの12月5日に第4回WBCのベネズエラ代表に選出され、2大会連続2度目の選出を果たした[12]。
2017年はシーズン開幕前に選出されていた第4回WBCに参加。この年は打率.262、14本塁打と成績を落としてしまったが、シーズン前半は睡眠障害に悩まされていたという[13]。オフの11月2日にFAとなった[14]。
2018年3月12日、ロッキーズと単年500万ドル+出来高(出来高の条件を満たした場合、最大で800万ドル)で再契約した[15][16]。オフに再びFAとなった。
インディアンス時代
2019年3月16日にクリーブランド・インディアンスとマイナー契約を結んだ。メジャーロースター入りする場合は、年俸200万ドルのメジャー契約となる[17]。開幕は傘下のAAA級コロンバス・クリッパーズで迎えた。4月14日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[18]。しかし、30試合で打率.210、2本塁打、7打点と振るわず、5月22日にDFAとなり[19]、26日にFAとなった[20]。
カブス時代
2019年5月30日にシカゴ・カブスとマイナー契約を結んだ[21]。6月3日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした[22]。6月29日にDFAとなり[23]、7月1日にマイナー契約で傘下のAAA級アイオワ・カブスへ配属されたが[20]、翌2日にFAとなった。
カブス退団後
2020年2月11日にシアトル・マリナーズとマイナー契約を結び、スプリングトレーニングに招待選手として参加することになった[24]。6月28日に陳偉殷と共に自由契約となった[25]。
選手としての特徴
守備では強肩と俊足を生かしてゴールドグラブ賞を受賞する程の実力の持ち主で、MLBを代表する5ツールプレイヤーである。
2012年まではホームとビジターでの成績の差が激しい選手だったが、2013年はそれを改善しており両方でOPS0.9以上を記録するなど進化を見せた。
詳細情報
年度別打撃成績
年
度 |
球
団 |
試
合 |
打
席 |
打
数 |
得
点 |
安
打 |
二 塁 打 |
三 塁 打 |
本 塁 打 |
塁
打 |
打
点 |
盗
塁 |
盗 塁 死 |
犠
打 |
犠
飛 |
四
球 |
敬
遠 |
死
球 |
三
振 |
併 殺 打 |
打
率 |
出 塁 率 |
長 打 率 |
O P S
|
2008
|
OAK
|
85 |
316 |
302 |
31 |
73 |
22 |
1 |
4 |
109 |
26 |
4 |
1 |
1 |
0 |
13 |
1 |
0 |
81 |
7 |
.242 |
.273 |
.361 |
.634
|
2009
|
COL
|
89 |
317 |
278 |
53 |
79 |
14 |
7 |
13 |
146 |
29 |
16 |
4 |
5 |
3 |
28 |
3 |
3 |
70 |
3 |
.284 |
.353 |
.525 |
.878
|
2010
|
145 |
636 |
587 |
111 |
197 |
34 |
9 |
34 |
351 |
117 |
26 |
8 |
0 |
7 |
40 |
8 |
2 |
135 |
9 |
.336 |
.376 |
.598 |
.974
|
2011
|
127 |
542 |
481 |
92 |
142 |
27 |
3 |
26 |
253 |
92 |
20 |
5 |
0 |
6 |
48 |
8 |
7 |
105 |
11 |
.295 |
.363 |
.526 |
.889
|
2012
|
135 |
579 |
518 |
89 |
157 |
31 |
5 |
22 |
264 |
85 |
20 |
5 |
0 |
3 |
56 |
11 |
2 |
115 |
11 |
.303 |
.371 |
.510 |
.881
|
2013
|
110 |
436 |
391 |
72 |
118 |
23 |
6 |
26 |
231 |
70 |
21 |
3 |
0 |
3 |
41 |
2 |
1 |
118 |
7 |
.302 |
.367 |
.591 |
.958
|
2014
|
70 |
281 |
260 |
35 |
62 |
15 |
1 |
11 |
112 |
38 |
3 |
0 |
0 |
1 |
19 |
2 |
1 |
70 |
7 |
.238 |
.292 |
.431 |
.723
|
2015
|
153 |
608 |
554 |
87 |
150 |
25 |
2 |
40 |
299 |
97 |
2 |
0 |
1 |
6 |
46 |
6 |
1 |
133 |
11 |
.271 |
.325 |
.540 |
.864
|
2016
|
150 |
632 |
584 |
87 |
174 |
42 |
2 |
25 |
295 |
100 |
2 |
2 |
0 |
1 |
46 |
6 |
1 |
129 |
10 |
.298 |
.350 |
.505 |
.855
|
2017
|
136 |
534 |
470 |
72 |
123 |
34 |
0 |
14 |
199 |
57 |
3 |
0 |
0 |
6 |
56 |
3 |
2 |
119 |
9 |
.262 |
.339 |
.423 |
.762
|
2018
|
132 |
504 |
463 |
71 |
128 |
32 |
4 |
16 |
216 |
64 |
5 |
2 |
0 |
3 |
37 |
4 |
1 |
113 |
5 |
.276 |
.329 |
.467 |
.796
|
2019
|
CLE
|
30 |
117 |
105 |
13 |
22 |
1 |
0 |
2 |
29 |
7 |
0 |
1 |
0 |
1 |
10 |
0 |
1 |
33 |
2 |
.210 |
.282 |
.276 |
.558
|
CHC
|
15 |
49 |
40 |
8 |
7 |
2 |
0 |
1 |
12 |
3 |
0 |
2 |
0 |
1 |
8 |
1 |
0 |
19 |
1 |
.175 |
.306 |
.300 |
.606
|
'19計
|
45 |
166 |
145 |
21 |
29 |
3 |
0 |
3 |
41 |
10 |
0 |
3 |
0 |
2 |
18 |
1 |
1 |
52 |
3 |
.200 |
.289 |
.283 |
.572
|
MLB:12年
|
1377 |
5551 |
5033 |
821 |
1432 |
301 |
40 |
234 |
2516 |
785 |
122 |
33 |
7 |
41 |
448 |
55 |
22 |
2015 |
93 |
.285 |
.343 |
.500 |
.843
|
- 2019年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
表彰
記録
- MiLB
- MLB
背番号
- 28(2008年)
- 5(2009年 - 2018年)
- 24(2019年 - 同年5月21日)
- 2(2019年6月3日 - 同年終了)
代表歴
脚注
- ^ What you need to know for Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月26日) 2017年8月27日閲覧
- ^ Callis, Jim; Lingo, Will (2007). Baseball America Prospect Handbook. United States: Baseball America. pp. p. 19. ISBN 978-1932391145. https://books.google.co.jp/books?id=WFTJJgGC2KMC&pg=PA19#v=onepage&q&f=false 2010年7月17日閲覧。
- ^ “A's announce nine player moves” (英語). MLB.com (May 30, 2008). 2010年7月17日閲覧。
- ^ Lee, Jane (June 8, 2008). “Gonzalez has doubles vision so far” (英語). MLB.com. 2010年7月17日閲覧。
- ^ a b “Rockies acquire RHP Huston Street, LHP Greg Smith, OF Carlos Gonzalez from Oakland in exchange for OF Matt Holliday” (英語). MLB.com (November 12, 2008). 2010年7月17日閲覧。
- ^ “RIGHT-HANDED PITCHER JASON GRILLI DESIGNATED FOR ASSIGNMENT; OUTFIELDER MATT MURTON OPTIONED TO TRIPLE-A COLORADO SPRINGS” (英語). MLB.com (June 5, 2009). 2010年7月17日閲覧。
- ^ 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2010』廣済堂出版、2010年、427頁頁。ISBN 978-4-331-51439-9。
- ^ “Carlos Gonzalez 2009 Batting Splits” (英語). Baseball-Reference.com. 2010年7月17日閲覧。
- ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2011』廣済堂出版、2011年、441頁頁。ISBN 978-4-331-51518-1。
- ^ 2013 Tournament Roster The official site of World Baseball Classic (英語) 2016年3月3日閲覧 [リンク切れ]
- ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』廣済堂出版、2014年、471頁頁。ISBN 978-4-331-51809-0。
- ^ 24 All-Stars among initial confirmed players for 2017 World Baseball Classic MLB.com Press Release (英語) (2016年12月5日) 2016年12月15日閲覧
- ^ “For Rockies' Carlos Gonzalez, solving sleep problems turned around his season”. USA TODAY. 2018年3月13日閲覧。
- ^ Key free agents for all 30 MLB teams MLB.com (英語) (2017年11月5日) 2017年12月28日閲覧
- ^ “Carlos Gonzalez, Rockies complete 1-year, $5 million deal”. ESPN. 2018年3月13日閲覧。
- ^ “Rockies Sign Carlos Gonzalez”. MLB TRADE RUMORS. 2018年3月13日閲覧。
- ^ “元ロッキーズのゴンザレス インディアンスとマイナー契約 2010年首位打者” (英語). スポーツニッポン (スポニチアネックス). (2019年3月17日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/03/17/kiji/20190317s00001007236000c.html 2019年3月18日閲覧。
- ^ “Indians select OF Carlos González from Columbus; option RHP Jefry Rodrĺguez to Columbus” (英語). MLB.com (2019年4月14日). 2019年4月15日閲覧。
- ^ Mandy Bell (2019年5月22日). “CarGo designated for assignment by Indians” (英語). MLB.com. 2019年5月23日閲覧。
- ^ a b MLB公式プロフィール参照。2019年7月2日閲覧。
- ^ “Maddon intrigued by CarGo's Minor League deal” (英語). MLB.com. 2019年6月1日閲覧。
- ^ Russell Dorsey (2019年6月3日). “What an intro! Clutch CarGo amazes in OF” (英語). MLB.com. 2019年6月4日閲覧。
- ^ Jordan Bastian (2019年6月29日). “Cubs designate CarGo; Hamels to IL” (英語). MLB.com. 2019年6月30日閲覧。
- ^ Steve Adams (2020年2月11日). “Mariners To Sign Carlos Gonzalez” (英語). MLB Trade Rumors. 2020年2月29日閲覧。
- ^ “メジャー234本塁打ゴンザレス、元中日・チェンが解雇 NPB入りあるか”. gooニュース. 2020年6月29日閲覧。
関連項目
外部リンク
業績 |
---|
|
---|
1870年代 | |
---|
1880年代 | |
---|
1890年代 | |
---|
1900年代 | |
---|
1910年代 | |
---|
1920年代 | |
---|
1930年代 | |
---|
1940年代 | |
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
|
|
---|
1950年代 | |
---|
1960年代 | |
---|
1970年代 | |
---|
1980年代 | |
---|
1990年代 | |
---|
2000年代 | |
---|
2010年代 | |
---|
2020年代 | |
---|
※1957年のみ、両リーグ合同で選出。ミノーソとケーラインはアメリカンリーグ所属選手。
|
|
WBCベネズエラ代表 |
---|
|