120の穴をもつクリベッジ用スコアボード
クリベッジ (Cribbage) は、トランプ ゲームの1つ。
遊び方・ルール
通常は2人で遊ぶ。トランプはジョーカー を除いた52枚を使用する。
カードのスート 間に強弱はない。A は常に1と扱われ、K より高位になることはない。数字の合計などを求めるときは、Aは1、2~9はその数、10と絵札は10として扱う。
このゲームの最終目的は、合計で121点以上の得点を得ること である。ゲームは以下の手順で行われるが、誰かが121点以上の得点を得た時点で終了となり、プレイや手役の得点計算の途中でもゲームは打ち切られる。
お互いに札を引き、大きな数を引いた方が親になる。
親がカードをお互いに6枚ずつ配る。残りのカードは山札とする。
各プレイヤーは手札から2枚のカードを裏向きに捨てる。捨てられたカードは「クリブ」と呼ばれ、親のものとなる。クリブはプレイには直接使われず、クリブの得点を計算する時まで表向きにしない。
子は山札をカットし、親は切られた山札の一番上のカードをめくる。めくられたカードは「スターター」と呼ばれ、プレイには直接使われないが、プレイ終了後の手役を計算するときに重要となる。なお、スターターでJが出た場合、親に即座に2点が入る(ヒズ・ヒール)。
子から交互に手札を1枚ずつ自分の前に出す。このとき、出されたカードの合計を宣言する。この合計が31を超えるようなカードは出すことができない。また、出したカードで役(後述)ができる場合、獲得点数も宣言する。
例:最初に子が5を出したとき「5」と宣言する。次に親が6を出したときは「11」と宣言する。
どの手札を出しても31を超える場合、「ゴー」と宣言する。「ゴー」を宣言された場合、残ったプレイヤーは自分が出せなくなるまでカードを出す。
合計が31になった場合、最後にカードを出したプレイヤーは2点を得る(31(サーティーワン))。31に達する前に誰もカードを出せなくなった場合、最後にカードを出したプレイヤーが1点を得る(ラストカード)。誰かに手札が残っている場合、合計を0に戻し、最後にカードを出したプレイヤーの相手の方から5.~7.のプレイを繰り返す。
全員の手札がなくなったら、手札の役(後述)を集計する。その後クリブを公開し、その点数を計算する。クリブの点数は親が得る。
親を交代し、2.から繰り返す。
プレイ中の役
以下はカードを場に出したときに得られる役である。
15(フィフティーン)
場のカードの合計が15になったとき、カードを出したプレイヤーは2点を得る。
ラン
場のカードで3枚以上の連続する組ができたとき、その枚数に等しい点数を得る。このときスートは問わない。
必ずしも数字が順番につながっている必要はなく、例えば4、3と出された後に5を出してもランとなる。
ペア
直前に出たカードと同じ数字のカードを出したとき、そのプレイヤーは2点を得る。
ペアの直後に更に同じカードを出した場合、6点を得る(ペア・ロイヤル)。
ペア・ロイヤルの直後に更に同じカードを出した場合、12点を得る(ダブル・ペア・ロイヤル)。
手札の役
子の手役(子の手札4枚とスターターの組み合わせ)
親の手役(親の手札4枚とスターターの組み合わせ)
クリブの手役(クリブ4枚とスターターの組み合わせ)
の順に役を数えて得点を加える。
以下は手札の組み合わせによって得られる役である。同じ役が複数の組み合わせで成立する場合、全ての組み合わせに対して得点を得ることができる。
15(フィフティーン)
合計が15になる組がある場合、1組につき2点を得る。
ラン
3枚以上の連続する数字の組がある場合、組の枚数分の点数を得る。スートは問わない。
5 ♥ 6 ♦ 6 ♣ 7 ♠ のような場合、5 ♥ 6 ♦ 7 ♠ と 5 ♥ 6 ♣ 7 ♠ の2組があるとみなされ、得点は3×2=6点となる。5 ♥ 6 ♦ 7 ♣ 8 ♠ の場合は 5 ♥ 6 ♦ 7 ♣ と 6 ♦ 7 ♣ 8 ♠ の2組とはみなさず、得点は4点となる。
ペア
同じ数のカードが2枚あるとき2点を得る。3枚の時には6点、4枚の時には12点を得る。
フラッシュ
スターターを除く4枚のカードが同じスートだった場合、4点を得る。スターターも同じスートだった場合、更に1点を得る。ただし、クリブにおいては、スターターを含めた5枚が同じスートのときのみ得点となる。
ヒズ・ノブ
スターターと同じスートのJを持っている場合、1点を得る。
歴史
ジョン・オーブリー によれば、17世紀初頭にイギリスの詩人ジョン・サックリング (en )によって "noddy" というゲームを基に考えられた。"noddy" は既に忘れられているが、クリベッジは英語圏における一般的なゲームとして生き残っている[ 1] 。
クリベッジはアメリカの潜水艦において、「公式な」娯楽として特別な位置を占めている。アメリカの太平洋艦隊 で最も古い現役の潜水艦の司令官室には、第二次世界大戦 時の司令官であるリチャード・オカーン も使用していたクリベッジボードが置かれている。このボードは、最も古い潜水艦が退役するときに次に古い現役の潜水艦(即ち新たに最古参となる潜水艦)に引き継がれる[ 2] 。
クリベッジボード
クリベッジは点数の変動が激しいため、点数を記録するための専用のボードが存在している。
このボードには 120 の穴が開いており、対応する場所にペグを立てることによって点数を表す。
一部のボードには点数とは別に勝ったゲーム数を記録する場所があるものもある。
参考文献
外部リンク
ウィキメディア・コモンズには、
クリベッジ に関連するカテゴリがあります。
ゲーム
カード
用語 その他 関連項目
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