クールマイユール
クールマイユール(フランス語: Courmayeur, IPA: [kuʁmajœʁ])は、イタリア共和国ヴァッレ・ダオスタ州にある、人口約2800人の基礎自治体(コムーネ)。 西ヨーロッパ最高峰であるモンブランの南東麓にあり、イタリア有数の山岳リゾート地である。冬季は山岳スキー、夏季は登山や避暑でにぎわう。ヴァッレ・ダオスタ(アオスタ谷)の最上流部に位置する町で、モンブラントンネルのイタリア側出口があり、アルプスを越える交通の大動脈を担っている。 名称日本語文献では「クールマイユール」[4]のほか、「クールマイヨール」[4]と表記されることも多く、ほかに「クルマユール」[5]、「クールマユール」[6]などの表記もある。 地理位置・広がりヴァッレ・ダオスタ州北西部に位置するコムーネで、町域には広大な山岳部を含んでいる。 イタリア最高峰であるのみならず、アルプス最高峰・西ヨーロッパ最高峰であるモンブラン(イタリア語名: モンテ・ビアンコ、4810 m)の山頂は、行政上クールマイユールの町域に属している(フランス側のSaint-Gervais-les-Bainsと分け合う形になっている)。このため、イタリアでもっとも標高の高いコムーネとされることもある[7]。 また、フランスおよびスイスとの国境を有している。イタリア・フランス・スイスの三国国境はモン・ドラン付近にある。 隣接コムーネ隣接するコムーネは以下の通り。FRはフランス領(FR-73はサヴォワ県、FR-74はオート=サヴォワ県所属)、CHはスイス領(CH-VSはヴァレー州)を意味する。
ドーラ・バルテア川の下流となるプレ=サン=ディディエを除き、山岳を隔てての隣接である。道路は南にプレ=サン=ディディエ、北にモンブラントンネルを介してシャモニー=モン=ブラン(シャモニー)とつながっている。 地勢町域の北には、モンブランを主峰とするモンブラン山塊 (Mont Blanc massif) (グライエアルプス山脈の一部)が広がっている。町域(国境線上を含む)には4000以上の山として以下のような山がある。
ヴァッレ・ダオスタ州最大の川であるドーラ・バルテア川(ポー川水系)は、町域を源流とする。町域北東部の Col Ferret 山 (2.543 m) の麓から流れる Dora de Ferret 川は、Val Ferret 谷を形成しながら南西方向に流れ下る。また、町域南西部の it:Val Veny 谷では、モンブランをはじめとする山々の氷河の水を集めた Dora di Vény 川が北東方向に流れている。Dora de Ferret と Dora di Vény の両河川は Entrèves 地区で合流してドーラ・バルテア川と名を改め、南に方向を変えてクールマイユール市街の西を流れ、プレ=サン=ディディエ方面へ流れ下る。
主要な集落コムーネの中心地区であるクールマイユール市街は、ドーラ・バルテア川左岸(東岸)、海抜 1224 m 地点に位置している。クールマイユール市街の対岸には Dolonne 集落がある。 行政分離集落クールマイユールには、以下の分離集落(フラツィオーネ)がある。
文化・観光クールマイユールは、イタリア有数の山岳リゾート地である[4]。 クールマイユールはフランス側のシャモニーとともに、国境にまたがるモンブラン山塊や、フランス側にある氷河スキー場ヴァレー・ブランシュへの拠点となっている。 クールマイユールとシャモニーとの間には Vallée Blanche Aerial Tramway と呼ばれる一連のロープウェイが連なっている。クールマイユールの La Palud 地区の乗り場からは Rifugio Torino まで上がることができ、さらに乗継ぎによって国境の Pointe Helbronner や、フランス側のエギーユ・デュ・ミディ(ミディ針峰)を経て、シャモニー市街まで行くことができる。 また硬度の高いミネラルウォーターの産地としても知られる。 交通道路高速道路(アウトストラーダ)によってイタリア北西部の都市と、モンブラントンネルによってフランス側と結ばれている。
脚注
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