ニコラス・ラティフィ
ニコラス・ダニエル・ラティフィ(Nicholas Daniel Latifi, 1995年6月29日 - )は、カナダ・ケベック州モントリオール出身のイラン系レーシングドライバー。 経歴カート2009年からカートのキャリアをスタートさせ、2012年まで各選手権へ参戦して腕を磨いた。 コンチネンタル・タイヤ・スポーツカー・チャレンジフォード・マスタング GTに乗り、2012年のコンチネンタル・タイヤ・スポーツカー・チャレンジへ参戦した。 トヨタ・レーシング・シリーズジャイルズ・モータースポーツ・チームから、2013年のトヨタ・レーシング・シリーズへ参戦。総合9位となる。 フォーミュラ32012年より、イタリア・F3選手権(Italian Formula Three)での参戦を発表。BVM(Target Racing)から出走した。ヴァレルンガ・サーキット(Vallelunga Circuit)で行われた第7戦・レース3で初優勝を飾り、総合7位で終える。 翌年は、カーリン(Carlin Motorsport)から「マスターズ・イギリス・ヨーロッパ」この3つのF3選手権へ挑戦する。ザントフォールト・サーキットにて開催されたマスターズでは決勝7位フィニッシュを果たす。イギリス・F3選手権では第2戦のレース1で初のポールポジションを獲得した。 フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ2014年、ラティフィはテック1・レーシングと契約しフォーミュラ・ルノー3.5シリーズへ参戦する。シーズン後半戦を出走した後、2015年からはアーデン・モータースポーツへ移籍した。 ポルシェ・カレラカップ・イギリス2014年シーズンのポルシェ・カレラカップ・イギリス(Porsche Carrera Cup Great Britain)で、レッドライン・レーシングからエントリーした。ロッキンガム・モーター・スピードウェイで行われた第8戦・第2レースで4位入賞を果たす。 フォーミュラ12018年以前2016年3月14日、ワークス・チームとしてF1へ復帰したルノーから新たにテストドライバーとして契約を結んだことが発表された[1]。2017年もルノーに残留し、ハンガリーGP後の合同テストに参加した。2018年はフォース・インディアのリザーブ兼テストドライバー[2]を務め、フリー走行を複数回担当した。 2019年2019年はウイリアムズ[3]のリザーブドライバーを務め、同年もフリー走行を複数回経験。 2020年2020年から同チームの正規ドライバーに昇格[4]。同シーズン成績だが、予選はチームメイトのジョージ・ラッセルに全敗した[5]。決勝は11位完走を3回記録[6]している。また、ランキング面でも最高位の関係で第15戦まではラッセルより上にいたが、第16戦サヒールGPでラッセルがメルセデスへレンタル移籍した際に入賞したため[7]、フル参戦のドライバーの中では唯一のノーポイント[8]となっている。 2021年2021年も前年に引き続きウィリアムズから参戦。第11戦ハンガリーGPの荒れたレースを生き残り、入賞圏内となる8位でチェッカーを受け、キャリア初入賞を記録[9]。レース後に前の順位のマシンが失格処分となったことによる順位変動が発生し[10]、それによって記録上は7位入賞となっている。イタリアGP前に来季の残留が発表された。最終戦アブダビGPでは53周目にクラッシュしリタイア。これにより導入されたセーフティカーが、シリーズチャンピオン決定に大きな影響を及ぼした[11]。 2022年ウィリアムズ3年目のシーズンを迎える。チームメイトはメルセデスに移籍したラッセルに変わって、レッドブルのリザーブドライバーを勤めていたアレクサンダー・アルボンが加入した。アルボンは第3戦と第5戦で入賞しポイントを獲得したが、ラティフィはノーポイントが続いた。その中で第13戦ハンガリーグランプリのFP3ではトップタイムを記録。しかし9月23日に同年最終戦をもってウィリアムズとの契約が終了することが発表された。第18戦日本GPで同シーズン初・結果的に同年唯一のポイント獲得となる9位に入賞した。 SNSでの脅迫被害2021年のアブダビGP終了後、ラティフィのクラッシュが原因となったセーフティカーによる先導・再スタートが結果的にルイス・ハミルトンとマックス・フェルスタッペンのワールドチャンピオン争いに影響を与えたためにSNSで殺害予告を受け、外出時はボディーガードを付けていた[12]。ラティフィは「SNSを攻撃の手段に使うなんてショッキングだ。」とSNS内での過激な罵詈雑言を非難している[13][14]。タイトルを逃す形で2位となったハミルトンも、「SNSを通しての誹謗中傷は、誰もそのようなことをされるべきではないし、決して許されることではない。」と述べ、ラティフィの支援を表明した[15]。 レース戦績略歴
イタリア・フォーミュラ3選手権
トヨタ・レーシング・シリーズ
FIA フォーミュラ3・ヨーロピアン選手権
マカオグランプリ
フォーミュラ・ルノー3.5 シリーズ
GP2シリーズ/FIA フォーミュラ2選手権フォーミュラ1
脚注
外部リンク |