ルノー・25
ルノー・25(Renault 25,R25)は、フランスの自動車製造会社であるルノーが製造したハッチバック型の乗用車である。フランス語では「25」を「ヴァンサンク」(仏: vingt-cinq)と読む。 概要1983年11月[5]にルノーの最高級車種20、および30の後継型として発売された。シートを本革であつらえ、専用スーツケースを備えた高級バージョンの「バカラ」(Baccara )[6]も用意されるなど、名実ともにフランスの最高級車であった。空気抵抗はCd値0.28と極めて低い[7]。加えてこの数値は、当時最新の凹凸を極限まで抑えたフラッシュサーフェイスボディの成果で、アウディ・100を凌ぐ[8]。 後席スペース拡大のためホイールベースを227mm延長したリムジン(Limousine )も生産され、標準車と同様の後席の他、2人がけ電動リクライニングシートの設定があった。これらは当時のフランス大統領専用車(フランソワ・ミッテラン大統領時代)や駐日フランス特命全権大使の公用車としても採用された。 1988年に外装を中心に大規模な変更を受けてフェーズIIとなったが1992年に生産を終了、後継モデルのサフランに引き継がれた。 エンジン駆動方式は縦置きFFのみで、前からエンジン、デフ、トランスミッションと並び、エンジンがフロントオーバーハングにかかるレイアウトを採る。 フェーズIでは、ルノー、プジョー、ボルボが共同開発したPRVエンジンのZ7V型V型6気筒SOHCボアφ88.0×ストローク73.0mmで2,664cc、インジェクション[9][10]で144PS/5,500rpm、22.4kgm/3,00rpm[4]を筆頭に、直列4気筒J7T型2,165cc123PS[11]とJ6R型1,995cc103PS[11]ガソリンエンジンと、J8S型4気筒2,068cc64PS[11]の自然吸気とターボ付きのディーゼルエンジンがラインナップされ、1985年にアルピーヌ・V6 ターボ用とほぼ共通のV型6気筒・2.5L(Z7U型2,458cc)ガソリンターボが追加された。 V型6気筒モデルで1985年のデータでは最高速201km/h、0-100km/h10秒[7]、1986年のデータでは最高速196km/h、0-100km/h11.3秒[11]。 フェーズIIではV6がZ7W型2,849ccに変更、自然吸気のディーゼルが廃止され、1989年に直列4気筒1,995ccガソリンエンジンが12バルブのJ7R型120PSに切り替わった。 ボディボディサイズは全長4,650mm×全幅1,770mm×全高1,405mm、ホイールベース2,725mm(リムジンを除く)、1,290kg(2,664cc、V6)。ボディ形状はこの車格では珍しく5ドアのハッチバックのみであった。これはルノー 16に始まり、20および30から引き継がれたもので、後継モデルのサフラン、ヴェルサティスも同じであることから、ルノー製高級車の伝統と言える。 内装はマルチェロ・ガンディーニがスタイリングしており、ダッシュボードの特徴的な造形が目を引く。 日本への輸入当時のインポーターであったジヤクス・カーセールス(JAX)により、1984年夏にV型6気筒エンジンを搭載した25V6iが3ATの仕様で導入された。 フェーズIIへの移行は1989年式からで、V型6気筒エンジンを搭載した25V6iと、2,165ccの直列4気筒エンジンを搭載した25GTXが輸入された。 1990年から25バカラが輸入された。 関連モデルアメリカでは当時ルノーと提携していたクライスラーから、ジョルジェット・ジウジアーロのスタイリングによって寸法を拡大し、4ドアボディにモディファイされたモデルがカナダのアメリカン・モーターズ(AMC)の工場で生産され、イーグル・プレミア及びダッジ・モナコの名で販売された。 脚注
関連事項外部リンク参考文献
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