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JR駅舎(2018年3月) |
ひとよし Hitoyoshi ひとよしおんせん HITOYOSHIONSEN |
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所在地 |
熊本県人吉市中青井町326-1 |
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所属事業者 |
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電報略号 |
ヒト |
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駅構造 |
地上駅 |
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ホーム |
3面5線[1] |
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乗車人員 -統計年度- |
(JR九州)-2017年- 347人/日(降車客含まず) (くま川鉄道)-2019年- 496人/日(降車客含まず) |
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乗降人員 -統計年度- |
(くま川鉄道)-2019年- 953人/日 |
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開業年月日 |
1908年(明治41年)6月1日[2] |
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乗入路線 2 路線 |
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所属路線 |
■肥薩線(JR九州・人吉駅) |
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キロ程 |
51.8 km(八代起点) |
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所属路線 |
■湯前線(くま川鉄道・人吉温泉駅) |
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駅番号 |
1 |
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キロ程 |
0.0 km(人吉温泉起点) |
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備考 |
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テンプレートを表示 |
人吉駅(ひとよしえき)は、熊本県人吉市中青井町にある、九州旅客鉄道(JR九州)の駅である。楽チャリ設置駅。
くま川鉄道との共同使用駅であるが、同社の駅は人吉温泉駅(ひとよしおんせんえき)と称する。命名権による副名称が付され、神城文化の森人吉温泉駅(しんじょうぶんかのもりひとよしおんせんえき)と称している。人吉温泉駅の駅番号は1。
概要
熊本県球磨地方の主要都市である人吉市の代表駅であり全列車が停車する。JR九州の肥薩線と、くま川鉄道の湯前線の2路線が乗り入れており、湯前線は当駅が起点である。かつては湯前線も日本国有鉄道(国鉄)・JR九州が管轄していたが、1989年(平成元年)にくま川鉄道に経営移管されて、当駅はJR九州とくま川鉄道の共同使用駅となった。くま川鉄道の駅は「SL人吉」の運転開始に伴い、2009年(平成21年)4月1日に「人吉温泉駅」に改称された。
肥薩線の運行上の拠点となる駅で、ほとんどの列車が当駅を発着している。平成28年3月26日に行われたダイヤ改正で「いさぶろう1号」「しんぺい4号」及び上下普通列車各一本が吉松駅 - 八代駅・熊本駅間で直通運転を行うようになり、当駅が途中駅となる列車も存在する(ただし、直通する普通列車については当駅を境に列車番号が変わる)。八代市や熊本市方面からの観光利用が多い八代方面は特急列車が運行されるなど比較的本数が多いが、宮崎県・鹿児島県との県境の山間部を通る当駅 - 吉松駅間は観光列車「いさぶろう・しんぺい」を含めて1日3往復のみの運転である。
湯前線の列車は国鉄・JR九州時代、第三セクター化後の初期には八代方面との直通運転があったが、現在はすべて当駅 - 湯前駅間のみの運行となっている。
かつては特急「おおよど」、急行「えびの」、「くまがわ」、近年も特急「くまがわ」、「九州横断特急」など様々な優等列車が当駅に停車していたが、2016年3月26日ダイヤ改正で優等列車が全て廃止され、快速列車と普通列車のみの停車駅となった[3]。
その後、2017年春頃より新しい観光特急列車「かわせみ やませみ」が熊本駅 - 当駅で運行されている[4]。さらに2018年3月17日のダイヤ改正で鹿児島本線直通の快速列車が廃止され、肥薩線の運行本数の見直しや時刻の繰り上げ繰り下げが行われた[5]。ただし、朝の普通列車1本は終点の八代駅で列車番号を切り替えて快速列車(熊本行き)となる。
歴史
年表
駅名の由来
開業時の地名(球磨郡人吉町)が由来。周辺に日当たりの良い盆地が多く、古くは「日豊(ひとよし)」と読まれていたものが「人吉」に転化した。
駅構造
駅本屋に直結した単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線の、3面5線のホームを有する地上駅[1]。JR九州は駅本屋寄りの2面3線を使用し[1]、くま川鉄道は駅本屋から最も遠い1面2線を使う。
各ホーム間の移動には従来から跨線橋が使用されてきたが、跨線橋の老朽化とバリアフリー化のため、2013年[注釈 1]に跨線橋を閉鎖した上で跨線橋の手前に新たに構内踏切を設置した[10]。くま川鉄道へは、新設した構内踏切で連絡しているほか、駅横から直接ホームに入場可能な跨線橋を兼ねた自由通路が利用できる[注釈 2]。
八代側に車両基地があり、日本国内で現役唯一の石造車庫(旧人吉機関区、後身の人吉鉄道事業部は2005年(平成17年)3月に熊本鉄道事業部へ統合)があり、現在も車両停泊や、SL人吉や普通列車の清掃・給油・洗浄・留置などの役割を果たしている。なお車両停泊については2016年3月までキハ185系2-3両編成が夜間に入庫していたが、特急列車の運行見直しにより、定期列車の機関庫内での車両停泊の設定はなく、1番のりばに普通列車1両編成1本が停泊する。2018年3月のダイヤ改正までは普通列車2本が縦列停車していた。車両基地内へ入庫する際には、いったん八代駅方の引上線に入線し、折り返して入庫する。引上線が4両分の長さしかないため、5両編成以上の車両は直接入庫できない。車両基地にはたくさんの線路が敷かれているが、現在使用されているのはその中のごく一部となっている。なお、ホームにはかつての特急「おおよど」の号車案内が残っている。
JR九州の駅は直営駅で、みどりの窓口が設置されている。なお肥薩線で起終点の八代駅・隼人駅を除けば、出改札業務も直営で行う直営駅は当駅のみである(起終点を含めると隼人駅も直営駅)。また自動券売機(ICカード非対応)が1台設置されている。JR九州の駅本屋には待合室(コインロッカー有)、キヨスク、観光案内所が設置されている。駅本屋東側にはくま川鉄道のりば・駅裏手へつながる自由通路とくま鉄ゲストハウスが設置されている。くま川鉄道はホーム上に自動券売機1台と窓口が設置されている。駅に設置された自動販売機の一部はICカードに対応している。
のりば
のりば |
路線 |
方向 |
行先 |
備考
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1
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■肥薩線
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上り
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八代・新八代・熊本方面
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一部2・3番のりばから発車
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2・3
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下り
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吉松・隼人方面
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八代方面からの直通は3番のりばのみ
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4・5
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■湯前線
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-
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あさぎり・湯前方面
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- 付記事項
- 八代駅方面からの列車は1番のりばと3番のりばに入線が可能で、吉松駅方面へは2番のりば及び3番のりばから出発が可能。また吉松駅方面からの列車は1番のりばと2番のりばに入線が可能で、八代駅方面へは1-3番のりばすべてから出発できる。湯前方面へは3-5番のりばから出発が可能になっている。
- 近年、吉松駅方面から人吉駅を直通し、八代駅方面へ向かう列車が設定されていなかったため、吉松駅方面から人吉駅1番のりばへ入線する列車は定期列車では存在しなかったが、2016年(平成28年)3月のダイヤ改正より、吉松駅から八代駅への直通列車が運転されるようになり、吉松駅方から直接1番のりばへと乗り入れる列車が復活している。
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駅改札口(2023年5月)
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JR2,3番線ホーム(2012年8月)
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くま川鉄道の駅名標(改名前)
青井阿蘇神社・
球磨川下り・
人吉城が描かれている
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現在のくま川鉄道人吉温泉駅入口付近
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くま川鉄道入口、くま鉄ゲストハウス設置前
JR駅舎と駅弁店の間に挟まれている
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くま川鉄道城本側入口
自由通路を兼ねており駅舎側に出ることができる
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新設された構内踏切(手前が2・3番のりば)
2013年5月時点
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くま川鉄道の4・5番のりば
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JRの石造機関庫
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JRの1番のりばに置かれているきじ馬
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人吉駅前広場工事着工前の駅前広場
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人吉駅構内の小型遊覧鉄道
利用状況
- JR九州
- 2017年(平成29年)度の1日平均乗車人員は347人であり、JR九州の駅としては第289位である[13]。
- 近年の1日平均乗車人員は下表のとおりである。
年度別1日平均乗車人員
年度
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1日平均 乗車人員
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2017年(平成29年)
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347
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- くま川鉄道
- 2019年度の乗車人員は一日平均496人である[14]。
- 当駅は、くま川鉄道の駅では利用者が一番多い。
- 近年の一日平均乗車人員の推移は下記のとおり。
年度
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くま川鉄道
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1日平均 乗車人員 |
1日平均 乗降人員[15]
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2003年
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536
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2004年
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564
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2005年
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564
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2006年
|
526
|
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2007年
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499
|
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2008年
|
511
|
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2009年
|
510
|
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2010年
|
504
|
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2011年
|
464
|
904
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2012年
|
503
|
960
|
2013年
|
476
|
925
|
2014年
|
457
|
873
|
2015年
|
455
|
894
|
2016年
|
423
|
894
|
2017年
|
495
|
807
|
2018年
|
528
|
1,015
|
2019年
|
496
|
953
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駅弁
「人吉駅弁やまぐち」という業者が調製・販売している。全国的にも珍しくなった駅弁の立ち売りが行われている(特急・観光列車停車時のみ)。主な駅弁は下記の通り[16]。
- 栗おこわ
- 栗めし - 人吉駅弁やまぐち製造[17]。1965年誕生[17]。2015年(平成27年)3月6日の「第11回九州駅弁グランプリ決勝大会」で第9位になった[18]。2020年7月からの肥薩線の長期運休に伴い、2022年6月28日から熊本駅での販売を開始した[17]。
- 鮎ずし
駅周辺
人吉市街地の中央に位置し、背後には村山台地が広がる。駅前には熊本県道188号線が駅正面にからまっすぐに伸びている。この県道は途中に市道を挟んだ後に鹿児島県伊佐市方面への国道267号線につながり、国道219号線と接続する。駅南側に球磨川が流れており、南東側に中心市街地である九日町が、駅南西側に国宝の青井阿蘇神社がある。駅前には城の形をしたからくり時計があり、ホテルや土産物店が軒を連ねる。また、駅西側にはロータリーと産交バスとやまえ乗合バスの人吉駅前バス停があり、その奥に駐輪場や有料駐車場がある。SL人吉運行開始に伴い駅前の整備が行われ、からくり時計の移動や駅西側(旧バラ園)への駐車場の移設が行われた。また、駅西側の有料駐車場奥に「人吉鉄道ミュージアムMOZOCA(モゾカ)ステーション868」が2015年5月30日にオープンした。施設は木造2階建てで駅を結ぶミニトレインが設置されている。屋上からは人吉駅や人吉機関庫が一望できる。[19]。
- 駅至近(北側)
- 駅至近(南側)から球磨川まで
- 球磨川から南側
バス路線
- 産交バス
- 人吉周遊バス(じゅぐりっと号):人吉IC乗降口(人吉医療センター・九日町・鬼木町経由)
- 石水寺〜人吉線(国道経由):石水寺入口(人吉医療センター・人吉産交・カルチャーパレス前・西人吉駅前経由)
- 石水寺〜人吉線(旧道経由):石水寺入口(人吉医療センター・人吉産交・カルチャーパレス前・中神経由)
- 人吉五木線:頭地・宮園・上荒地(人吉電力所・相良村役場・五木役場経由)
- 人吉五木線:内谷(人吉電力所・相良村役場・五木役場経由)
- 人吉五木線:椎葉入口・上田代(相良)(川村駅入口・相良村役場・茶湯里温泉経由)
- 七地循環線:南町・浪床町・七地町方面循環 ※月曜・木曜運行
- 大柿線:涼水戸温泉前(総合病院前・人吉産交・カルチャーパレス前・中神町・瓜生田経由)※火曜・金曜運行
- 小柿線:小柿公民館前(総合病院前・矢黒町・西瀬団地前経由)※火曜・金曜運行
- 上原田線:馬草野(総合病院前・瓦屋町・上林町・上原町内会館前経由)※月曜・木曜運行
- 湯前線(木上経由):湯の前駅前・市房登山口・古屋敷(九日町・建設事務所前・吉野尾・木上小学校前・深田・あさぎり駅前・あさぎり町役場入口・多良木町役場前経由)
- 湯前線(西村経由):湯の前駅前・市房登山口・古屋敷(人吉南高速のりば前・旧西村農協前・一武小学校前・下乙・五本松・あさぎり駅前・あさぎり町役場入口・多良木町役場前経由)
- 各線:人吉産交
- 人吉市予約型乗合タクシー(事前予約制、いずれも人吉スターレーン発着)
- 鹿目線:鹿目(人吉医療センター・人吉スターレーン・西瀬橋経由)
- 山江温泉線:山江温泉センター(人吉医療センター・上合の原経由)
- 大畑線:下田代(大畑)(南町・蟹作・赤池水無・漆田・大畑小学校前経由)
- 田野線:大塚・田野車庫(人吉医療センター・西間・古仏頂経由)
- 田野線:大塚・田野車庫(東間・古仏頂経由)
- やまえ乗合バス「まるおか号」(事前予約制)
- 山田線:山江村役場経由大川内
- 万江線:温泉ほたる経由合子俣
- 役場経由万江線:山江村役場・温泉ほたる経由合子俣
その他
- 当駅はアニメ『夏目友人帳』の舞台としても知られ、駅本屋やくま川鉄道の車両等がアニメ内で再現されている。また観光案内所内には人吉・球磨地方に点在する作品の舞台の探訪マップやグッズ・ポスターなどが置かれている(グッズ・ポスターは非売品だが、グッズ販売店やUFOキャッチャーなどの情報もある)。この他、肥薩線内では八代駅、瀬戸石駅や大畑駅も舞台となっている。
隣の駅
※肥薩線の特急「いさぶろう・しんぺい」「かわせみ やませみ」・臨時快速「SL人吉」の隣の停車駅は各列車記事を参照のこと。なお、「いさぶろう・しんぺい」は当駅から大畑方は普通列車扱いとなり、「かわせみ・やませみ」「SL人吉」は当駅発着となる。
- 九州旅客鉄道(JR九州)
- ■肥薩線
- 西人吉駅 - 人吉駅 - 大畑駅
- くま川鉄道
- ■湯前線
- 人吉温泉駅(1) - 相良藩願成寺駅(2)
脚注
注釈
- ^ 詳細な時期は不明だが、GWの時点で跨線橋は閉鎖されていた(画像参照)。
- ^ 駅構内の跨線橋は撤去されたが、くま川鉄道ホームへ通じる跨線橋は残されている
出典
参考文献
- 曽根悟(監修)(著)、朝日新聞出版分冊百科編集部(編集)(編)「肥薩線・吉都線・三角線」『週刊 歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR』第2号、朝日新聞出版、2009年7月19日。
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
人吉駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク